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タイショウデモクラシー

「クレオパトラ君、良く考えておいてくれたまえ」

大図書館館長ヒッパリダコスは、そう言ってクレオパトラの肩を軽く叩くと、大図書館奥の館長室へ戻って行った。

「困ったわね。どうしよう?」

 クレオパトラはアリスを一瞥した。

「別に君が行きたいんなら」

 アリスは冷たく言い放った。

「そんなこと言って! アリス、私と離れたくないでしょ?」

 そう言ってクレオパトラは後ろからアリスに抱きついた。

「べっ! べ、べ、べ、べ、別に!」

 アリスは顔を真っ赤にしながら素っ頓狂な声を上げた。

「もう! アリスったら、分かりやすいんだから! そこがアリスの可愛いところなのよ。あ~、困ったわ」

 クレオパトラは今、ヒッパリダコスから魑魅魍魎出現状況の異変を調査する調査隊のメンバーになるよう打診されていた。

 しかしそれはクレオパトラに対してだけであり、アリスには何の声も掛からなかった。

「調査隊に加われば当分食べるのには困らないんだけど」

「僕としても、暫くプール掃除しないで済むけどね」

「まあ、アリスったら、憎まれ口叩いちゃって! 本当は私と別れたくないんでしょ?」

「え、え、え、べ、べ、別に!」

 アリスは再び素っ頓狂な声を上げた。

「ほんとっ、分かりやすくて可愛いんだから!」

 クレオパトラは再び後ろからアリスに抱きついた。

「こうなったら仕方ないわね。アリス、後ろからバレないようにこっそり付いて来なさいよ。それでご飯の時とかは、人目に付かない所に隠れてなさい。私がこっそり、ご飯持って行ってあげるから」

「なるほど! なかなか良いアイディアではないか! どうせなら調査隊の資金もいくらかこっそり拝借し、我輩の所に持って来てくれるのなら、更に良いだろう」

 突然の後ろからの声に、アリスとクレオパトラは同時に振り向き

「エラソーナ・スッテンテン!」

 同時に声を上げた。

「しーっ! あまり大声を出すと、またヒッパリダコスの奴が駆け付けて来るではないか」

「ってか、おっさん。まだ王都にいたの?」

「ふっはっは! 我輩がこれまでどれだけ、この王都で借金取りから逃げ回ったと思っているのだ! もはや我輩、借金取りから逃げ回るルートは十分熟知しておるのだ。ふっはっは!」

「いや、そんな事自慢する暇あったら、借金返せよ」

 アリスは小声で呟いた。



「ユークリッドの弟子よ。まさかお前さん、この期に及んでヒモになる事を恥ずかしいなどと思ってはおらんだろうな? お前さん、そんな事では観測者として大成せんぞ!」

「そうよ、アリス。折角私があなたをヒモにしてあげようってんだから、ありがたく思いなさい。実は私、夫に内緒で間男を養う麗しの人妻に憧れてたの。今度の旅でその夢が叶うと思うと、ぞくぞくしちゃうわ」

「いや、僕は、麗しの人妻に養われる間男なんぞに、全くこれっぽっちも憧れてないんですが」

「まあまあ、そう言わずに。実は我輩、お前さんの事は、実に立派な間男に大成すると予感しておったのだ。故にお前さんは、このありがたい申し出を、是非とも受けるべきなのだ。ふっはっは!」

「だが断る!」

「え~、アリス、嫌なの? 私と離れ離れになっちゃってもいいの?」

 クレオパトラは俯きながら、上目遣いでアリスを見た。

「う、そ、それは……」

「別に離れ離れになる必要はないのではないか? 例えば調査資金をこっそり持ち出し、そのままとんずらすれば良いだけの話ではないか」

「流石だわ、エラソーナ・スッテンテン! 相変わらず冴えてるわね!」

「ふっはっは! 褒めても何も出んぞ。ふっはっは!」

「あんたらねえ」



 こうして三人は、調査隊の資金を持ち逃げする計画を立て始めた。無論、怪しまれないよう、表向きは書物を調べるふりをしながら。ヒッパリダコスに見付かるとまずいエラソーナ・スッテンテンは、アリスやクレオパトラにヒッパリダコスを見掛けたら合図をしてもらい、素早く書架の中に隠れた。

