表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
IT異世界で俺が超無双してるんだが  作者: エンシェント守岡
11/12

第11話 Delete

作者アメリカ留学にて執筆、翻訳作業を行っており、大変長らくお待たせいたしました。

 豪風と共にそこに立つイグニス、今にも飛ばされそうな俺がいる。


 だがどうする…、こんな状況で奴に勝てるわけがない。このままいけば間違いなく俺は粉々になるだろう。


 考えろ。考えるんだ俺ッ…!


「どうした? お得意の技、『ブルートフォース』はよぉ!! ガハハハハッ!!」


「はいはい、どうせ技が出ないのは知ってるさ。 まぁそう運営に弱体化食らったからってカッカするなよ。なぁ、イグニス?」


 その言葉が放たれた瞬間、愉快に笑っていた奴の表情が歪んだ。まるでこの世の思念を具現化したみたいだ。


 なぜこんなにも奴がキレ始めたかって、そりゃ考えたらわかる。まぁ簡潔に言うなら強すぎて弱体化食らって、今じゃ「倉庫番」キャラだからだ。だがこの言葉を言ったのは挑発なんかじゃない。作戦があるんだ。


 「だがな、そんな雑魚キャラのお前でもな、熊木は頑張ってお前を育ててたんだ。 必死に、ユーザーが減った今でも! 大切に一人だけロックかけて育ててきてたんだよ!」


 一瞬だが奴が放つ豪風が弱まった。チャンスだ…!


「なぁ! 思い出してくれ、お前が本当に大切にしたかったものを! こんな風にフレンドを傷つける為じゃないだろ!」


「うるさい!!! 黙れ!!!!!」


 突然、あたりに熱風が吹き荒れる。 しまった、刺激しすぎたか。とっさに防いだせいか、片目を負傷してしまった。片目を開けるだけでやっとだ。


 ただ、一瞬。ほんの一瞬だった。開くはずのない片目からわずかに青い光が差し込んだ。 あれは…、熊木が持っているあれは、「小型サーバ」か…?いや、違う。 あれは「EMP」だ。 奴だけが技を使えて、俺が使えない。 なるほど、謎が見えてきた。


 ずきずきと痛む左目を抑え、確かに光るその『宝具』を確かに眼中にとらえた。


「なんだ…、簡単なことじゃねえかよ…! こんなことにも気が付かなかったなんて、応用技術者失格だな。」


「フン、まだ懲りぬか。 貴様の力などゴミ同然。 どうあがこうが貴様の負けだ。」


「悪いな、俺は諦めが悪いんだ。」


 俺は地面に転がっていた石の破片を光る宝具に投げた。 昔空手をやっていたせいか、肩には自信があるほうだった。


 俺の投げた剛速球は見事命中し、その宝具は粉々に砕け落ち、光をみるみる失っていった。

それと同時に、どうやら俺の力も復活してきたらしい。


「お、なんか調子出てきたわ。 まぁ学校のサーバーが復活でもしたんだろ。この学校はサーバーを通して技を使ってるって、さっき'大親友'にに聞いたからな。」


「なっ、石の破片で破壊しただと!?」


「あー、悪い。 言い残すことあるか? 早く片付けて夜食にしたいんだ。」


 宝具を破壊しただけで、奴の力が弱くなったわけじゃない。 最後の力を振り絞って奴は次々と教室内のものを投げつけてくる。 だが、力が戻った俺にとってはそれこそゴミ同然だった。


「あー…、無いってことでいいんだな? 悪く思わないでくれよ。」


そうして俺は久々に大きく息を吸い込み、呪文を詠唱した。


「ブルート・フォース。 破壊せよ!!」


 奴の力とは比べ物にならない波動が轟音を立てて、奴を貫いた。 大丈夫だ。手加減はしてあるさ。そのままイグニスは倒れ、熊木の本当の姿へと戻っていった。


「イグニス、今のNOOBじゃね?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