プロット 立ち合い(Ver.1.2)
ブックマークありがとうございます。
書きあがったので、あげてしまいます。
お祝いの宴
将軍様と関白様とで官位受領の祝いの宴を開いてくださる。
お二人は従兄同士であり、お互いに協力関係である。
関白様は将軍・幕府に力を取り戻させることによって、
御料地を復活させ、朝廷の財政を立て直す心づもりようだ。
幕府があってこそ、朝廷が守られ、
朝廷が認めてこそ、幕府が存在する。
両輪の関係である。
京で有名な役者を呼んでおり、能の舞台を観劇する。
関白様派閥の公家や山城の有力国人衆も招待されている。
能は素晴らしものだった。
いずれ役者を岐阜に招聘できるようしたい。
その後は酒宴となる。
俺たちは主賓であるので、将軍様の隣に座し、
いろいろな身分の者たちから祝の言葉をいただく。
力のある地方大名が揃って上洛したことで、
話を聞いた畿内の有力商人たちから、
贈り物があったようだ。
堺からは上質の鱧が届いたので、宴に出された。
豆腐料理も出される。
他にも、京野菜など珍しい食材が使われていた。
後で販路を開拓するとするか、
いまは京料理を堪能する。
味が薄い、醤油を持ってこさせる。
公家たちはすでに関白様に紹介されていたので、
すでに顔見知りでになっていた。
教養や学者として一流の者が多く。
指導や研究など協力を依頼するかもしれない。
今のうちに手なずけておこう。
伊勢への招待を約する。
山城の国人衆たちも挨拶にくる。
将軍様は、俺達のことを
「朝廷・幕府に忠孝が厚い者たちである。」と紹介する。
俺たちを使って圧力をかけているようだな。
これで幕府側についてくれれば、儲けものだろう。
宴の最中、軍神様が客の中に小笠原を見つけて捕まえていた。
武田に追い出され、家臣を置いて京に逃げた男だ、
馬術などの達人らしいが、実戦で役に立つのか?
なにか、問いただしているようだ。
三好の後継者であり、幕府御供衆を引き継いだ
三好義継と初めて顔をあわせる。
16歳か、まだ三好家の神輿でしかないだろう。
悪党が傍でサポートしている。
長慶以外の一族は、どう思っているのだろうか、
北畠具教も、嫌々ながら挨拶しに来た。
苦々しい顔をしている。
官位は、まだ向こうのほうが上だな、
きちんと挨拶を返す。
こちらには、朝廷と幕府がついていたので、大義があった。
素直に協力の申し出に従えば、国を失うことがなかったのに、
まわりが見えん奴だ、
まっ、伊勢が欲しかったから、
そのように動くよう誘導したのだがな、
まんまとはまってくれた。
潰せるときには、容赦なく潰す方針である。
殺すかどうかはその時の状況次第だが、
後々のことを考慮すれば、既存の権力は奪っておくに限る。
具教に何を言っても、嫌味にしか感じないであろうから、
適当に話をあわせていたら、立合いを申し込まれる。
将軍様も興味を示したので、応じるよう命を受けた。
やれやれである。
立ち合い
後日、将軍様の専用道場で北畠具教と立ち会うこととなった。
危険がないようにと、袋撓での一回勝負と取り決められ。
勝敗は「まいった」と言うか、気絶したほうが負けとなる。
具教は、塚原卜伝と上泉伊勢守から皆伝を受けているので、
普通の剣術しか習得していない俺とでは、
差がはっきりしている。
下手をしたら、一撃で終るかもしれない。
具教も伊勢から追い出されたことに対する不満を、
少しでも晴らしたくての、立会いの申し出であったろう。
戦で負けても、剣なら負けないとのことか、
だが、こちらも思惑通りに負けるつもりはない。
奇策を弄してみるとするか、
将軍様の立会いの下、具教と対する。
観客は、関白様と公家たち、幕臣、具教の家来などたくさんいる。
具教の正眼の構えに対して、抜刀の構えをとる。