 そんなある時、エラソーナ・スッテンテンが妙な書物を持ってアリス達の前にやって来た。

「コフウ家からの寄贈とあるな。しかもつい最近だ」

 エラソーナ・スッテンテンはそう言いながら、書物をクレオパトラに手渡した。

「こ、これって!」

 書物を見た途端、クレオパトラは声を上げた。

「しーっ! あまり大声を出すと、またヒッパリダコスの奴が飛んで来るぞ」

 そう言いながら、エラソーナ・スッテンテンは周囲をキョロキョロ見回した。

「あら、ごめんなさい」

 クレオパトラは声を潜めて言った。

「あまりにも懐かしかったから、つい」

 そしてこう続けた。

「懐かしい?」

 アリスはそう言いながら、書物のタイトルを読んだ。

「モンペ・クエスト……って、あの!」

 アリスも思わず声を上げた。

「だから、しーっ!」

 エラソーナ・スッテンテンが再び制した。

 モンペ・クエストは十年以上前に人気になった冒険小説である。江戸という地の出身の為、周囲から江戸モンと呼ばれる伊達男が、無実の罪を着せられ、脱出不能の離れ小島の牢獄に入れられるのであるが、その離れ小島には、実は莫大な財宝が眠る地下迷宮があり、牢獄を脱出しようと床を掘っていた主人公が偶然地下迷宮まで掘り進んでしまい、宝を目指して冒険をするというストーリーである。

「そうだ。お前さんの言う通り、あのモンペ・クエストだ。しかも初版のな」

 モンペ・クエストの初版は発行部数も少ない為、希少価値が高く、高値で取引されていた。

「初版と言えば貴重だけど……」

 クレオパトラはそう言い掛けて、怪訝な顔をした。

「何か妙ね。だって大図書館なら、当然初版は揃えてるでしょ? わざわざこんな読み古した書物を寄贈する必要なんてないんじゃない?」

「確かにお前さんの言う通りだな。実際、この書物の隣に、同じ初版のモンペ・クエストがもっと良い状態で並んでおった」

「うーん、確かに妙だね」

 アリスはそう言いながら、クレオパトラが書物をパラパラと捲るのを目で追った。

「あれ?」

「何、アリス?」

「今、栞っぽいのが見えたけど」

「確かにあったわね、栞」

「確かに我輩にも見えた」

「そこに何か書いてなかった?」

「え? そう?」

 クレオパトラはそう言いながら、栞のある頁を捲った。

「この栞は、私も見た事ないわ」

 そう言いながら、栞を手に取った彼女は

「あ!」

 思わず叫んだ。

 アリス達が栞に目を遣ると、そこにはこんな言葉が書かれていた。

『タイショウデモクラシー』

「タイショウデモクラシー?」

 アリスは思わず尋ねた。

「タイショウデモクラシー。確かどこかで聞いた……えーと、えーと」

 そう言いながら頭を抱えていたクレオパトラは

「あ!」

 突然大声で叫んだ。

「しーっ!」

 アリスとエラソーナ・スッテンテンが同時に言った。

「ごめんなさい。でも思い出したの」

「思い出した?」

 アリスの問い掛けに

「そうよ。まだ私が、ずっと小さかった頃の思い出よ」

 彼女はそう答えた。

「かれこれ、二十年ぐらい前になるかしら」

「ああ、僕が生れた頃だね」

「私、お父様とお母様と大灯台に行ったの。コフウ家の邸宅からいつもよく見えてたから、いつか行ってみたくて、それで連れて行ってって何度もお願いしてたの。それで漸く連れて行って貰えて、すごくうれしかったわ」

