サージェリー誕生
『人口増加計画』が 打ち出されて しばらくした頃 私は内閣官房長官に 呼び出しを受けた。
「これは 今度新設される内閣府特務機関『サージェリー』についての資料だ。よく 目を通してくれ」
「了解であります」
「持ち帰る事は許可出来ない。今 この場で読んでくれ。内容に関しての反論は認めない。運用にあたり 不明な点があれば 質問して構わない。なお これは決定事項である。君には 司令官を務めてもらいたい」
そう言われて なんとなく不穏な空気を感じ取った。
手渡された資料 表紙に赤で極秘の文字。内閣官房長官に言われ 表紙をめくる。
『人口減少阻止計画』
・タイムアネステシアの使用は 司令官の判断 後に必ず内閣官房長官に直通電話で口頭報告
・過去においてのみ 射殺を許可
・大量殺人 多人数死亡事故を優先的に選択 加害者を過去に遡って射殺
・1人死亡の事件・事故の場合 加害者と被害者の年齢・その際の傷害者数を考慮
・加害者が若く 被害死亡者が老齢の場合は 加害者射殺を見送り 現在の法律で裁く
・心臓を狙った射殺による殺害
・人口減少阻止を 最優先として作戦立案
タイムアネステシア
・1日に使用可能な回数 2回
・麻酔薬の大量使用による活性
・20時間前に遡って 5分間だけ 過去に干渉可能
・過去に干渉する際 生命体はサージョンを中心に 半径2メートルの球状内のみで 活動可能
・決して 万能では無い
サージョンについて
・任務内容の秘匿
・孤児から選ぶ事 国籍 戸籍は無い
・オペ後 20時間は拘束
・射撃訓練の必須
大まかに内容は この様な感じであった。
タイムアネステシア 射殺許可とか 異常な言葉 聞いた事の無い言葉が並ぶ。しかもこれって 何かあれば 私も捨て駒では? と思ってしまう。しかし 反論は出来ない。正直 よくわからない。私に出来るのだろうか?
私が 発した言葉は
「なぜ 私が選ばれたのでしょうか?」だった。
しかし 返答は
「君にしか 出来ないと思ったからだ」
うーん? 答えになって無い様な。。
内閣官房長官は 資料を 私から受け取ると その場で シュレッダーした。




