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パラダイム  作者: massam
11/29

お土産

久しぶりに ここ20時間 事故・事件が無く タイムアネステシアのメインテナンスを 急遽行う事が決まった。

というか 突然 点検を命令された。


「ご無沙汰しております。教授」

タイムアネステシアの理論 設計を担当した教授が 高揚しながら 白衣で 司令室に入って来た。


「タイムアネステシアはどう? 調子いい? 凄いでしょう!『僕の理論が正しい』と証明されたシステムは。

君達の居る司令室は いわば 脳幹だよ。脳幹。この国の龍穴に直結してるんだよ。龍穴だよ。龍穴。龍穴はいわばこの国の脊椎。背骨だよ。背骨。

そして ちょうど 次元カプセルの左右下辺りに 海馬があるんだよ。海馬だよ。海馬はね。記憶や空間学習能力があるんだよ。

そして なんと! タイムアネステシアは この国に麻酔をかける事が 可能なんだよ。麻酔をかけられると ノンレム睡眠となる。ノンレム睡眠は 脳を休息させる。その為 記憶が無い。また 例え夢を見たとしても 健忘効果で 夢の内容を覚えていない事が多い。

ただ どうしても 20時間前の過去に 5分間だけしか 干渉出来ないんだよ。それはねー」


「教授 その話 長くなります?」


「おー! おっと。ついつい。これは失礼致しました。ご無沙汰しております。お元気でしたか? 司令官」


「教授は 相変わらず 変わらないですねー。本日チェック よろしくお願いします。」


「今日はね。突然 上から点検を命令されたんだよ。司令官」

そう言うと 教授は突然 私の耳元に顔を近づけて小声で「ここ 内緒話は可能?」と聞いてきた。


「はい。盗聴機は無いです。ここは 外と隔離されてますから 可能と思います。盗聴機などがあって 周波数を拾われて 万が一にも 外部に漏れる事があってはない様にとの 配慮からです」


「いやー。これ見て。これ。上からのお土産。ホルマリンだよ。ホルマリン。万が一の時に タイムアネステシアを破壊する為 遠隔操作で破壊可能な瓶にホルマリンが入っているの。何十個も渡されて。急に点検なんて言うから 怪しいと思ったんだよ。上はね。念の為の担保が欲しいみたい。だけど このシステムを愛する僕が そんな事出来る筈がないのにね。だから この瓶は 飲兵衛の司令官へのお土産」

そう言うと 大量のホルマリンの瓶を乗せたカートを運んて来た。


「まぁ 100%信頼されてるとは 初めから思っていません。私も万が一の場合は 捨て駒と理解しております。

ただ すぐ 爆破とか突入でなく 逆に 念の為の担保で ちょっと安心しました」


「じゃあ 万が一の為に もう一個 お土産。『親殺しのタイムパラドックス』

勉強しといてね。

麻酔はね。時として 覚めない事だってあるんだよ。このシステムを愛する僕としては 万が一がない事を祈るけど。この国の歪みを 君達に押し付けている大人としての お土産」


「親殺しのタイムパラドックス?」


「そう。いくら 飲兵衛の司令官でも ホルマリンの飲み過ぎには 気をつけてね」


教授は その後 B-3 階に行き タイムアネステシアの大脳システムが沈んでいるプールへと潜って 隅々に点検。

不良部品と新品を 幾つか交換した。との説明をして 3時間程を要して 帰って行かれた。

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