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エッセイ

心を折りに来る感想との戦い方、あるいは感想との付き合い方

作者: いかぽん

 最初に。


 これは作者側の人間に対して、こう考えるといいんじゃないかなということを書いたものであって、読者が作者に対して「作者はこうするべきだ」ということを押し付けるためのものではありません。

 読み専の人は、読み專の人がどうあるべきか──すなわち、自分がどうあるべきかということを考えるべきです。


 客が接客業の従業員に対して、「お客様を神様として扱えって教わらなかったか? 俺をちゃんと神様として扱えよ」とか言ったらおかしな話になるのと一緒です。

 客は、目の前の従業員の接客のあり方を考える前に、自分の客としてのマナーを見直すべきなのです。


 誰から何を言われようと、自分を改善できるのは、究極的には自分だけです。

 自分を改善することすらできない者が、他者には改善を求めるなどという愚を、あなたは犯すべきではありません。


 以上を踏まえてもらった上で、以下、本題です。




●感想は、一読者の感想として尊重すべき


 感想というのは、あくまでも、その読者が感じた事です。

 そこに、その感想が正当か不当かなどという、価値判断が介在する余地はありません。

 その読者がそう感じたということだけは、まぎれもない事実であり、正当か不当かで言えば、正当でしかありえません。


 例えば、「つまらない」という感想が書かれた場合、その読者にとってその作品がつまらなかったのだということは、事実として受け入れるべきです。


 ただ、だからといってその作品が、一般に「つまらない」とは限りません。

 別の読者は、その作品を面白いと思ってくれているかもしれません。


 なお、通常ほとんどの読者は、感想を書かない「サイレントな」読者です。

 何らかの感想が書かれた場合、それはその読者のみが抱いた感想ではなく、サイレント読者のうちの幾分かの人たちも、同様の感想を抱いているものと認識するべきでしょう。


 それが、読者全体のうちの1%なのか、1割なのか、3割なのかは分かりません。

 ただ、同様の感想が別の読者から重複して書かれた場合、比較的多くのサイレント読者が、同様の感想を抱いているであろうと考えるべきでしょう。




●辛辣な感想


 まずは、なろうマニュアルの「感想について」の、「感想の一例」をご覧ください。


 http://syosetu.com/man/impression/




 ……真ん中の感想、結構辛辣ですよね。

 これぐらいは、耐えられるハートを持たなければならないということです。


 分かっています。

 作者のメンタルというのは基本的に豆腐メンタルですし、心はガラスのハートです。

 それで当たり前です。


 いいですか。

 読者の感想というのは、恐ろしいものなのです。

 ホームを開いたときに「感想が書かれました」という赤文字が見えたら、それを脊髄反射的に開く前に、自分に問いかけましょう。


 そこに辛辣な感想が書かれていたときに、自分は耐えられるのか、と。


 あかんと思ったら、自分のメンタルが安定するまで、半日か1日かあるいはそれ以上か、待ってから開くべきです。

 どんな辛辣な感想が来ても耐えられると、自信を持って言えるときに開くべきです。

 感想は、己の心を食い破るバケモノだと思って、心構えをしておきましょう。


 ……いや、実際にはそんな辛辣な感想は、そう頻繁には来ないのですけどね。

 心の備えをしておいて、損はしないのです。




●設定の矛盾点、問題点を指摘された


 僕は『レベル上げ厨が無双に挑むようです』という総合評価5,000ptぐらい頂いた作品で、作品を書いている途中にこれが来て、心を折られそうになりました(笑)

 大丈夫です、結果としては書き切りました。


 これ、その指摘が妥当性のないものであるときは問題なく、むしろ問題なのは、その指摘の内容が妥当な場合です。

 指摘された矛盾点や問題点が簡単に修正可能なものであるならば直せばいいだけですが、そこをどうにかしようとすると作品が根底から覆されるような場合、八方塞がりとなります。


