1.神でも神でなくても異世界転生はしたい
俺は自称進学校に通っている高校2年の篠原光太郎。あまりテストなどでいい結果を出したことはないが、そんな少しの劣等感とも今日でおさらばだ。なんとなんと俺は、異世界転移をしようとしているのだ。そして今、目の前にある光はおそらく神なんだろう。なぜ、俺がそんなことを理解するのが早いかという理由はただ1つ、ここに来る前の俺は異世界転移系のアニメや漫画を見あさっていたからだ。そんなことを自分語りをしていると、目の前の光が俺に話してきた。
「死んでしまった者よ。お前にもう1度人生をやり直せる機会をやろう。」
俺は心の中で神様キターー!!、と興奮していた。すると、その光は俺に、
「その通りだ。我はいかにも、神で...ってか固っ苦しいからこんな言い方やめるけど!お前の心の中、うるさすぎなんだよ!どんだけ喋ってんだよ!」
俺は光が喋ているときにも興奮が抑えきれず心の中で、「この光は本当に神様なのかな」や「神様なのかよ!え、本当に異世界にいけるのかな」と考えていたのだ。俺は神様に心の声が聞こえてると知り、驚いて
「か、神様は俺の心の声聞こえるんですか!」
と声にも出して言ってしまった。神様は
「いかにも、お前の心を見ていとわれも疲れてくるわ!先に言っとくが、すまなかったな。われのミスでお前は死んでしまったのだ。」
と言った。その言葉に俺は動揺して、
「お、俺って本当に死んだんですか?異空間に飛ばされたとかでもなく?」
と聞くと、神様は俺に
「そうだ、お前はかわいそうな死に方をした。お前は徹夜のゲームでウトウトしながら階段を踏み外して
...。」
と最後のほうで笑いがこらえられなかったのか、爆笑をしていた。
(人の死に方に笑うなよ!ってか、俺どんな死に方したんだよ!普通に階段から落ちて死んだのとかじゃ
ないのかよ!)
「結局、俺の死因ってなんなんですかね?」
と俺が聞いてみるとひとしきり笑い切った神様は、
「それで自殺しようとしてた子、まぁその今回死ぬ予定だった子と間違えて階段数段の高さからお前は死んだんだ。その自殺しようとしてた子ももちろん死んだんだけどね。」
と言い、続けてこう言う
「だからこそ、間違って殺してしまったお前を異世界でやり直せるようにしたんだ。」
変に納得してしまった。自殺しようとしていた子と間違って俺を殺してしまっても、結局その子も死ぬんだと。助けることもできなく俺は死んでしまったのだ。世界は無情だなと少し思っていると、神様は、
「では、ここで本題に入ろう。われは今お前を異世界に送ろうとしているが、お前はそれで本当にいいんだな?一応、質問は1つだけ許可しよう。それによって決めたらいい。われもそんなに暇じゃないからな、早めに決めてくれると助かる。」
と言った。俺はいくつか頭の中に”これは知っておきたい”という質問項目があったが、一つに絞り、それを聞いてみることにした。俺は、今から行こうとしている異世界はどんな文明なのかや、魔法などがあるのかを聞いてみると、神様は、
「お前の期待している異世界のイメージと大体はあっている。だが、魔法はない、スキルというもの が、お前の言っている魔法というものになるだろう。」
と返されたので、俺は、
「行きます。異世界に!」
と即決した。神様は俺に、
「まぁ、お前の心の中を見てて、いかない選択肢なんてないと思っていたが、これで本人の許可を取れたから、これでいいか。じゃあ、最後にお前に2つスキルを選んでもらう。さっき言ったように、スキルは魔法のようなもので、MPを使って行使する。スキルは瞬間的な魔法から持続的なデバフなど様々ある。一応この世界に来ている者の中にも絶対魔法(あらゆる魔法を使うことができる能力)、絶対防御(あらゆる攻撃のダメージをなくす能力)というスキルを使うやつもいるが、お前はどうする?」
俺はこう考えた。
「こういう時に必須なのが言語の系の能力だから、…言語能力と…あとなんだろう…」
と独り言を言っていると、俺の体が急に光りだした。体の芯からどんどん何かが入ってくるようだった。
体が熱い、焼ききれそうだ。そう悶えていると何時しか体からの熱さは消えていった。俺は体を見たが、何の変化もなかった。神様が、
「お前言語能力にしたのか、もともとあるものなのに。」
と言った。そう、俺は言語系の能力と言語能力のスキルを手に入れてしまったのだ。俺がそれに動揺していると、神様が俺に、
「前世でもかわいそうな死に方をして今から始まる異世界生活でもかわいそうな生活を強いられるのか…ん?ステータスのところに言語能力の派生のスキルがもらえているじゃないか。よかった、ともかくこれでスキルを2つ渡すことができた。では、早速異世界へいってらっしゃーい。スキルはそこで見てねー。あと、神様の加護は入れているから、これで頑張ってー!」
と言い、俺は神様に感謝や能力のことも聞けず、急に体に重力がかかり落ちていく。
俺は神様との去り際に、
「われは地球の神ではないけど、お前を応援しているよー!」
その時、俺は地球の神じゃないやつに自分が殺されたってどういうことだよと思った。俺はそのまま落ちていき、気づけばまっ平らな広原の中にぽつんと立っていた。俺は周りを見たが、見慣れない動物一匹
遠くにいるくらいで他には何もなかった。俺はとりあえずスキル見てみることにした。どうやって見るのかわからなかったので、最初に衣服に何か入ってないか見てみると、1枚の手紙と自分の顔写真の貼ったカードがあった。手紙にはこう書いてあった。
「お前がどこに転移したかわからないが、とりあえず異世界転生おめでとう!お前は3人目の異世界転生 者だ。前の2人の苦労を少し見てきたから、役に立つ道具をお前に授けよう。この自分の写真が貼られたカードがあるだろう、それはスキルカードだ。自分のスキルについてみることができるように作ってみたから見てくれ。じゃあ、存分に楽しんできてねー。死後にまた会いましょう! 神より」
俺は不謹慎だろ!と思いながら、手紙を読み終え、神様が言っていたスキルカードを見てみることにした。そのスキルカードには俺の能力が書いてあった。
篠原光太郎 年齢17歳 レベル1
体力200 攻撃力100 素早さ200 MP150
スキル 自動翻訳 あらゆる言語を理解し話すことができる 使用MP 0
約束 条件:相手が合意する
効果:絶対に守らせることができる 使用MP 15
命令 条件:自分とのレベル差20以上 使用MP 100
効果:70%で命令を守らせる
俺が合意の場合って、全部条件がシビアすぎるだろ!ってか俺っ戦えるスキル何もないんだけど!と頭の中で思っていると、突然地面の鳴る音が聞こえだした。音の鳴る方を見てみると、何か土煙が俺の方へ向かって地数いている気がした。俺は、まさかぁと思っていたがどんどん近づいてくる土煙にだんだん怖くなっていき、俺は逃げることにした。逃げているときに分かったのだが、不幸にも俺に向かってきているということだった。
面白くあれたら幸いです!