「そう言えば僕が初めて大灯台に行ったのも、二年前に師匠と来た時だったな。間近で見たらやっぱり圧倒されたよ」

「ふっはっは! 我輩は何度も行っておるがな。ふっはっは!」

 自慢気に語るエラソーナ・スッテンテンは無視して、クレオパトラは続けた。

「その時、お父様が教えてくれたの。灯台って遠くを照らしてるから、却って灯台自体の下は暗いんだって。そしてその事から作られた諺があるって」

「なるほど! 灯台下暗しだな」

「ああ! とうだいもとくらしね。却って身近な事には気付きにくいって意味の諺でしょ?」

「そうよ。でも何故か私、その諺をタイショウデモクラシーって覚えちゃったの。お父様もお母様も笑ってたわ。うふふ」

 クレオパトラは懐かしそうに語った。

「なるほど。今の話を聞くと、この栞に書かれた言葉、タイショウデモクラシーは、恐らく灯台下暗しを指すのだろう」

 エラソーナ・スッテンテンが神妙な顔で言った。

「でも何で? 何でモンペ・クエストにそんな栞が挟まれて寄贈されてるの?」

 クレオパトラの言葉にアリスは暫く眉間に皺を寄せて考え込むと、パッと顔を輝かせた。

「クレオパトラ! これ、君に宛てたメッセージじゃないの?」

「メッセージ?」

「君って、一応死んだ事になってるから、王都に来てもそう簡単にご両親に会えないでしょ?」

「確かに、私は山の手の邸宅には行けないし、かと言ってお父様やお母さまが下町まで来たら、すごく目立っちゃうし」

 キンさんのように遊び人の格好で住み慣れた下町を徘徊するのならともかく、山の手暮らしにどっぷりつかった王侯貴族が下町に来るのはとても目立つ事だった。 

「だからご両親は、この書物にメッセージを託したんじゃないかな。だってタイショウデモクラシーが灯台下暗しを指すだなんて、君にしか分からない暗号でしょ?」

「確かに言われてみればそうね。でもメッセージだったとしても、どんなメッセージ?」

「確かに栞にはタイショウデモクラシーとしか書いてないけど、でもそれこそが、メッセージの意味なんじゃないかな?」

「どういう事、アリス?」

「タイショウデモクラシーは、幼い頃の君の灯台下暗しの言い間違えでしょ?」

「そうよ。今となっては、恥ずかしいような懐かしいような思い出だけど」

「そしてそれは、君がご両親と大灯台に行った時のエピソードだよね」

「そうよ。……って、あっ!」

 クレオパトラは思わず叫んだ。

 そしてエラソーナ・スッテンテンが

「しーっ!」

 口に人差し指を当てた。

「君のご両親は、君に大灯台で会おうって伝えようとしたんじゃないかな? だからこの栞を挟んだんじゃ?」

「なるほど! 流石だわ、アリス!」

 クレオパトラはそう言って、アリスに後ろから抱きついた。

「えへへ。褒められたって何も出ませんよ、クレオパトラさん。えへへ」

 アリスがこれ以上ない程のだらしない笑顔で言った。

 しかし、エラソーナ・スッテンテンがゴホンと咳ばらいをし

「図書館ではお静かに」

 落ち着き払った口調でそう言うと、更にこう続けた。

「残念ながら、その解釈には一つ重大な欠陥がある。誰かと会う約束をメッセージに込めるには、何処で会うという情報の他に、いつ会うという情報も必要だ。しかしながらこの書物はクレオパトラ、お前さんがいつ王都に戻って来るか分からない状況で、コフウ家からこの大図書館に寄贈されたものだ。そのような状況で寄贈された書物に、いつ会うかを示すメッセージを込めるのは無理があるだろ?」

