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恋物語  作者: ゆうこ
春の頃
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実行委員会

放課後、早速私たちは実行委員会に招集された。

小会議場には選ばれたお嬢様たち、もとい実行委員たちが異様な熱気で生徒会役員が来るのを待ち構えている。

私と真田くん、星宮さんの3人は一番後ろの目立たない席に着いたが、時折冷たい視線を感じるのは気のせいではない。

ここにいるべきは私たちではないのだ。

チクチク刺さる視線に身の置き場がない。


「なんで推薦を受け付けなかったの?」


私は隣に座る真田くんをにらむ。

立候補は早い者勝ちではない。

あの時はにらみ合う二人に皆声を失くしたが、もう少し待てば加納さんを推す声が上がったはずだ。

真田くんはハハッと乾いた声で笑った。


「ごめんね。でも僕としたら役に立たないお嬢様より、朝霧さんたちに実行委員になってもらった方がうれしいんだ。」


こそっと耳打ちする真田くん。

地味にくすぐったい。

爽やか青年だからいいけど一歩間違うとセクハラだぞ。

隣で星宮さんがにこにこしていた。



ざわりと部屋の空気が動く。

前を見ると生徒会役員たちが入室したところだった。


「お待たせしました。本日はお忙しい中ありがとうございます。」


まず挨拶したのは副会長の涼風宗春、怜悧な顔立ちの知性派美形だ。

続いて挨拶したのが俺様系イケメンの会長、桐生 彬。

隣に立つひょろりと背の高い眼鏡男子が会計、貴島晴可。

書記は唯一2年生の幸田睦月、一番小柄で優しそうな雰囲気だ。

この4人が今年度の生徒会役員たちだ。


交流会準備は大きく軽食等の手配班と会場作り班に分けられる。

手配班は文字通り会場で提供される軽食や飲み物の手配と交流会で使用する紙の花を製作をする。

対する会場班は文字通りの力仕事だ。

なのでお嬢様たちはその人脈を駆使して最高級の食べ物を手配し、クラス委員の男子たちが会場を作る、そういう仕組みが出来上がっていた。

私はお嬢様方の冷たい視線に耐えられそうにないので会場班に加わった。

星宮さんも一緒だ。


「えー、会場作り班は僕幸田と貴島が担当します。よろしく。」


幸田君はふんわりした笑顔が印象的な癒し系美少年だ。


「よろしく。俺の事は晴可でええよ。」


と言うのはへらへらと軽薄な笑いを浮かべる貴島先輩だ。

親しみやすいと言えば聞こえはいいが、その関西弁と相まってなぜかいい印象を抱きにくい。

一言で言えば軽いのだ。


「ところで今年はこっちに珍しく女の子がおってくれるけど、あっちへ行かんでいいの?」


貴島先輩の目が私と星宮さんの方に向けられた。


「あの、女子は足手まといですか?あちらは人手もあるようですし、こちらでお役に立てる事があればと思ったんですが。」


星宮さんの発言にクラス委員の男子たちはメロメロな顔をしている。


「足手まといなんて思ってへんよ。女の子がいてくれたら色々ありがたいし。」


星宮さんににっこり微笑む貴島先輩。

早速美少女に落ちたか?


「君、名前は?」

「2年の星宮 姫です。こちらは朝霧 雅さん。」


おいおい、何私まで紹介してくれてるの!?


「ふーん。姫ちゃんに雅ちゃんか。よろしくな。」


貴島先輩は眼鏡の奥の目を嬉しそうに細めた。

なんで私まで名前呼びに・・・。

思わず涙目になりそうだ。

勘弁してほしい。

私の平穏な日々がまた一つ、星宮さんによって破壊された瞬間だった。




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