第4話 Dos
…可愛い。可愛すぎる。こ、これが学園一の美人さんなのか。あまりにも美しすぎて見とれちゃったぞ。どうやら星沢も同じだったようで二人ともあまりの出来事に表情が付いて行っていなかった。
そんな俺たちを見据えたのか、夢瑠さんはこう俺たちに話しかけてきた。
「ああ、私一つ上だけど全然気を使わなくていいからね。」
「はっはいぃ!!わかりました!!」
…めっちゃ気使ってるじゃないか星沢。この調子だと星沢にペースを取られてしまうな、俺も何か話しかけないと。何か話題がないかとあたりを見回してみる。それにしても人が賑わっているな。食堂内にはおいしそうな料理のにおいが漂っている。
「あっ、先輩はなに頼んだんですか?俺はカレーですけど。」
「え、そうなの?私もカレー頼んだの!ここのカレーってすごくおいしいのよ。」
「へぇ、そうなんすか!夕飯はやっぱカレーっすよね。」
なんだ、意外なところで共通点があるじゃないか。意外と話が弾んで割と緊張感もほぐれたぞ。
…ただ痛いほど星沢の視線が横から感じる。そんな顔しても仕方ないじゃないか。ラーメンを頼んだ自分を悔やむがいい。
それから軽く話をしていると料理が食堂のおばちゃんが料理を運んできた。
ごめんねー遅くなって、と言って僕たちの席に料理を配膳する。うん、おいしそうな激辛カレーだ!だが、ふと前の先輩に配膳された料理を見て違和感に気が付く。あれっ・・・。
「あのー、先輩のカレー別の人と間違えてません?」
「え?夢乃ちゃんのかい? ふふ、間違ってなんかないよ。」
いや、だって…。あまりに量が多すぎる。軽く5人前はあるだろうか、いやそれ以上か。この量をせ、先輩が食べるのか!?
「ごめんね。びっくりしちゃったかな? 私昔から大食いで…。やっぱり変?」
「あー、いやいや変じゃないっすよ!いっぱい食べるなんてむしろ素敵です!」
なんていうフォローしてんだよ、星沢。でも先輩は安心したようによかった、とつぶやくと料理を食べ始めた。…なんというか意外すぎて何も言えないな。こんなに華奢でスタイルも抜群なのに。なんというかギャップってやつか。
こうして楽しい夕ご飯を先輩と楽しんだ。