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1話

第3国防艦隊の戦い

長門CIC(戦闘指揮所)

「12の目標の内、6の撃墜を確認!」

電測員がそう報告すると俺は”良くやった”と言いつつもモニターを睨み続ける。

と、次の瞬間だった。俺が睨んでいたモニターに表示されていた敵航空機から小型目標が分離されたのに気が付いた。

「敵航空機より高速目標分離!対艦ミサイルのようです!」

「・・・・・・ミサイルの種類は!?」

「おそらくAGM-82!!SLAMです!」

(対電源ミサイル・・・・・・はやいところ処分しとかないとな・・・・・・)

俺がそう思った次の瞬間、敵のミサイルが海面高度へと低下したのである。

「か、艦長!敵ミサイルが高度を下げました!」

「大丈夫だ!水上レーダーによる追尾を行え!!」

俺がそう言うと対水上レーダーの状況を示すモニターに高速目標が表示された。

長門艦橋天蓋

「さてと・・・・・・準備完了、行きますか!」

長門の艦魂である私がそう言うと初霜に陽炎そして秋月も拳銃を構える。

そしてCIC(戦闘指揮所)のほうから射撃命令が下るのと同時に私は拳銃の引き金を引くと、船首側のVLSから4発のESSMが飛翔する。

暫くすると海上で爆発がすると8つの目標の内、3つが撃墜された事がCICで報告され、私はすぐさま次の弾を込める。

そしてもう1回引き金を引くと、今度は船尾側のVLSから4発のESSMが飛翔する。今度は初霜と陽炎に秋月からもESSMが放たれたのである。


やがてESSMは5つの目標をすべて撃墜し、CICでは本来の目標であるF-15Kに対して照準(ロックオン)を合わせたのである。

5分後にはF-15KはSM-6によって撃墜されたのである。

だが、これは囮であり、護衛担当の旧韓国空軍所属のKF-16と攻撃担当のMig-23による隠岐諸島空爆作戦がその裏で実行されたのであった。

長門CIC(戦闘指揮所)

本部(中国地方防衛本部)より入電、隠岐諸島に韓国軍航空機多数が飛来!現在交戦中なるも、上空から空挺部隊が降下中、陥落やむなし!との事です!」

通信士官がそう報告すると艦長である俺はすぐに第3国防艦隊司令である栗田原少将と顔を合わす。

そして更なる衝撃的な情報が入ったのである。

「ふ、福岡県北部が陥落、空軍は築城基地の放棄を決定しました!」

「な、何だと!?」

そういう報告が入ると辺りが凍りついたのである。

撤退。それが意味するのは福岡が韓国の手に落ちたと言う事だ。

だが、俺はそれを理解するのに少しの時間も要さなかった。

”戦術的退却”これは退却と違い敗北と言う訳では無く、軍事的な理由で退却し、時間を稼ぐと言う戦術の事である。


栗田原司令は無駄な犠牲を出すまいとすぐに舞鶴へ戻るように命じた。

司令の命令とは言え、俺はこの命令が不服だったが、従わざるを得なかった。

この長門は最新鋭だ。下手に損傷させるわけにはいかない。


撤退命令が出ると上空にはF-15とF-2(空軍の戦闘機)が護衛の為に位置している事をレーダーが示し、俺は少し安心しつつも水中の見張りを強化する様に命じた。

と、その時だった。多目的ディスプレーの一つにスクリュー音を示すノイズ反応が表示されたのである。

「対潜戦闘用意!!距離報告完了次第、短魚雷もしくはアスロックに諸言入力。そしてマスカー及びデコイ用意!各艦に報告せよ!」

俺がそう言うと砲雷員達はすぐに対潜戦闘用意を整える。もちろん、対空もだ。

そして20秒後、魚雷航走音をソナーが探知すると俺はデコイの発射命令を下す。


マスカーは泡を形成して魚雷からエンジンを欺瞞するのに対しデコイは魚雷へと向かって航行してそれを迎撃する。言わば魚雷迎撃用の魚雷だ。

そして敵の魚雷が砕け散る音がすると俺は長門の放ったの魚雷の場所を聞く。

「目標まで200m!!」

俺はそう聞くとモニターをまた睨む。

やがて”命中(インパクト)!!”と言う報告を聞き、アクティブソナー(ピンガー)を放つように命じる。ピンガーとは映画を見る方にはご存じだろうが、U-Boat(第3帝国の潜水艦)を舞台にした映画で駆逐艦から放たれるコーン、コーンと言う音の事であり、実際はコーンと言うよりはピーンだとも言われている。

まぁ、そんな事どうでも良いが。やがてソナー音が跳ね返ってきたが、そこには残骸しかなく、圧潰音がパッシブソナー(水中調音装置)にも聞こえて来ており撃沈は確実と踏んだのである。

そして洋上にはその潜水艦だったものが浮かんでいる事が数日後、無人機の偵察で確認され、撃沈は確実である事も証明されたのであった。


一方、築城基地では・・・・・・

福岡市防空作戦を終え、一時的に翼を休めていたF-3(飛燕Ⅱ)F-2(ゼロ・ファルコン)F-15MJ(スーパー・イーグル)が整備を終え、次の出撃に備えていた。

当然、俺、杉野直也も次の出撃に備えて愛機の点検に追われていた。

「杉野中佐!!新田原(九州防空指令所)より入電!築城を放棄せよと電文が入りました!」

俺の愛機の後部座席に乗る田坂中尉がそう言うと俺は”畜生”と吐き捨てつつもすぐに”出撃命令は!?”と聞いた。

すると彼は、”福岡脱出の際に使えるミサイルはすべて使きれ”と伝えてきた。

無駄な空戦を避けたいが、そうはいかない。俺らは岩国の米軍基地へ向かう事を決意しつつも築城撤退作戦を援護すべく空へと舞いあがった。


数分後、築城上空

「くっ、これは酷いな・・・・・・」

俺がそう機内で呟くとレーダーに敵勢航空機の反応があり、即座に身構えた。

こちらは管制してくれる早期警戒管制機がいないのに対し相手はデータリンクを送信してくれる早期警戒機がいる。

こちらが多少なりとも不利であろうが、こちらにはF-3(コイツ)専用のデータリンクシステムがある。これで何とかなれば良いと思いつつレーダーをにらみ続ける。

やがてミサイルの射程距離に入ると俺はすぐにAAM-6C(17式空対空誘導弾)に目標諸言を入力する。無論、レーダーを動かしていられる時間は短いので、すぐにミサイルのレーダーが起動するようにしていた為、50㎞まで近づく必要があった故に、こちらにミサイルが来る可能性はかなり高まっている。

だが、俺は戦闘機乗りだ。戦死の覚悟など、当の昔に決めている。

「・・・・・・オリオン1!フォックス1!」

俺がそう叫ぶとAAM-6は目標に向けて飛翔していくのであった。

そして数十秒後、20の目標の内、7の目標を撃墜した事をレーダーが示したが、敵は撤退するつもりがなさそうだ。

俺は即座に決断を下した。奴らの懐に切り込み、相手を全滅させる事を決意した。


そして15分の空戦が終わりを迎えるとF-35Jが2機撃墜されたもののこちらのキルレシオは何とか5対1で上回り、制空権を何とか維持したのである。


そしてその日のうちに岩国へ撤収する事が出来たのであった。

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