「あっ!」

 エラソーナ・スッテンテンの言葉にクレオパトラは思わず声を上げ

「うぐっ」

 そんなクレオパトラに後ろから思わず首を絞められてしまったアリスは、呻き声を上げた。

「ゲホゲホ……つ、つまり、この栞に書かれた言葉、タイショウデモクラシーは、ご両親がクレオパトラと大灯台で会おうってメッセージじゃないと?」

「その通りだ、ユークリッドの弟子よ」

 アリスは隣の椅子にガックリと腰を落としたクレオパトラの肩を優しく叩いた。

「そもそもユークリッドの弟子よ。お前さんは栞に書かれたタイショウデモクラシーという言葉だけをメッセージだと考えているようだが、果たしてそう言えるのか?」

 エラソーナ・スッテンテンのその言葉にアリスは思わず

「あっ!」

 そう声を上げた。

「しーっ! だから図書館ではお静かに」

 そしてエラソーナ・スッテンテンは再び口に人差し指を当てた。

「つまり、この書物全体が一つのメッセージだと?」

「そう考えた時、ユークリッドの弟子よ、どのような解釈になる?」

「うーん、この書物はモンペ・クエストの初版。初版とは言え、読み古されていて、状態はそこそこ。隣にはもっといい状態の同じ初版がある。……あれ、そう言えば、コフウ家の書庫なら、もっといい状態の書物なんていくらでもあるんじゃない? それこそ大図書館の書物に匹敵するぐらい保存状態のいい書物が」

「確かに、ほとんど誰も読まないような、手入れの良く行き届いた書物がたくさんあったわ」

「だよね。つまり、栞を挟むのだけが目的なら、そんな保存状態のいい書物に挟んで寄贈すれば良かったはず。なのに、敢えて読み古されたこの書物に栞を挟んで寄贈した。つまりそれは、この書物、モンペ・クエスト自体が何かの鍵になってるって事か」

 アリスはクレオパトラが改めて捲り続けるモンペ・クエストの紙面に目を遣った。

「特に何かメッセージっぽいものが書かれた形跡はないわ」

 一通り捲り終えると、クレオパトラはそう述べた。

「やっぱりね。だってメッセージを書物の何処かに書くんなら、他の書物だっていいわけだから」

「つまりこの栞に書かれたタイショウデモクラシーと合わせて書物全体が何かのメッセージだとすると、その書物はモンペ・クエストじゃなければならなかったって事?」

「そうだと思うよ、クレオパトラ。きっとモンペ・クエスト以外の書物ではメッセージにならなかったんだと思う」

「タイショウデモクラシーがメッセージの一端で、もう一端がモンペ・クエストだとすると……」

 クレオパトラは眉間に皺を寄せ、唸った。

「タイショウデモクラシーは灯台下暗しを指すんだよね。そしてモンペ・クエスト。無実の罪で離れ小島の牢獄に入れらた男が、牢獄の床を掘って脱獄して地下迷宮を冒険する話だ。うーん、この二つに一体どんな関係が?」

