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メカバレ
この部屋からは、いつもジー……ジー……という機械音が聞こえている。彼女がら、絶対に入るなと念を押された部屋だ。居候の身なので、強いことは言えなかった。
だが、今日は明らかにおかしかったのだ。
普段の単調な機械音とは明らかに違う、まるで工場の中に居るような音。僕が帰宅した時には、既に鳴っていた。靴から考えて、おそらく彼女はあの部屋にいる――
僕は葛藤して、入ることに決めた。尋常じゃない音に、我慢が出来なかったのだ。
ドアを開けると、彼女――と思わしき何かが居た。
其れは振り返って僕を見た。右の肩から、まるで工具箱の中身のような――機械部が露出していた。それはコンセントにつながった何かと、格闘している。
「今日は……外に居るんじゃなかったの……?」
人間みたいな青ざめた顔で、彼女は僕に聞いた。
「いや、用事が早く済んで……」
彼女はいったん顔を伏せた。格闘は続いている……
「ねぇ、幻滅――しちゃったかな――?」
彼女は泣きそうな顔だった。この部屋は異様に暑かった。
彼女は汗も、そして――涙さえも、出すことは無かった。




