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エピソード3 想いと重い

「もしもーし通話切れたけど」

「あーごめんごめんスマホ落とした」

「ター君ってそんな顔だったんだ笑」

「ター君はプロフ写真犬だったもんね笑」

「はははそうだね」


それから1時間くらい話した

服はよく分からなかったが、赤色の服?ブラウスに黒のスリットスカートにした。

その後の会話は大体緊張してて覚えていない


番組は明日の朝9時からだと言っていた

それだけは覚えていた


通話を終えた後は大変だった

心臓が爆発寸前だった

彼女からは内緒にして欲しいと言われたが、まずはお母さんに言いたかった。次に友達に自慢したかった。

いや、まずいか…芸能人だし…


飼ってる犬になら話しても大丈夫かな?


夢か現実かわからないまま布団に入った

嬉しくて足をバタバタした

今日は興奮して寝れないと思った

平凡な人生が大逆転した気分だった


明日もおはようってメッセージ来るかな…

何で僕と話したかったのかな

顔見られたしな。彼女はどう思ったかな


色々考えながら僕は5分後には寝ていた

………………………

「たけるー!起きなさい」

「バイト遅刻するよ」


お母さんの声で目が覚めた

目覚ましセットするのを忘れていた


「メッセージ来てるかな」


布団の中で恐る恐るアプリを開いた


【メッセージ0件】


終わった…メッセージが来てない

当たっていたと思っていた宝くじが番号の見間違いで実はハズレていた気分だった

そんな体験はリアルではしていないが…

………………

1階のリビングに降りるとお母さんが先に朝ごはんを食べていた。今日はハムチーズパンだ


「テレビ、スッキリんテレビにしていい?」

「良いよ」


一応確認したかった

昨日の事がまだ夢だと思っている自分がいる

ミクちゃんは本当にテレビに出ているのだろうか…


【朝はスッキリん!スッキリんテレビです!おはようございまーす!】


チャンネルを変えると丁度良いタイミングで番組が始まった。


「私これつまらないから嫌いやわ、司会者がうるさい」

「………」


そろそろかな…芸能人の私服のコーナー

何だかドキドキしてきた


【今日の芸能人私服のコーナー!それではスタジオAに中継を繋いでみましょう!酒井さーん?!】


【はいはーい!今日は今meTubeや歌番組で話題の歌手!AZUMIちゃんが来てくれてますよ!】


【おはようございますーAZUMIです!】


【今日はAZUMIちゃんは赤色のブラウスに黒のスリットスカートで来てくれましたー!可愛い~】


【本当ですか?!ありがとうございます~笑】


僕は漫画みたいにパンを落として固まった

テレビで見るAZUMIの私服は僕が昨日通話中に選んだ服だった


「何しとるん?どしたの、たける」

「……いや、AZUMIちゃんが出とるから…」

「出るさ、当たり前やん歌手やから」

「そうよね、出るよね」

「最近テレビでよく見るね、この子」


僕は昨日スマホの画面で見たばかりだ

しかもプライベートのAZUMIを…


【AZUMIちゃんは今日は新曲のプロモーションで来てくれましたー!今度新しい歌が出るんですよね!?】


【そうなんですー!よろしくお願いします】


僕は黙って家を出て自転車でバイト先に向かった

何故かは分からないが

登り坂道では無いのに自転車を漕ぐペダルが重く感じた



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