お別れ
俺達は 夜通しで 準備した。ホルマリン爆弾の作成。大脳システムがある B-3階 B-4階 食堂のあるB-2階 サージョンの部屋があるB-1階 各エレベーター入口の溶接封鎖。建物内にあるライフル3丁 短銃3丁に 弾薬を込める。
建物正面入口 シャッターを下ろし 溶接。自室等から 運んでおいた 鉄板の板 机 ロッカー等を用いて バリケードを作成した。
後は 1階と B-5階で 別々の準備を残すのみ。エレベーターは 使用不可にする為 司令官と職員さんとは これで別れる事になる。
全員 一階に居る。全員 防弾チョッキを着る。神尾にも着せる。
「司令官 もうお会い出来ないかもしれません。最後にお礼を言っておきたくて 今まで 本当にありがとうございました」
俺は 深く頭を下げて 感謝を伝える。
「こちらこそ。今まで ありがとう。至らぬ私で。。こんな事になり すまない」司令官が謝る。
「司令官 謝るのは止めましょう。笑って お別れです」
司令官「そうだったな。わかった。笑ってお別れだ。教授!内木田 神尾を 最後までよろしくお願い致します」
司令官は 教授に頭を下げる。
教授「まぁ 最後に 何が起こるか? わからない。この世界では お別れかもしれないが 別の世界で また会える事もあると思うよ。死後の世界とかね」
「三途の川ですね。司令官はきっと天国だから 俺と教授は地獄だし。 会えないですね?」
教授「僕は 天国に決まってるだろう」
俺 司令官 教授で 笑い合う。
「職員さん。司令官を よろしくお願いします」
「私に何が出来るか? わかりませんが 頑張ります」職員は握りこぶしを作ってアピールする。
俺は 司令官にライフル3丁 弾薬を渡す。
司令官と職員さんと 抱き合う。
「では。どこかのパラレルワールドで いずれ。また」
俺は そう言うと 教授と神尾と 3人で エレベーターに乗る。司令室のあるB-5階のボタンを押す。
エレベーターが閉まる。どっと涙が溢れる。
『おそらく 俺も司令官も 2人共が 生きている事はないだろう。わかる。どちらかは必ず死ぬ。2人共かも。これが 司令官との最後のお別れだ。神尾も 本来なら きちんとお別れしたかった筈だ』
俺はエレベーターの中で もう一度 頭を下げた。
B-5階に着き エレベーター本体に ホルマリンの爆弾を仕掛けておく。司令官に渡した爆弾は 着火 手投げ式だが こちらの爆弾は遠隔操作式だ。教授お手製である。そして エレベーターを降り 入口を溶接封鎖する。司令室に入り 入口を溶接封鎖する。教授は タイムアネステシアの準備の為 機器の確認。神尾は 空気を感じ取っているのか? 少し怯えている様にも見える。
神尾をオペレーターの椅子に座わらせる。
今頃 1階では エレベーターのワイヤーを切断。入口の溶接封鎖。ホルマリン爆弾の準備。司令官なら 上手くやっているだろう。
リボルバーの短銃を 1つは教授に 2つは俺が持っている。
どこか 現実とは思えない ふわふわした感じがある。いよいよ 俺は 死ぬ時なんだと思った。