 で、どうするか。


 この場合はもう、作品を潰すぐらいなら、矛盾点を無視してしまいましょう。

 創作である以上、ある程度の矛盾点が存在することは、仕方のないことです。


 100個ある矛盾点を10個にする努力は必要ですが、0個にすることはできないと思っておいたほうがいいです。

 特に、読んでテンションの上がる物語展開や、読者を驚かせるような展開を作ろうとする場合、多少の不自然はどうしても発生してしまいがちです。

 これはプロの作品でも同じことで、一所懸命に粗探しをしようと思えば、そんなものはいくらでも出て来るでしょう。


 盛り上がりのある物語展開と矛盾のない作品展開とは、ある程度以上ではトレードオフになることも多いので、どちらをより優先するのかという視点を、一定程度は持つべきかと思います。


 ちなみに普通の読者は、そういったことまで含めた深謀遠慮をした上で、感想を書くことなどないでしょう。

 そして、それを一般の読者に求めることも、不毛です。

 読者の意見に耳を傾けることと、読者の意見に盲従することは違うのだと、そう弁えておくべきなのです。


 件の作品に関しては、矛盾が酷いから作品をここでやめます、なんて対応をせずに、ゴリ押しで最後まで書き切って正解だったと思っています。

 それで、そこそこ多くの読者の方に、面白かったと評価していただきました。


 細かな矛盾点が気になって楽しめなかった読者と、そんなことは気にせず楽しんでくれた読者とが、両方いたわけです。




●先の展開を予想された


 これも感想欄によく書かれる内容です。

 たいていの場合、感想欄にそれを書いた読者に悪意はないですが、作者としては対応に困るパターンです。


 この場合、感想レスで余計なことは書かず、黙秘権を行使しましょう。

 別に読者も、感想レスで答えを聞きたくて予想を書いているわけではありません。

 感想レスで下手にネタバレなどしてしまうことは、誰の得にもなりません。


 また、先の展開を予想されたからといって、無理に先の展開を変えることは、避けるべきです。

 これまた、誰の得にもなりません。

 (変えようと思って頭を捻ったら、元の案より面白く、かつ無理のない展開が思いついたのであれば、話は別ですが)




●誤字脱字、言葉遣いの誤りを指摘された


 まず認識しておくべきなのは、指摘されたからといって、作者には直ちにそれを修正する「義務」はないということです。


 もちろん、作品の質の向上のためには(その指摘内容が妥当なものであれば)指摘部分を修正することが望ましいことは言うまでもないでしょうが、だからと言って、そうしなければならないというものではないのです。


 作品を書いたことのある方はご存じでしょうが、誤字脱字の修正、言葉遣いの誤りの修正というのは、意外と労力を食う場合があります。

 その部分だけを単純に直せばいいだけなら簡単ですが、修正前の表現に代替する言葉が思い浮かばなかったり、前後も直さないと文章が不自然になってしまったりする場合、1ヶ所修正する労力を割く間に、次の1話が書けてしまうなんてことも十分にあり得ます。


 だから例えばの話、誤字脱字を修正する間にガンガン先を書き進めたいと思えば、そういったスタンスを取ることは、あってもいいわけです。


 ただし、誤字脱字を指摘してくれる方は、良かれと思ってやってくれているので、その事を前提にし、礼節をもって対応した方が無難です。

 無難なだけで、義務ではないですが……感想欄では、作者の人格もわりと見られている気がします。

 怖い怖い。




●露骨に罵詈雑言が書かれている、作者に対する誹謗中傷が書かれている、感想が命令口調である


 論外です。

 その感想を書いた人は、マニュアルの感想の書き方を読んでいないばかりか、人としての基本的な礼儀やマナーも持ち合わせていません。


 基本的には、無視するべきです。

 その感想を書いた人をブロックした上で、感想を削除してもいいでしょう。

 もちろん、内容の一部に妥当性があると思ったら、その部分だけ自分のために活用してもいいですが。


 世の中に、バカはいます。

 大多数ではないですが、一人や二人でもありません。

 そのバカ一人一人に誠心誠意構うのは、まあやっても構いませんが、僕の経験上、時間と感情の無駄使いだと申し上げておきます。


 そういうバカには、正論を叩きつけても無駄です。

 むしろ、正論をぶつければぶつけるほど、自己正当化の屁理屈をごねごねしてきます。

 相手が負けを認めない限り負けにならず、相手は負けを認めないため、絶対に相手は負けません。


 ちなみにバカじゃない人相手でも、ブロックはして構わないと思います。

 「この人とは交流したくない」と思ったら、ブロックでいいでしょう。

 ただただ腹が立つだけの相手と律儀に交流を続けるのは、誰のためにもなりません。


 社会に出たら、その嫌な相手とも付き合って行かなきゃいけなくなる?

