権力
警察署館内
「最近 心臓を狙った ライフル銃による 殺人事件 結構ありますよね」
「あぁ 至近距離からじゃないのに 一発で仕留めてるからな 相当な凄腕だろう。しかも おそらく 同一犯だろう。手口は同じ。ただ 被害者にまるっきり 共通点がない。70歳の飲み屋店主 35歳のサラリーマンかと思ったら 今度は18歳のヤンキー2人組 2人には逮捕歴もあったが 飲み屋店主も サラリーマンも前科無いしなぁ」
「うちの管轄ですし 俺 奥さんと娘さんの涙見てますからね。娘さんから『お父さん 死んじゃったの?』って
聞かれて 言葉に詰まりましたよ。必ず検挙してやります」
「署長が呼んでるぞー。お前ら なんかやらかしたんじゃねーの?」
「何もしてねーよ」
「おい いくぞ」
署長室と書かれた扉の前 ノックする。
「失礼します」
「入れ」
署長室の扉を開け 入室する。署長がこちら向きに 机に両手をついて 座っている。
「お前たち ライフルによる心臓を狙った殺人事件は 警視庁の管轄下となった。以上だ」
「・・・手を引けと」
「これは 命令だ」
警察病院内
「最近 心臓破裂のご遺体 多く搬送されてきますね。搬送されて来た時点で 亡くなって 一緒に来る家族の方
辛そうで」
「そうだな 殺害されてるから 必ず 解剖に回されてるみたいだな」
「最近 解剖担当医変わられましたよね」
「そうだったかなぁ」
解剖医
「あぁ 脳は 無事ですねー。流石ですねー。急いで 脳を回収しておかないと 使えなくなってしまったら
私 怒られちゃいますからねー」
軽い口調で 目の前にあるご遺体の検死を適当な感じで行っていく。最後に頭部へ回ると なぜか? 開頭を始め 頭蓋骨を割ると 脳を摘出した。
「綺麗な脳ちゃん。ですねー」
解剖医は 特殊な薬品を脳にかけた。すると 脳が鮮やかな赤になる。
「よしよし。ですねー」
そう言うと 脳を 透明な薬品が入った銀色のケースに入れた。