腹が立つ
私は 自室にて サージェリーの制服に着替え 身分証を首からぶら下げる。
これから 首相官邸に向かう。首相官邸までは 車で40分程の道のりだ。車は電気自動車で 自動運転システムは今のところ アシストまでで 完全運転は未完成である。アポイントは 20時だが 遅刻する訳にいかない。車を走らせる。
官邸に着くと 警備員に身分証を見せ 建物に入る。先程 対応して下さった秘書と思われる人物が 応対してくれる。
秘書「お待ちしておりました。お部屋はこちらです」内閣官房長官の部屋に案内される。
秘書「官房長官は まだお戻りではありません。お会いになるそうですので もうしばらく お待ち下さい」
私は 勧められるまま椅子に座る。出されたお茶を少し飲む。
20時30分を過ぎた頃 官房長官が入って来た。「すまない。待たせたね」
私は 立ち上がり「ご無沙汰しております。官房長官」
官房長官「で ある程度の報告は受けているが 急ぎの報告という事だったので 君からの説明をお願いしたい」
「はい。実はーーー」私は どうせ官房長官はご存知のはず。嘘を付くと面倒。と思い 正直に話す。タイムアネステシアで未来から来た 内木田が赤岩を射殺した事。神尾がサージョンとして機能しない事。
官房長官「そうか。そうか。いゃあー 君達は今まで 十分良くやってくれた。実は そろそろ 選手交代の時期だと思っていた所だったんだよ。ちょうど良い機会だ。君には 現場を退いてもらい。今までの功績から昇格。あの建物の施設管理責任者になってもらう。実質 あの建物のトップだよ」
『なーにが。施設管理責任者だ。要は現場指揮権は 全く無いくせに。責任だけ取らせ様って事でしょ』と思いながらも「了解です」と返答する。
官房長官は続ける「でだ。残っているサージョンの2人だが。。ライフル射殺事件の犯人として 差し出すように。警察庁からも警視庁からも 突き上げがうるさくてねー。マスコミも嗅ぎ回ってて面倒だし。私も 今日はとても疲れている。今から夜に記者会見も疲れるからなぁ。そうだ!君も2人を説得か。拘束する時間が必要だろう。そうだなぁ。明朝9時に 捜査員を向かわせるから 上手く対応してくれ。犯人逮捕は警視庁の捜査員にやらせてくれたまえ。彼らの面子を立ててらんといかんし。いろいろ大変なんだ。いいな?」
「了解です。しかし 2人が説得に応じない場合 拘束が困難な場合は いかが致しますか?」
官房長官「うーん。では こうしよう。君は戻って 説得ないし拘束に成功した場合は 連絡を入れてくれ。もし 明朝8時までに 連絡が無い場合は 失敗した物と判断。実力行使に出る。その場合は 君も含めて全員が 生きて建物を出れる保証は無い。生きて建物を出たければ 2人を説得か拘束か。いや 待てよ? 君だけ 建物から出て来ればいい訳か? 明朝8時までに 連絡が無ければ 君の存在の有無を確認せずに 突入する。君は死にたく無ければ それまでに建物を出る様に。これは命令だ」
「了解です。その場合は サージョン2人の死亡もあり得ますでしょうか?」
官房長官「それは わからない。現場に任せる事になる」
『何が わからないだ。殺す気満々じゃない。反吐が出る』
「了解です。それでは 失礼致します。官房長官もよい夢を」
そう言って 私は退室した。
『あー この世の中にも 大人の身勝手にも 自分にも 腹が立つ!!』




