いつもと 違う事
10時間程前に 街中で 銃を発砲 3人死亡を含む18人もの死傷者を出した事件の 2人組の犯人始末について 今回 初の試みである事について 一連の流れを 打ち合わせ中である。
司令官 オペレーター3名 内木田 私は タイムアネステシア司令室に居る。
初の試み それは 1度のタイムアネステシアで 2人始末する。
活動可能範囲が 次元カプセルと同じ大きさで 今回カプセル内に 私と内木田の2人が同時に入り 縦列に位置。転送後 ライフル準備 設置 ターゲット確認 同時斉射を行う。
これを カプセル内から 生体部分を外に一切出さず 全てを 5分内で終了する。
ターゲットは バイクで2人乗り 時速30km程で 進入してくる予定である。
「半径2mの球から くれぐれも出ない様にね。球内は こちらと繋がった現実世界だけど 外は過去の世界 1つの世界に 同じ生命部分は 2つと存在出来ない。タイムパラドックスが発生して 後から侵入した生体部分は 消滅するからね。万が一にも 身体の全てが 外に出たら 死んじゃうからねー。ってか 消滅よ。消滅」
司令官が 軽く言う。
「いい。分度器よ。分度器。自分の活動範囲把握して はい もう一回 最初から」
「ツリー テイル 次元カプセル位置について」「オペレーター 時間計測 活動範囲確認」
「アクション」司令官が言う。
撮影か? 心の中でツッコミ。
私と内木田は 次元カプセルに 立ち 転送を想定 ライフル準備 設置 縦列うつ伏せに構えた。
正面のスクリーンに 映像が流れ ターゲットが進入してくる。2人で 呼吸を合わせ 同時に引き金を引く。
ライフルを片付け 立ち上がる。
「4分32秒」「範囲内活動確認 ターゲットへの命中確認」
こんな感じの事を 何回もした。
「よーし。いける。いけそうだね。では そろそろ 時間だし 本番 いきますか」
私と内木田は 迷彩柄のオペレーションスーツに着替える。ライフルは自身の身体より少し小さいぐらい。それを肩にかける。結構重い。だが ショット時の反動は割と軽い。オペレーションスーツのおかげかな。
「タイムアネステシア 起動します」「流入開始」「活性化確認」
「ツリー テイル」
私と内木田は 次元カプセル内に入る。
「ターゲットとの 時間合わせ確認 司令 いけます」
「タイムアネステシア発動」
次元カプセルの周囲に 電磁場が発生 周囲暗転 ビルの屋上に出た。景色が良い。
私と内木田は 想定練習通り 任務を遂行。特に問題無く いつもと変わらず 無事帰還した。
いや いつもと少しだけ 違う事があった。内木田をとても身近に感じて なんか照れ臭かった。