 そんなものは、会社とか学校で大いに苦しめばいいんです。

 趣味・娯楽の場においてまで、自らそんなストレスを溜めるような真似をする必要はないです。

 (もちろん、そうしたければ、そうしても構いませんが)


 ただし、ブロックするとその人からのブックマークや評価はなくなる、というデメリットはあります。

 また、あまり濫用すると悪評を立てられるかもしれませんので、そのリスクも加味した上で、ブロックするかどうかを決めるべきです。


 ちなみに僕は今までに、一人だけユーザーさんをブロックしたことがあります。

 これは、その人が僕に対して悪感情を持っていることが複数のコメントからアリアリと見えていて、今後もそのようなコメントが続くのであろうなと思い、それに対応する精神的労力の支払いを回避したいなと考えて、ブロックしました。


 別に、その人が人間としてものすごく悪い人だとは、今でも思っていません。

 たまたま相性が悪かったか、巡り合わせが悪かったか、なのだと思います。


 なお、僕もときどき冷静さを欠いて、そういうバカな感想の書き方をしてしまうことがあります。

 それはもう、ごめんなさいとしか言いようがないですし、それでブロックされるのはもちろん、文句の言えたものではないです。

 いつでもクールであれたらいいのですが、人間は感情の生き物ゆえに、いつまで経っても過ちを繰り返すのですとかうんたらかんたら。




●感想レスについて


 ここは人によって大きく考え方が割れる部分なので、(ほかの部分も本質的にはそうなのですが、ここは特に)あくまでも一作者の考えであると思って読んでほしいのですが。

 僕は、感想レスは、しなくてもいいと思っています。


 例えば僕の場合、書かれた感想に対して思いつくままにレスをしたら、かなりの高確率で、感想を書いてくれた人の気分を害するレスを書いてしまいます(気を付けていても、ときどきやりますが……)。

 それを避けようとしてあれやこれやと考えて文面を練ると、結構恐ろしい労力と時間を使うことになります。

 そして、この労力と時間があれば、連載の次の1話が書けたんじゃないかと思うようなことがままあります。


 それでも今のところは、書いた作品に対する感想レスはほぼ書き切っている感じですが、それは自分でやろうと思ってやっているだけです。

 感想レスは義務などではない、ということは前提としては置いておくべきだと思います。


 でも、感想が欲しかったら、感想レス(感想を書いてくれた人の気分を害さないヤツ)はしたほうがいいと思います。

 作者が何を望むかによって、その辺のスタンスは、使い分けがあってもいいんじゃないかと思います。




 ……とまあ、こんな感じですが、いかがだったでしょうか。


 ちょっと感想が大量につくことが予想される内容なので、感想レスは控えさせてもらうか、脊髄反射で返して問題なさそうなものにだけレスするかもしれません。

 申し訳ありませんが、その辺、あらかじめご了承くださいませ。


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[一言]  ……私は ハンドクリームはNIVEAを愛用しています が  ハンドクリームって効能よく解らないじゃないです か 殆ど 何となく 使いたいように使っていていつの間にかすべすべになっていたり…
[良い点] 私はいかぽんさんの作品はあっちのも好きでブクマしてますが感想欄見ると何か攻撃的な特定層がいてちょっと苦手です。合わない面白く無いの感想も意見としてありと思いますが人格批判等の感想は読み専と…
[良い点] 感想ですが、酷い感想がありますよね。読んでいて辛いです。テンプレとかも書いてほしくないですね。 [気になる点] 始まったばかりの生まれたての作品に対する暴言は、削除してほしいですね。感想受…
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