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能力者の日常  作者: 相上唯月
7大地震

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2葵と悠の密談

夕食時、悠は光姫ら三人と共にダイニングルームへ向かっている途中で、葵と出会した。メイサに用事かと思い、彼女の肩を叩こうとしたら、葵にブンブンと首を横に振られた。悠は目を見張りながら、人差し指で自分を指すと、彼女はブンブンと首を縦に振った。そのまま手招きをされ、悠は自分に何の用事だろう、と不思議に思いながらも、三人から離れ、彼女のいる廊下の角へ向かう。


「どうかなさいました?」

「悠くん、ちゃんと話すの初めてじゃない? やっぱり可愛いね〜! 知ってるだろうけど、うち、島光葵。島光芳樹と島光菊乃の一人娘! メイサと仲良くさせてもらってます、彼氏くん。よろしくっ。」


悠が首を傾げながら葵に尋ねると、彼女はベラベラと流れるように返事をし、握手を求めてきた。彼女のハイテンションに虚をつかれながらも、悠は手を差し出す。すると、がしっと手を握られ、そのままブンブンと振られた。


「よ、よろしくお願いします…。」

「そんなに畏まんなくて大丈夫だよ〜? 立場的には断然悠くんの方が上だしっ。さて、単刀直入に要件を言うけど、メイサにさ、ディープキスしてくれない?」

「は、はい⁉︎ ど、どういうことでしょう?」


単刀直入に話された要件が想像のはるか斜め上をいく内容だったので、悠は思わず大声を出して聞き返してしまった。


「なんかね、今日メイサと話してたんだけどさ。彼女は悠くんとのディープキスをお望みだよ。あとね、メイサは悠くんにもっと触られたいみたい。あと『愛してる』だけじゃなくて『好きだよ』って言ってあげてね! 彼女、悠くんのこと大好きみたいだから、色々と叶えてあげて! てことで、機会があったお願いね。じゃ、また!」

「は、はぁ…。」


葵は早口でそう捲し立て、悠の返答も聞かず、手を挙げてキッチンへ駆けて行ってしまった。其の最中で出会したメイサに、「ちょっと彼氏くん借りてた!」と言っている声が聞こえる。悠は彼女の性格からも、彼女の口から出た言葉からも唖然として、暫時その場から動くことが出来なかった。

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