ありがとう
司令官「仕方がない。今日は 秘蔵のカップ麺を出すか。内木田 神尾。焼きそば うどん ラーメン どれがいい?」
神尾「うどん。うどん。私 うどんがいいー」
「焼きそばでいいですよ」
司令官「じゃあ ちょっと 待ってろ。まず 害虫駆除をしてくる。なぁーんてね。オペレーター達に こんな事があった後だ 今日は もうご帰宅頂き 明日来ない様に指示してくる。その後 カップ麺をもってくるから」司令官が 食堂を出て行く。
神尾と2人。他愛も無い会話をする。
しばらくして 司令官が カップ麺3個を持って食堂に来た。俺と司令官は 厨房に行き カップ麺にお湯を入れ
食堂に戻って来た。3分待ち カップ麺を食べながら 司令官が話をする。
神尾は 喜んでいる。
司令官「さっきの話を聞く限り 上は このシステムを手に入れたい筈だ。だとしたら 建物ごとの爆破 ミサイルなどの使用は無い。大脳システムへの妨害も無いだろう。また この建物は防弾対策はバッチリだ。そこでだ ここを制圧するなら 進入は入口の小規模爆破 内部に突入後 近距離での銃撃 近接戦闘になる。
職員に 迷惑をかける訳にはいかないので 職員は我々によって拘束した形をとる。オペレーターは不在だが 教授がいるので 運用は教授にお任せする。内木田は タイムアネステシアに備え 司令室にいる。神尾も殺害対象の為 司令室がまだ安全だろう。
相手は こちらが 無抵抗で解放すると思っているだろう。万が一 抵抗しても 私と内木田の2人くらいだから
侮ってくるだろう。ライフル射殺事件の犯人として 検挙したいなら 夜間の強襲は マスコミへの勘繰りを促す。逆に マスコミに情報をリークしてから 来るかもしれない。と考えると 制圧に来るのは 明朝だろう。
7時か? 8時か? 9時か? そこで 私は 一階 入口で進入を出来るだけ阻止する。死ぬかもしれないが 気にするな。お前は タイムアネステシアにだけ 集中しろ。階下に降りる階段は この建物には無い。エレベーターは
私が一階に 上がった後 ワイヤーを切断して エレベーター本体には トラップを仕掛けておく。尚且つ エレベーターの入口は溶接する。お前は B-5階で 同じくエレベーターの入口を溶接しろ。司令室の入口も電源を切断して 溶接しろ。いいな。
これは 10時にお前が タイムアネステシアを成功させたら 私達の勝ち。失敗したら 負けだ。
この先 準備で忙しくなるだろう。まぁ 遺言だと思ってくれ。それから 君達をここに連れて来たのは 私だ。
こんな事に巻き込んでしまい すまない。謝って許される事では無いのは わかっている。でも 今しか機会が無い。謝らせて欲しい。本当に すまない」
司令官は 急に立ち上がり 深々と頭を下げて 謝罪を何度も 何度も言う。
「謝らないで下さい。ここに連れて来て貰い。神尾とも赤岩とも会えたし いい事だって 楽しい事だって 沢山ありました。それに 死ぬとは まだ決まっていません。俺 死ぬ気無いです。勝ちますよ」少し涙が出る。司令官に謝って貰っただけで 救われた感がある。
司令官「ありがとう 内木田。 お前達の居ない世界なら 楽しく無いだろうから 私も居ても仕方が無いな。そう思えば 吹っ切れる。ありがとう」司令官が 再度 頭を下げる。
「こちらこそ ありがとうございます」俺も 立ち上がり 頭を下げる。
そして 互いに 笑う。
司令官「では 20時に 首相官邸に着かなければいけない。そろそろ 準備して出る。後を頼む。ここに居るのは
君達2人きりだ。誰も見てないからって いけないからな!」そう冗談を言って笑うと 司令官は食堂を出て行った。




