エピソード5 ニヤニヤ
【昨日番組で振り付け失敗しちゃいました】
【えー!まじで?】
【気にしないで!全然カッコ良かったよ】
あれからメッセージのやり取りは無事続いている
本当に友達みたいなやり取り
友達が少ないからこれが正解なのかわからないが
【俺はミクちゃんがAZUMIでも何にも変わらないよ】
【俺の中ではミクちゃんはミクちゃんだから】
【ん?どした?笑】
たまにカッコつけようとして失敗するが
メッセージは毎日続いている
【バイト行ってくるね!また後でね】
【私もレッスンあるから!またね】
…………………………
2ヶ月後の横浜ライブの為の資金稼ぎと新曲のCD買う為にバイト頑張らないと…
ライブの後はミクちゃんとデートするかもだから
すこし余分にお金持って行かないとな…
「頑張れ俺」
家にもお金入れないといけないし
今月はお母さんの誕生日だからプレゼントも買わないといけないな…誕生日プレゼントは肩たたき券じゃだめかな…はは
はっきり言うと家は貧乏だ、親父も借金を作って出て行ってしまったし、お母さんは毎日パートを頑張ってる
「はぁ…どう考えてもAZUMIとは付き合えないな」
ため息しか出ない。彼女に本当の事は言えないし
とりあえず頑張ろう!
…………………………
【お疲れ様ー!レッスン終わったよー】
ミクちゃんからのメッセージが僕の生きるエネルギーになっていた
【お疲れ様ー!俺もバイト終わった】
【ター君ライブ来れそ?】
【当たり前やん!自家用ヘリで行くよ笑】
【まじ?ライブ会場はヘリポートあるよ笑】
【まじかーヘリの免許取らなきゃ】
【どゆこと笑】
また電話で話したいけど
僕から言うのはちょっと言いにくいなあ…
またミクちゃんから通話したいって言わないかな
【そうだ!ミクちゃんにプレゼントがあるよ】
【え?!本当に!?】
キャラクターキーホルダーをあげるつもり
新曲のお祝いにプレゼントしたかった
【もしライブで会えたら渡すよ】
【会えるかなーライブの時は時間ないかもだけど】
だよな、わかってた
【でもスタッフさんに内緒で時間つくるよ!♪】
なんて神なんだろう
可愛いし歌が上手くて優しい
おっパイも大きいし完璧人間じゃないか
おっパイも大きいし
僕は古本屋で買ったAZUMIのポスターを見て
ニヤニヤしていた
体もエラいし大変だけど、明日もバイト頑張ろう