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王子様は、SPがお嫌い  作者: リアルブリッジ
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1-6

いよいよ次回はロンドンに着きます。

 一人暮らしのマンションは、さすがに家賃がもったいないので引き払った。家具は実家の部屋になんとか押し込めた。

家族に嘘をつくのは心苦しかったが、英文学を勉強しに留学すると説明すると、快く送り出してくれた。

幸い、引き留めるような彼氏もいない。というか、ここ数年、ずっといない。


ルークは在日アイゼンバーグ大使館をすでに離れ、カミーロと共にすでに王子の身の回りの世話係をしているらしい。


聞くところによると、アイゼンバークの王族は、大人になると国の外交に関わる仕事に従事するならわしとのこと。

つまり、ルークはれっきとした王族の一員。例の王子といとこ同士なのだという。どうりで、キラキラした外見をしていたわけだ。

成人後、在日大使館で下積みの仕事をしているときに、王子のロンドン留学騒動が起こり、本国からの意向で急遽王子の身の回りの警護や世話にかりだされたのだとか。ちなみに、いっしょにいたカミーロは本当にSPなのだという。


アイゼンバーグ共和国、第一王子。その名は、カイ・クラリス・フォン・アイゼンバーグ。

 インターネットで検索したところ、その警護対象者となる王子は……なかなかの経歴の持ち主だ。

王族の公式ホームページには、凛々しい顔立ちの美青年が正装姿で写っているのだが、各種新聞、とくにゴシップ紙への登場もいちじるしい。


「アイセンバーグの若き王子、酒場で乱闘!」


「カイ王子、パーティー会場で美女同席」


「激写!王子のお忍び旅行。半裸美女とビーチで」エトセトラ…… 


 はっ、どんでもない放蕩王子だった。これで20歳だって? 恐ろしすぎる。


 ルークが顔をしかめていたのもうなずける。

こりゃ、たしかに普通の警備じゃ追い付かなそうだ。はぁ。


でも、私はそれほど気にしていなかった。王子とは直接接触をもたない、影からサポートする要員になる手はずだからだ。


それからもう一つ、公式ホームページに掲載された王族の集合写真の中に、ルークとみられる人物も見つけた。

本当に王子様の従弟だったんだ。


直接話したときはそれどころではなかったが、あらためてその端正なお顔を眺めて、ちょっと胸がキュンとしたのは内緒の話。



そして、全ての準備が整い、まだ学生の弟が空港まで見送る中、ヒースロー行きの便に乗ったのが約半日前。

 

旅客機は、定刻どうりに英国の地に舞い降りた。


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