第一話 「なんで俺がこんな目に」
小説初心者のスサノオと申します。
これからがんばって書いていきたいとおもうので応援お願いいたします!
第一話「なんで俺がこんな目に」
夕暮れ時、下校路を歩く少年と少女がいた。昔からの腐れ縁でずっと一緒の学校に通っている。
明るくて活発なクレハと少し暗くて愛想のないソーマ。性格は真逆だが仲はとてもよかった。
「レギオン…かぁ、なんか信用できないんだよなぁ…クレハはどう思う?」
「私はいいと思うけどなぁ…いままでと違って環境にもいいし、ソーマだって嫌いなわけじゃないんでしょ?」
振り向いてソーマにほほ笑みながら答えるクレハ。
「確かに嫌いじゃないけど……なんかモヤモヤするっていうか…」
ソーマは少し顔を赤らめ下を向き真冬の空気で冷えた手を白い息で温めた。
「あんたの家のあの両親ならわからんでもない。すっごいレトロ好きだもんね。新しいエネルギーも喰わず嫌いで使ってないんでしょ?それが原因でモヤっとしてるんじゃない?」
クレハの問いに答えられず、「ん~」と考え込む
「まあ、時間がたてばそのモヤモヤもきえていくんじゃないかな!」
クレハは下を向いているソーマのほうをじっと見てそう伝えた。
ソーマはさらに顔を赤らめそっぽを向く。
「っともうこんな時間か…今日は寄り道せず帰ってこいって言われてるんだ!じゃあね!!」
そういうと手を振りながらソーマのいく道の反対の道へ走っていった。ソーマも手を振り返すと自分の家のほうに歩きだした。
「ただいま」
家に着くといつもと違う違和感を感じた。いつもならただいまっていえばすぐにリビングから「おかえり」が聞こえてきた。でも今回はその返事が無かった。
「父さん?母さん?」
恐る恐るリビングに入ると両親が寄り添ってぐったりと倒れこんでいた。
「父さん!?母さん!?なにがあったの!?」
父親は血まみれでもう息が無かった。母親のほうをよく見ると血の跡がびっしりとこびりついている。
ここで倒れた父親に地面を這いながら近寄ったのだろう。
ソーマが泣きながら二人を呼び続けると母親が少しだけ目を開け、口を開いた。
「ソーマ……あなたに…あげたペンダント…絶対にはず…しては、だめ…よ?あなた…は私たちの…希望なんだから…レギオン…なんかに…とられて…たまるもんですか…」
かすれた声でそういってソーマの頭を撫でる。
「母さん?レギオンって!?それ、どういうこと?母さん!」
ソーマの声は広いリビングにむなしく響いた。そしてソーマを撫でた右腕もぐったりと地面について動かなくなった。
「う…うぅ、母さん…父さん…一体誰が…こんなこと…」
涙を流しながら両親を眺める。悲しみと憎しみが入れ乱れて頭の中が混乱していた。
そんな中、ソーマの携帯がバイブをならしだした。幼馴染のクレハからのメールだった。
そのメールには「たすけt」とだけ書かれていた。メールを見た瞬間ソーマは家を飛び出していった
これ以上失いたくないという感情がピークに達していた。大切なクレハだけはこんな自分にも優しくしてくれたクレハだけは助けようと思ったのだ。
「クレハ…まってて!!」
数分走りクレハの家の近くにたどり着くとクレハが軍の車に乗せられていた。
「まって!クレハ!!」
ソーマはクレハの名前を大声で呼んだ。
「ソーマ!!!」
クレハも叫ぶが黒服の男に車に押し込められてしまった。
急いで追ったが車も動き出し当然の如くおいていかれた。
ソーマはクレハを助けられなかった。
「ちくしょー…もっと早く着いてれば…ちくしょぉぉぉ!」
思わず感情があらわになる。車の音も消え静かになった道でソーマの声だけがむなしく響いていた。
「なんで……なんで俺がこんな目に…神様…俺がなにをしたっていうんだよ!!!俺から全部奪っていって…くぅ…」
クレハをさらった車は連合国のものだった。
「連合国…絶対に…絶対にゆるさない!!!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そのとき、ソーマの体が青白く発光し周囲に電撃を作りだした。
「これは…なに?俺、どうなっちまったんだ!?」
わけもわからずあたふたするソーマに一人の少女が近づいてきた。
「それはアーク。レギオン嫌いな神様が私たちにくれた力だよ」
黒髪を後ろでまとめた作業着の女の子。透き通ったような蒼い目がソーマをじっと見ている。
「神がくれた力……?」
自分の両手を見てこれならクレハを助けられると思った。
ソーマが立ち上がるとたちまち雷は収まった。
「覚悟ができたみたいだね……君、反乱軍に来ない?」
この勧誘を断る理由はなかった。ソーマは作業着の女と共に歩きだした。
呼んでいただき感謝です!!
感想なんかいただけるとテンションがあがるので更新が早くなるかもw
本当に読んでいただきありがとうございました。