ワールドモディファイ 2
私は 今 司令官として 内閣官房長官の指示を 直接仰ぐべきと判断。
司令室に 急ぎ 内閣官房長官に直通電話をかける。しかし 電話口に出たのは 官房長官では無かった。
「私は 内閣府危機管理局 特別対策課 対策室 司令官 権藤 桜と 申します。急ぎ お伝えすべき案件が発生。ご連絡した次第です。官房長官はおられますでしょうか?」
「今 官房長官は ご不在です。本日は お忙しく 20時頃 首相官邸にお戻り予定です。お急ぎであれば 私の方から 官房長官にお伝えしますが いかがいたしましょうか?」
「直接 官房長官にお伝えすべき案件ですので。。では 20時に お会い出来る事は 可能でしょうか?」
「わかりました。私の方から 官房長官には アポイントをお伝えしておきます。20時に 首相官邸に 直接お越しください。ただ 絶対のお約束ではございません。お越し頂いても お時間通り会えない事 お会い出来ない事もあります」
「わかりました。では 20時に 首相官邸にお伺いいたします。よろしくお願いします」
『くそ! 急ぎなのに。何が 『お忙しく』だ。こちらだって 緊急なんだよ。20時まで 何も出来ないのか?いや まず 赤岩の遺体を あのままにしておく訳にはいかない。。そうだ。教授。教授は 脳外科医であり 『人口減少阻止計画』の1人 外部に情報漏洩するとは 考えにくい。教授に相談しておこう』
そう思い 教授に電話する為に 電話を取った瞬間 脳内に映像が 流れ込んできた。
『赤岩が 任務を失敗して タイムアネステシアから 帰還。次元カプセルが開く 赤岩が何か叫んでいる。私は 赤岩に駆け寄る。赤岩は 左手にリボルバー短銃を突然構え 私に向けた。私は 赤岩に何か伝えている。しかし 赤岩は 首を左右に振ると 私を右手で押し退けて 司令室から 走って出て行く。私は 力強く押し退けられた勢いで 転倒。左こめかみを次元カプセルに強打 出血。ただ 私を押し退けた際 赤岩の 右手の手首から先が 無かった様に見えた』
「こ これは ワールドモディファイ?」自然と呟きが出た。なんとなく 左こめかみが痛む。
しばらく 情報処理が追いつかない。深呼吸をして 自分を落ち着かせ 情報を整理してみる。
『おそらく タイムアネステシアにおいて 赤岩は 任務を失敗。その際に 右手手首を喪失したのだろう。動揺した赤岩は 何処かで 誰かを殺害。死傷者数が 多数の事件を起こし タイムアネステシアで殺害対象となったのだろう』
今の映像を見せられて なんとなくだが 推測する。
尚更 教授に相談すべきだと思った。教授に電話する。
「教授。先日は ありがとうございました。電話では お伝えしづらいのですが ご相談させて頂きたい案件が 発生しまして お越し頂く事は 可能でしょうか?」
「よ! 司令官。急ぎの様だね。えっーと 今 15時くらいか。16時までには 行けると思うが ダメですかね?」
「いえ。こちらこそ。突然のお願いの上 内容も詳しくお伝え出来ないのに 快くお引き受け頂き 助かります。
では お待ちしております。よろしくお願いします」
そう 教授に伝えると「了解」の返答があり 電話が切れた。
ひとまず 教授が来てから 考えよう。内木田 神尾の事も気になる。私は 食堂に向かった。




