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第7話◆竹下通り連続殺人事件◆

残酷描写あります。注意を…

竹下通り…東京都原宿区にある商店街の通りは若者向けのファッションブティックが立ち並び昼夜とはず若者が足を運ぶ。デートに来たもの買い物に来たもの…様々な人が竹下通りにはいる…


時刻は午後2時…竹下通りの外れには不自然な白のセダンが一台止まっている…

竹下通り…これから起こる惨劇の舞台…


「本当は重火器も用意したかったんだけど…」


「いや…これで十分アルネ…」


車内では何やら物騒な会話。それもそのはずアルネの手元にはオノ、青竜刀、ナイフが置かれているのだから…清水は無表情で刃物を見ている。


「本当にやるのか?」


アルネ男は黙っている。亜紀も黙っている…


これから起こる惨劇を知るものは誰もいない…


アルネは右手でオノを握りしめ左手には青龍刀、ナイフは腰元にさした…アルネ男は2人の顔を見る。2人は下を向きアルネ男を見ようとしない。

「清水さん、亜紀さんなんで人は人を殺してはいけないかわかる?」


「………」


「それは法律があるからアル…人間は知性とともに嫉妬、人を憎むことを知った…」


「………」


「人は法律さへ無ければ人を殺す…願望アルヨ」


「………」


アルネ男は一度大きく深呼吸をしとびっきりの笑顔で2人に声をかける。2人が聞くアルネ男の最後の言葉…


「謝謝…」


謝謝…2人にかけた最後の言葉は中国語の『ありがとう』なぜ最後に中国語を使ったのかはわからない…2人には決してわからない…だが夕日の向こうに消えていくアルネ男の背中はどこか寂しそうにさえ見えた…


………


………


………



後に竹下通り連続殺人事件の奇跡の生還者…毎日新聞記者、鈴木和男氏は語る。


5Mぐらいでした…私の5Mぐらい横にカップルが談笑していたのを覚えています。まぁ私はメールに夢中で気にもとめなかったですね…すると耳障りな音が聞こえたんです。


ブチャ…いやグチャかな。そう、スイカ割りのスイカが割れた音に似てたかな〜とにかく不快な音です…


はぜたんですよ…


え?何がって?いや頭ですよ…女性の頭が割れてました…目玉が垂れ下がり脳みそが道端に散らばっていたのを覚えてます。女性の横の男性…多分彼氏です。彼女の脳ミソを被りながらも一歩も動かないんです…男性の背中からナイフが見えました…その瞬間初めて男性は叫び声をあげましたよ


………


ギャー!とも…なんとも形容しがたい声です。男はナイフを引きにき腸を引きずり出していました…その間ずっと苦悶の表情で叫んでいました…


みんな気ずいていたはずです…でも逃げないんです…クレープを食べている者、待ち合わせにきた者…みんな時が止まったかのように逃げないんです…


人は本当に恐怖を感じたときには動けなるんですね…現に私もそうです仕事柄、コソボ紛争…イラクなど危険な取材を数々こなしました…そんな私でさえも一歩として動くことは出来なかった…


男は刃渡り40センチほどある刃物で少女の目をエグリ飛ばしました。まだ年もいってない子供をですよ?あの刃物青龍刀って言うんですかね?もう後は血の海です…


首を飛ばしたり、人間の頭から股間までを切り裂いたり…男は切り取った頭を踏みつけたりしていました…すでに何人の人間を殺したかわかりません…男は返り血で真っ赤でした。


私は忘れません…男は笑ってたんですよ。笑いながら人を殺していたんですよ…でも妙なことに男は涙を流していた…涙を流し笑っていたんです


男は人を殺しながら叫んでいました、中国語だったと思います。私は仕事柄中国語も少し出来ますので…でも男は興奮して何をいってるのか聞き取りずらかったです。ゆういつ聞き取れた言葉は…


『日本人』『死ね』『こんなはずじゃない』…という言葉でした。


犯行に及んだ時間は20分程度だったように思います。もう血の海でした男は息絶えた人間の顔を何度も何度もオノで叩いていました。やがて男の動きは止まり天を仰いでいました…


男の周りには脳漿や腸が飛び散り…この世のものとは思えなかった…お恥ずかしい話ですが私はこの時失禁していました…

そして男は自分の首に刃物を当てたのです。いや…一気にです。何の躊躇もありませんでした…一気に喉仏のあたりをひとつきです…男は倒れピクリとも動きませんでした…


私は男が自害する前に妙な事を言ったのを覚えています。


「謝謝…」


意味はわかりません…誰にありがとうと言ったのか分かりませんが…妙に耳に残っています。


………


………


これは後に聞いた話なんですが男は日本の派遣会社と給料の面で揉めていたそうですね…巷ではこれが動機と騒がれているようですが私はそうは思いません。


………


彼は中国ではエリートでした…彼の将来は約束されていたはずです。なぜこんな事件を起こしたのか?それは人間のもつ本質的な深い部分の闇じゃないでしょうか?


極論、彼は…いや人間は殺人願望をもって生まれてくるとしか思えない事件でした。


「はい、ありがとうございます。奇跡の生還者、鈴木和男さんでした。いったんスタジオに返しま〜す」


………


………


人は残酷な生き物である

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