エピソード7 ミクside1
一年前、都内某所AZUMI所属事務所メイク室にて
「ピコピコーン」
「ピコピコーン」
「ピコピコーン・・・」
「AZUMIちゃん、通知いっぱい来てるよ」
「それ大丈夫です、案件だから」
仕事の案件で説明の練習用に仮登録したアプリの掲示板からメッセージが届く、これは彼氏、彼女を探すアプリ。
「一応案件の期間も終わったし、アプリ消そ」
「写真は目元のドアップだし、多分皆は未来だって気付かないけど、、名前も間違えて本名で登録しちゃったし」
「どんだけメッセージくるの?止まらないんだけど」
「ピコピコーン」
アプリを消そうとした時、一つの写真が目に入った
「あっ。犬の写真だ。このプロフ写真、未来が前に飼ってたロンにめっちゃ似てる、、、」
何枚か犬の写真を見ていたら、間違えて未来から友達リクエストを送ってしまった。しかも、メッセージしていないのにすぐにメッセージが来た。
【こんにチワワ!ワン!25歳、独身、彼女無し、アルバイト勤務のター君です!フレンド申請ありがとうございます!お互い大変な時代になりましたが、毎日メールで楽しくエンジョイな会話をしましょう!】
なにこのイミフな構文
下手すぎてちょっと笑っちゃった、長いし笑
でも悪い人じゃなさそうだな
面白そうだからちょっとだけ返信してみよ
【こんにちは、初めまして⠀ミクです】
【返信が来たー!初めまして!】
【わんちゃん飼ってるんですか?】
【はい!柴犬です名前はリキヤって言います】
【そうなんですか、可愛いですね】
思ったより普通の人だった。
もうすぐ収録あるし、これくらいにしとこ
あと、アプリも消さないと
【ミクさんって犬飼ってたんですね】
え、何でこの人未来が犬飼ってたって分かったの?
【そうですよ、、でも何で分かったんですか?】
【写真の中に犬の首輪が写ってました】
え?わかんない。目元のアップしか写ってないのに
【ネタが切れたので、話題探そうとして写真を凝視してたら目の中に反射で写ってました】
もう話題無くなった?!早くない?
確かにロンが死んじゃった時に捨てられなくて
部屋に置いてあった首輪だけど…
しかも話のネタの探し方がちょっと怖い、けどこの人の必死さで笑っちゃったじゃん