表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
王子様は、SPがお嫌い  作者: リアルブリッジ
6/12

1-5

「あなたのこの経験についてどうこう言うつもりはありません。ただ、あなたには人にはない力があることは事実で、われわれに協力して欲しいだけです」


 優しい口調だが、内容は全然優しくないルークの言葉に現実に戻る。

 

 ジェイクの言葉を聞いて、私は思ったより動揺しているようだ。

 もう、乗り越えたと思ったのに。


 私は、眼元をぬぐった。


この相手は、きちんと調査をしてから私のところに交渉しにきている。まあ、一国家なのだから当たり前か。


 今更、この能力について否定しても無駄だろう。

 

 しかし、その目的が、王子の警護とは。

 冷静に考えると、そんな大事な仕事を、自分でいうのもなんだがこんな非科学的なものに頼るなんて、ちょっと滅茶苦茶なんじゃないのだろうか?


「そんなの無理です。そもそも、人の危険を察知するだなんて、やったこともないし……」


「それでもかまいません。そもそも完全な警備体制など、あの王子相手にひけるわけがない。あなたの存在はあくまで保険と思っていただいてかまいません」


「仕事だってあります」


「一年間休職して、留学するということにすればいい。さすがに警護のためとはいえませんからね。幸い、あなたの会社の社長と話はつけてあります。ロンドンで勉強したがっている優秀な社員がいるといったら、すぐに賛成してくれましたよ」


 えっ。社長?

 そ、そんなの、知らない。

 ひょっとして、外堀が埋まっているってやつ?


 ルークを見ると、このうえない笑顔である。心なしか、若干、黒い笑顔のような…?


「それから、ロンドンに滞在して頂く間の住居と食事は保証します。なあに、長い休暇を楽しむようなものですよ。それに、きちんと報酬もお支払いします。金額は―――」




 そして、今私は機上の人である。それも、もう少しで終わるが。


 ロンドン行きを承諾したのは、決して、報酬に目がくらんだのではない。

 まあ、それも少しはあるが。


それから、いつの間にか会社に話が通っていて、人事が休職の手続きを始めていたからでもない。

結局、ルークたちは私にNoと言わせないだけの手まわしを、すでに済ませていたのだ。掌で踊らされているようで本当に悔しいが、さすが国家機関といわざるをえない。


 でも、

初めて―――、

初めて、この力が人の役に立つかもしれない、という期待に、心が動いたのも事実だった。


ずっと、この能力のことを人から隠してきた。いけないもののように。


 それを、どこか窮屈に感じていたのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