けじめ
私は 今 1階にて ガスマスクを被り ライフルを手に 職員さんに突き付けている。
『サイバー』1個分隊10名相手に「こちらには 人質が居る。突入して来るなら 人質を殺す」と脅す。
しかし あまり効果が無い。。相手は 戸惑う事無く 入口突破を試みようとしている。
おそらく このままでは 突破も時間の問題と思い。作戦を変更。職員さんにも ガスマスクを被せ 相手に正体がバレない様に顔をほとんど隠して 手伝って貰う事にする。
小規模爆破にて 入口が突破され 隊員が侵入して来る。ライフルでヘッドショットをする。
隊員が 倒れる。1人 2人。3人。なんとなく 罪悪感を感じる。
『こんな 酷い事を 子供達にさせていたのか?』我ながら 今更ながら痛感する。
『私も人の事を言えない。子供達に歪を押し付けていた自分勝手な大人』
しかし 隊員は 防弾ヘルメットの為 着弾の反動で倒れるも しばらくで起き上がる。少し脳震盪を起こしたのか? 起き上がれない隊員もいる。そこで ホルマリン爆弾を投げ込む。ホルマリン爆弾は爆発し 火の手があがる。何本か投げ込む。
隊員達は 弾薬対策の為だろう。防弾ヘルメット 抗弾のマスクをしている。だが 目はゴーグル。
ホルマリン爆弾は爆発後 気化して 強烈な刺激臭と 目に刺激がくる。ほとんどの隊員が 咳込み 目が開けられていない様子で しゃがみ込む。私達は ガスマスクの為 咳も出ない。目も痛くない。
しゃがむ隊員に ライフルを打ち込む。防弾 抗弾されている為 致命傷になりにくいが 出血している隊員もいる。追い討ちをかけるべく 更にホルマリン爆弾を投げ込む。そして またライフルを撃つ。
しばらくすると 後退する様だ。撤退して行く。数名 入口を出て行く。私は ナイフを片手に しゃがみ込んで居る隊員の ゴーグルを取り 両目の間にナイフを立て 仕留めて行く。3名仕留める。
『人を殺すのは こんなにも 胸が騒つくのか』
『『サイバー』は ガスマスクを準備するつもりだろう。これで だいぶ時間が稼げる。どこから持ってくるにしても30分程度はかかる筈。人質立て籠りの分は チャラかな。しかし 増員の可能性もある。安心は出来ない』と思い 再戦に備えて。申し訳無いと思いつつ 殺した隊員に ホルマリン爆弾をトラップとして 仕込ませておく。次は おそらく ホルマリン対策がなされる筈だ。今回の様に 意表を付いた攻撃は難しい。
次は 命を賭ける必要がある。
職員を生きて建物から出す必要がある。1階のトイレに 縛り付けて 閉じ込める。
「職員さん。今までありがとう。私は もう少しやる事がある。あなたには ご迷惑を これ以上掛けられない。強く縛っておくが すまない」
「いえ。私の方こそ お気遣い頂きありがとうございました。此処で縛るのは 司令官 命を賭けるおつもりでしょう。私からは もう何も言いません。ご武運を」
「これで お別れだ。お元気で!」そう言って 職員の顔を見ずに トイレの扉を閉める。換気扇をフル回転しておく。
さぁ 第二幕の始まりだ。私は死ぬだろう。怖いけど 仕方が無い。子供達に歪を背負わせた者としての『けじめ』なのだから。