 しかしそんな時だった。

「お前さんら、一つ大事な事を忘れてやせんか?」

 エラソーナ・スッテンテンが二人にそう声を掛けた。

「え?」

「我輩たちは今、大事な計画を練っている最中だろう? 調査隊の資金を持ち逃げするという」

「あ! そうだったわ! 取り敢えず、この書物のメッセージの事は一旦棚上げにして、計画を進めなくちゃ」

「いや、ちょっと待って、クレオパトラ! 今、閃いた!」

「え? どういう事?」

「お宝さ!」

「お宝?」

 クレオパトラとエラソーナ・スッテンテンが同時に声を上げた。

「しーっ! 図書館ではお静かに」

 そう言いながらアリスは二人と顔を近付け、声を潜めて話始めた。

「そもそも僕らは、大図書館が今度派遣する調査隊の調査資金なんて、当てにする必要は無かったんじゃないかな?」

「どういう事、アリス?」

「それこそ、灯台下暗しさ。僕らの身近には、莫大な資金が眠ってたって事さ」

「え? どこに?」

「君さ、クレオパトラ」

「え? 私? 自慢じゃないけど、私お金なんか殆ど持ってないわよ。それはあなたが一番良くご存知でしょ、アリス?」

「それは身に染みて良くご存知なんだけど、君の実家、コフウ家はそうじゃないでしょ?」

「それはそうだけど、でも私、コフウ家のお金は当てに出来ないわ。だって私、一応死んだって事になってるわけだから。コフウ家の者とは連絡取れないし、私名義の預金だって下ろせないし。だから今私、お金に困ってるんでしょ?」

「それは前にも聞いたから分かってるよ。君が家を出る時だって、大してお金を持って行けなかったって」

「大金持って出て行っちゃったら、使途不明金を会計検査院に指摘されちゃうから、仕方ないのよ」

 王族や貴族は、年に一度、会計検査院による会計検査を受ける義務があった。

「その時、君は教えてくれたよね。会計検査院も王の後継者争いの資金に関しては、あまり深く追求しないって」

「昔からそういう慣習よ。だから後継者争いの資金に関しては、昔から胡散臭い使い方も随分とされて来たらしいわ」

「ところでクレオパトラ。君はかつて、トレミー868世の後継者争いの有力三候補の一人だったよね?」

「そうよ。三年前までだけど」

「つまり三年前まで、コフウ家は莫大な資金を後継者争いに注ぎ込んでたわけだ」

「そういう事になるわね」

「そして三年前、君は突然、後継者争いから降りた。死んだって事にして」

「そうよ。そして今に至るわけだけど」

「なら、その資金は? かつて後継者争いにコフウ家が注ぎ込んだ莫大な資金は、今どうなってる?」

「え? あ! 考えた事もなかったわ。あの頃、私、後継者争いからさっさと抜け出す事しか頭になかったから」

「そうなんだよ、クレオパトラ。君が三年前、後継者争いを降りたおかげで、コフウ家には今、まだ手付かずの残りの資金があるはずなんだ」

「それはどうかしら? 私が後継者争いから降りてしまった以上、もし資金が残っていたとしても、会計検査院から後継者争いの資金だって認められる可能性は低いと思うわ」

「確かに表向き資金が残っていたらそうだろうね」

「え? どういう事、アリス?」

「後継者争いの資金に関しては、会計検査院は深く追求しない。ならコフウ家としては、三年前の時点で資金を全部使ってしまったって事にすればいいんじゃないの?」

「なるほど! それで実際は余った資金を、会計検査院の目の届かない何処かへ隠してしまえば!」

 エラソーナ・スッテンテンが興奮気味に口を挟んだ。

「その通りさ、おっさん。そして実際、コフウ家はそうしたんじゃないのかな」

「なるほど! ならばこの書物、モンペ・クエストに隠された真のメッセージとは!」

「コフウ家が隠した、後継者争いの資金の使い残しの在処さ!」

 アリスは興奮気味に答えた。



「今までの話を総合すると」

 クレオパトラはそう切り出し

「アリスの言うその資金は、大灯台の下に隠されていると?」

 こう続けた。

「おそらく。それがこの書物に隠されたメッセージの正体だと思う。君のご両親が、いつかこの大図書館にやって来るだろう君に宛てた」

「ふむ。ユークリッドの弟子よ。良くぞこの答えにまで辿り着いた。流石我がライバル、ユークリッドの弟子の事はある。褒めてつかわそう。ふっはっは! という事で、早速、参ろうではないか!」

 そう言うと、エラソーナ・スッテンテンはアリスとクレオパトラの手を取り、颯爽と大灯台へ向かった。

 途中でヒッパリダコスに見付かり、背後から罵声を浴びせられるのも気にせず実に威風堂々と。

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