大きな海の小さな出会い
この広い宇宙では、目まぐるしいほどの速さで星達が生まれ、消えていく。
だから僕は居なくなるけど、また何処かで会えるから、
またすぐに、君の傍に生まれてくるから、
だから、悲しまないで。
少しの間だけ一緒に居られなくなるだけだから。
…時間みたい。
また会おうね、それまで少しのお別れだ。
さよなら、愛しい星――――――――――
このやり取りをもう何回繰り返したのだろう。
君は、何回私の前から消えたのだろう。
君は、何回私の前に生まれたのだろうか。
もう数えきれないほど繰り返してきた。
新しく生まれてくる君は、私と過ごした時間を忘れてまた、
「ハジメマシテ」と言う。
私と過ごしてきた時間を忘れてしまったのは悲しいけれど、
また君に出会えたことが何より大切だから、
だから君がまた消えるというのなら、
私はそれを最後まで見届けましょう。
そして新しく生まれてくる君を迎えに行きましょう。
こうして新しく生まれた君と出会った。
また新しい思いと思い出が創られる。
でもそれはすぐに終わりを迎える。
生まれてはすぐに消えてゆく君。
もうわからなくなるほど永い時間を生きてきた私。
もっと一緒に居たいのに。
君と私、何が違うの…?
もう何回目か忘れた君との出会い。
今回は君と居られる時間が少ないんだ。
私はもうすぐ消えてしまう。
大きく大きくなりすぎたから、大きく大きくなって爆発するの。
今まではずっと君のことをを待っていられたけど、
もうそれはできないみたい。
それでもこうして最後に会えてよかった。
ありがとう、愛しい星――――――――――
君にとっての少しは、僕にとっての一生だった。
だって君と僕は違うんだもの。
君は恒星、僕は惑星。
君が消えれば、僕も消える。
もし、また生まれられるのならば、
また君の傍に生まれたい――――――――――
XXXX年、一つの銀河が消えた。
Thank you!