いちかばちかの「後の先」を狙ってるように見せる。
将軍様の開始の合図
すかさず後ろに跳び、間合いを切る。
具教が間合いを詰めるため前に出てくるが、
円を描くよう、横に移動して打ち込みできない距離を保つ。
イラつく具教が道場の壁に追い詰めように動くが、
フェイントかけながら、フットワークを使って逃げる。
具教が焦れてきているように感じる。
抜刀の構えは崩さず、いつでも一撃を出せる体勢を保ち、
時には、フェイントを入れて牽制して、
あがいてるように見せる。
卑怯者と思っているのだろうな~
これも兵法、打ち合うばかりが剣術じゃない。
間合いの外なら、秘伝も使いづらいであろう。
さすがは達人である。
動きの癖を読まれたのか、誘導され、
道場の隅に追い詰められた。
隙がない。
横を抜けるのは無理か、
ここが正念場だな、
具教はようやく追い詰めことで、頬が緩んでいる。
反撃を食らわぬよう、慎重に間合いを詰めてくる。
隅の隅まで、下がらせられる。
追い詰められ、後がなくなった。
具教の間合いに入るであろう、ギリギリのところで、
いきなり左に跳び、
壁を蹴っての三角飛びだ、(空手バカ一代より)
具教に向かって、体当たり気味に抜刀する。
具教は一瞬はひるんだが、
最後の足掻きと思ってか、余裕で袋撓で受け止める。
鍔迫り合いに持ち込まれる。
具教は剣術の体勢となり、
自由に技を出せるようになったと判断し、
ニヤリと笑った。
かかった!!
狙い通りだ!!
すかさず、足を飛ばし、相手の体勢を崩す。
虚をついた足元への攻撃で、動揺する間に、
左手で右袖を捕り
右手は袋撓を離して、逆襟を掴む。
思い切り引きながら逆に回り、
右腕の関節を決め、
相手の体勢を崩し、
右足に重心が乗った瞬間に、
左足で払いあげる。
織田流柔術奥義、「柳スペシャル」だ!!
空中に浮かんだ相手をコントロールして、
背中から落とす。
掴んだ腕をそのままに
三角締めに移行する。
そして、絞め落とす。
勝った。
組むことができれば、何とかなると思っていたが、
まんまと策に嵌ってくれた。
油断を誘うという漫画にあるような展開であった。
観客たちも、俺が勝つとは思ってもいなかったようで、
何が起こったのかと「ぽかん」としていた。
具教の背に廻り喝をいれて起こすと、
ふらふらしながら
「剣術の試合で、組打を仕掛けるとは、卑怯者め!!」
と、罵ってきたが、
すかさず
「勝負だからこそ、得意の柔術に持ち込んだだけだ!!、
ここが戦場でも卑怯と言うのか?
戦場では、勝つことがすべてである。
これが兵法だ!!」
と、ドヤ顔しながら言い返す。
(言ってみたい言葉ベストテンにはいる。言う機会があったとは!!)
「この、田舎者めが」
と顔を真っ赤にし、言い返してはくるが、
将軍様が俺の勝ちを認め、
「その通りである。」
と宣言する。
将軍様の言葉を聞いて具教は黙り、
苦虫を潰した顔になる。
将軍様から
「格上相手に見事な策であった」
と、お褒めの言葉をいただく。
軍神様、長政、姉小路は素直に賞賛してくれた。
謀神様は、
「見事な駆け引き、見事な策であった」
と、褒めてくれる。
糞狸は、唖然としていた。
とりあえず、個人の武技でも評価を受けることとなった。
立ち合いも終り、京での用事がすべて済んだので、
将軍様に断りをいれ、堺に向かうこととする。
帰りも、悪党が警護を引き受ける。
悪党は、品評会に参加させてほしいと言ってきたので、
了承してやった。
いつもと違う文体に挑戦
信長の格闘技設定をようやく生かすことができました。
評価していただきありがとうございます。
歴史部門年間56位です。(1UP)
アイディアの評価として、ストーリー評価をいれていただけますよう
お願いしたします




