今までして来た事
今は ちょうどお昼過ぎ 私達3人は 食堂で お昼ご飯のサンドイッチを食べている。
赤岩「俺 この後 オペなんだよ。しっかり食べとかねぇーと」
「私達は 今のところ 何の任務も無いから ゴロゴロだよねー」
内木田「おまえと一緒にするんじゃないの。俺はやる事あるの」
などと 仲良く 会話しながら サンドイッチを食べ終えた。
私は何気に ふと時計を見た。13時48分。1時間くらい 居るなー。
「俺 そろそろ オペだから」赤岩が立ち上がる。
突然 赤岩の後ろに よく見慣れた球場電磁場が現れた。電磁場が消えると 中に内木田くんが見えた。短銃を赤岩の背後に突き付ける。
赤岩が 机の上に倒れ込む。机の上が 血溜まりになる。球場電磁場が再度現れ 内木田くんは消えた。
一瞬の出来事。訳がわからない。
「赤岩。赤岩。何? なんなの?」
私は 目の前に倒れ込む赤岩を 揺さぶる。全く反応が無い。周囲は血だらけ。
「ちょっと 赤岩。いやー。いやー」私は泣き叫びながら 何度も何度も 赤岩を揺さぶる。
「内木田くん。何?どうしたら?」内木田くんを見た。
内木田は 何かを感じた様だ。
「今の明らかに 俺だった。っていうか タイムアネステシアだった。。」
「赤岩は 何もして無い。ただ 楽しそうご飯を食べてただけ。なんで?なんで?」
「今更 何言ってるの? 俺達がして来た事は こういう事なんだよ。まだ 何もして無い人達を ただ殺してるだけなんだよ。ただの殺人なんだよ。殺人」
内木田が 語気を強め 少し呆れた様に言う。
「お前は 純粋過ぎなんだよ」
目の前には 全く動かない赤岩がいる。
「殺人? 私達のして来た事は この国の未来を守り 人達を救う正義では?」
そこへ 連絡を受けたのか。司令官が入ってくる。
司令官「何事だ? うん? 赤岩! 赤岩! どういう事だ?」
赤岩へ駆け寄る司令官。
内木田「おそらく タイムアネステシアだと思います」
激しく動揺していた司令官だったが 内木田から そう言われると「そ。。そうか。。」何かを考えていた。
努めて 冷静になろうとしていた。
「ひとまず 赤岩くんを自室に運ぶ。手伝ってくれ。もし タイムアネステシアなら 死は不可避だろう。せめて 最後のひととき 自室で過ごさせてやりたい」
司令官と内木田は 赤岩を自室に運ぶ為 食堂を出ていく。
机には まだ 温かい血が溜まっている。真っ赤だ!
私のして来た事は 単なる殺人? 心の中で『殺人』が 何度も何度も こだまする。
『そういえば 傍らで 家族が泣いていた?』『えっ?? え?? この国の人達の為? 正義?』
私の脳の中で 何かが はじける音がした。




