プロット 織田㊙兵器工房(Ver.1.1)
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郡上八幡城
城主であった遠藤盛数は、
美濃侵攻時に長井道利につき、戦死した。
越前との入り口であるので、領地は没収し、
嫡男は幼年であったので、家臣ともども、
稲葉に預けさせたた。
防衛のため、郡上郡のすべてを稲葉の担当区域から外し
織田の直轄地とし、周辺の国人衆・土豪は取り潰すか転封にした。
後から銀鉱山が発見され、更に重要な地となった。
そのため、勝三郎を城代に任じてある。
ただし、子達の傅役に任じているので、代わりに奉行を配置している。
郡上八幡城の南の地を、
表面上は織田の狩猟場として保護するとし、
そこにいた住民を全員移動させ、屯田兵に入れて、
棚田や牧場の研究を行っているとした。
裏では、兵器などの工房を建設し、
秘密裏に様々な兵器を研究をさせている。
また、山中にあるので、特殊精鋭部隊の訓練地でもある。
そこに、津田算正を案内する。
織田㊙試験工房
ここの設備は、岐阜城下の技術工房の負けないほど
充実させている。
秘密裏に種子島の改良を研究する場として、持ってこいである。
算正が持ち込んだ、数丁の種子島を見る。
銃身が短いものがあった
理由は取りまわしが楽になるようにだ。
構造は同じなので、装弾時間かかるのは解消されていない。
西日本で使われ始めたとのこと。
まずは、心構えを確認し契約の話から始める、
「この施設は織田の最大重要機密となる。
一度契約を結んだら、相当の間はこの地から出られないと思え。
外部への文を交わす際は、中身を検閲することになる。
その代り、衣食住などはすべて用意する。」
と言いながら、契約料及び報酬として、
目の前に金の延棒を積み上げる。
算正は、驚き振るえながら
「わかりました。」
と答え、契約書に拇印を押す。
種子島の改良が必要な点を示す。
織田では、早合用の紙薬莢は完成させ、
装弾にかかる時間を短縮させた。
実際に射撃させ試させる。
さすがは根来衆、いい腕だ。
雑賀衆ではすでに同じ方法を試しているとのこと、
織田の火薬の方が性能がよいため、
掃除しなくとも、数発放てるだろうとのこと。
俺はこれで満足はしていない。
前から弾を詰めるのであれば、
棒で押し込むなどの装弾の手順は変わらない。
もっと速度を上げるためには、
銃の構造自体を変える必要がある。
まずは、施設にある機械の役割を説明し、
つぎに、専用工具で国友製種子島を
目の前で簡単にバラして見せる。
算正は、工具一つで簡単にバラしたことに驚く
織田では、ネジを改良し続けている。
技術が盗まれること防ぐため、
専用のネジを工夫し、専用工具を必要する。
バラした種子島を見せながら、
銃は打ち続ければ、いずれ歪みが生じるので、
織田の技術を近江国友村に提供し、
職人に命じて、分解できるようにさせた。
使用した後には、分解整備するよう命じている。
織田家が独自使用している部品・工具を見せ、
ネジ、ボルト、ナット、ワッシャー、
スプリングバネ、板バネ ゼンマイ
歯車、シリンダー、スライド、ピストン、固定ロック
レンチ、ドライバー、ドリル、旋盤、グラインダー
製図版、丁字定規、指矩、三角定規二種、分度器、
コンパス、ノギス、鉛筆、方眼紙
一つ一つ、どの用に使うのかを説明していく。
銃身とはずした銃底の指し示し、
銃身の後方から早合と弾を詰め込め、銃底のネジを回して固定する。
算生の口から「あっ」と言う言葉が漏れた。
「わかったな」
と言うと、算数が驚きながらうなづく。
「俺の考えた案を示す。」
と言い
金属薬莢、スライド式、テコの原理、ロック構造、歯車
これらを使用した大まかな案を説明する。
「これらを使えば、できるはずである。
完成には専門技術と知識をもった職人でなければ無理であろう。
任せたぞ。
これらを使って、新しい銃の構造を考えろ。」
と命じる。
算正は、茫然としながら聞いている。
ただし、これで終りではない。
着火ライターを出し、火をつけて見せる。
なかなかつかなかったが、火が出ると驚いたので、
蓋をして渡し、算正に試させる。
何度も火をつけたり、消したりしている。
「その次は発火装置だ」
と言う。
火縄でもつかえるが、撃つまでに準備の手間がかかる、
いずれは着火方式ごと代えるつもりだ。
次に、矢の矢羽根と紡錘型にして螺旋を刻んだ弾丸を見せ、
「回転させれば飛距離が伸びることは分かるな」
というと、算正はうなづく。
「弾も改良しなければならぬ、こちらもだ。」
と命じる。
算正は固まってしまった。
数十年は進んでいる理論を示され
作れと命じられ、理解が追いついていないようだ。
そのままほっておくとする。
種子島を手に入れたとき、バラして構造を研究した。
一瞬の火花で火薬を燃焼させ、その圧力で弾をとばす。
ライフリングがないので、
構造自体は散弾銃と使い方は同じである。
ライフリングの刻み方を知らないので、
弾丸の方を回転させることにした。
たしか、一粒弾だったか、
熊撃ち用の弾に螺旋が刻まれている映像が浮かんだ。
いずれは、散弾も作ることになるだろう。
点で当てるのが難しいのなら、面にすればいいだけだ。
算正の奴、最後まで付き合えるだろうか、
まだ急ぐことはない、
今のままでも、武器の質では他国を付き離している。
それに合わせた戦法考え、兵たちに教え込む時間も必要である。
重要になるのは兵の練度だ、
知識を得てからは重要であることがわかり、
そのための訓練してきた。
集団での開墾も道路普請も、
上官の指示どおりに動けるようにする訓練である。
そろそろ歴史的の大事件が起こるはず、
今はとにかく幕府に協力することにする。
商業経済の普及には、時間が必要だ。
今のシステムを維持しながら、
少しづつ変えていくのが面倒が少ないであろう。
実例を、濃尾・伊勢で織田が示す。
ついてこれない奴は、歴史の波に取り残されるだけだ、
不安なのは、宗教と幕府と敵対する可能性だ、
今の将軍に何かあったら、次はあのアホになるだろうか?
そうなった場合、織田は独自に動くことになる。




