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第一話 ー黒いウサギー

 その女……殺し屋。


 黒いコートに身を包み、ピストルを二丁腰にぶら下げ、黒いロングヘアーを背中まで伸ばして、うさみみのカチューシャをつけて、スコープを目に装備した黒い口紅の異様な女。


 その女、殺し屋、だ。


 キラーサバイバル、で勝ち抜いてきた中にその女はいた。


「コードネーム・ブラックラビッツだ」それが、この女の口癖。


 三年前の少女である。


 やはり、殺し屋になっていた。


 これまで、無失点でキラーサバイバルを勝ち抜いてきた実力の持ち主。


 キラーサバイバルとは、殺し屋たちによる闇のコロシアムだ。


 お互いの、ピストルの腕を見せ合い、相手を殺害する裏の競技である。


 掛け金も支払われ、勝者には多額の金が入る。


 ブラックラビッツは、今のところ5勝しているので、総額1億は手に入るが、次の試合で負ければ全てを失う。


「ぐへへ、次はお前か!? ぐへへ、俺は女だからといって容赦はしないぜ」


「臭い寄るな」


「テメー、今すぐ殺してやろうか?」


 次の対戦相手は、グレート・ノワール。コイツは全身が強化されていて、普通の銃弾ではびくともしない。


 グレート・ノワールは、このキラーサバイバルの常連でいつも優勝している。初陣であるブラックラビッツに勝ち目は無いに等しのだが……。


「いいか女、テメーはじっくりいたぶってやる! 公衆の前で脱がしてやるよ。ぐへへ」


「……。」


「ぐへへ、怖くなって口もきけねえか?」


 隣でこの様子を見ていた、常連のキザな男が近寄ってきて助言する。


「マジで気をつけたほうがいい。あいつはまともじゃないぜ?」


 誰もが、グレート・ノワールを警戒していた。


 その中で、ただ一人だけ冷静に控室に戻るブラックラビッツ。


「あんなの……感じてしまうじゃない……ああ……」局部をさすり、あえぐブラックラビッツ。


 その時、試合の放送が流れる。


「挑戦者、ブラックラビッツは早急にステージへ来なさい。さもなければ棄権とみなし公開処刑にする。」


「もっと、あたしを……感じさせてよ」そういうとステージへ向かうブラックラビッツ。


 ステージでは、グレート・ノワールが待っていた。


「ぐへへ、待ちわびたぜ。俺に恐れをなして逃げたかとおもったぜ?」


「あたしを、感じさてくれる?」


「色仕掛けか? 甘いな」


 旗が上がり、試合開始の合図が出る。


 観客は当然、グレート・ノワールを応援する。


「周りは敵だらけ、か。感じちゃうよぉぉぉ」


「何をわけのわからないこといている_」


 ムキムキの筋肉質でパワーだけと思っていた、ブラックラビッツは油断していた。


 グレート・ノワールの、そのスピードをとらえきれなかった。痛恨のミスだ、


 スコープのスイッチを入れてそのスピードを瞬時に計測すると、時速100キロを超えていた。


「なるほど」


 ジャンプして、攻撃をかわそうとするも足をつかまれて投げ飛ばされてしまう。


 ピストルを腰から抜こうとしたときは遅くコートを破らてしまった。


 しかし、その異様な姿に観客はおろか、グレート・ノワールも開いた口がふさがらない.



「お前……露出狂か?」


 グレート・ノワールの、その言葉に観客の男たちはざわついた。


「おお、いいぞ。ブラックラビッツ」


 素肌は透明感のある、白い肌で、ボンキュボンのナイスボディ。これで、興奮しない男はいないぐらいの体つきだった。


 グレート・ノワールも例外ではない。


「ぐへへ、いい体だな。ここで一発犯してやらぁ」


 まるで、興奮した牛の様に真正面から突進してきたグレート・ノワールに、ブラックラビッツはピストルを構えずに右手の拳をお見舞いする。


 そのダメージは臣大で、グレート・ノワールの顔面を吹き飛ばした。


 その場に倒れこむグレート・ノワールの体。


 顔は後ろのほうの観客席に転げ落ちた。


 それを見た観客は失禁して失神する。


 審判は白い旗を揚げて、ブラックラビッツを勝者と認めた。


 思わぬ番狂わせにキラーサバイバルの主催者であるアレックスは、ブラックラビッツを販促行為をしたと一方的に決めつけ、処刑を言い渡す。


「認めない。私はこんなの認めない。第一に全裸になるとは反している。」


 グレート・ノワールが脱がしたことは、棚に上げるアレックス。


 強化ガラスの特別観客室から、抗議のために出てきたところを、ブラックラビッツはとっさにピストルをアレックス目がけて発砲する。


「任務完了だ、アレックス婦人」


「まさか……お前が雇っていた殺し屋か?」


「そうよ、あなた財産は私が頂くわ。そして、観客の皆さま今後は私が主催者になりますわ」


 バーンとまた、銃声が聞こえたと思ったら、その銃弾を銃弾ではじき返すブラックラビッツ。


「おっと、素晴らしい反応だな。ブラックラビッツさん」


「お前はどこの?」


「ホワイトキャッツ、とでも言っておこう」


「ホワイトキャッツ……だと?」


「そう、お前は三年前に俺の兄さんと接触している」


「……」


「そうだろ、バー……」そいつは、何か言おうとしたが、ブラックラビッツに撃たれ死亡した。


「貴女も、一線を越えてしまったわね」


「観客を……殺す」


「口封じですの? 大丈夫よここでの出来事はみな、幻よ」


 婦人がそういうと、朝、自分のベッドから目が覚めたバーニー。前夜の記憶がない。


「あたしは、一体……?」


 テーブルには一通の手紙があった。封を開けるとそこには婦人からの正式な、団体への招待状があった。


 内容は、二十三時に港の路地裏に来い、と書き記されていた。


 今日もまた、バーニーは「黒いウサギ」へと、姿を変える。

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