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白く幼き妖と  作者: すなぷあ
一.「いつも通り」に過ごしたい
6/35

5.外出 二

「ふぅ・・ふぅ・・」


重い・・・ 主に頭と両肩が  さらに腕もふさがっているので使えない・・


「はいはい!早く歩いて~! もう少しでお店着くから!」


あんちゃんが早く来いと言ってくる 確かにいまの自分は凄く遅い 1歩1歩の幅が短い上に、足を出すスピードが物凄く遅いのだ

え?理由ですか? わかってるとは思いますがぬいぐるみとクッションですよ

頭に白い子、両肩に黄色と黒色の子、両手でクッションと、物凄く忙しいのです バランスを崩すと全部落ちちゃいますしね


全く疲れては無いのですが・・ 重いのです この子達思った以上に重いのです 普通のぬいぐるみの5倍以上はありますね 絶対に・・・



・・とと 口調が


どれだけアームを強化していたのか・・ 店員さんも加減がわからなくて強すぎたってのもあったのだろうか? だったら得した感じがするな・・ 今は得した気分じゃないけど

ちなみに、白の子以外はあんちゃんとバカ兄に渡すことにした あんちゃんなのだが、「帰るまではあんたが持っててね」だそうだ。小さな女の子になんて仕打ちを・・  まぁあんちゃんは自分の事知ってるし、この子逹を取ったのは自分だから当たり前なのだけど・・・ さすがに重い

ぐぅぅぅ 誰か助けてぇぇぇ






「じゃあ・・アイスコーヒーとシナモンチャイ・・あと、このパフェと 白露はナポリタンでいいね?」

「・・ぅ  ぅん」


やっとの思いで喫茶店に入り、席に座る 自分は汗だくだ・・ ちなみに全く疲れてはいない 妖怪の体ってスゲー

だが重さと日差しの強さとぬいぐるみのあつさで既にグロッキー状態に・・ いや疲れてないけど そんな感じと思ってくださいな



いつも通り同じ喫茶店に入り、同じメニューを頼む 日曜日のお昼はいつもこうである

あんちゃんはお昼はご飯と言うより甘いものを食べる事が多いらしく、いつも特大パフェを頼む 一人で食べきれるのが不思議なくらいだ・・・

自分は軽い物ならなんでもいい お昼にガッツく事はほぼ無い、その代わり晩に大盛食べたりするんだけどねちなみに自分は甘いものが苦手だ、ケーキとかパフェとか砂糖ジャリジャリのカステラとかホント無理ですょ たまに食べるのはいいんだけどさ



「ご注文の品は以上でしょうか」

「はい ありがとうございます」


自分がナポリタンを食べ終わる頃に、あんちゃんの頼んだパフェが来る これもいつも通りだ

ただ、少し違うのは店員さんの自分を見る目がおかしい気がする というか周りのお客さんが自分を見てる気がする

あんちゃんは自分が食べてる所を何かニヤニヤしながら眺めてた ・・もしかしてこの体変だったりするのか? たしかに髪は長くて銀髪だけどさ・・・ 

今、あんちゃんは「パフェキター!」とか言ってる、あんなに大きいもの何故入るのか・・・ そしてどこに消えるのか


「ん? 欲しいの?」

「・・ぃぁ」


あんちゃんがどうしよっかな〜? 見たいな目で見て来る いや、いらないって

「じゃあほら、一口だけね? あ〜ん」

「いらないって!」


スプーンで一口分すくってこっちによせて来る だからいらないって! 2828するなっ 絶対わかってやってるだろ!

顔を引きながら首を横に振る、その際にふと窓側に目が行ったのだが・・・ 何か凄いものが見えた気がする


「ス〜はぁ・・ す〜はぁ・・」


何だろう変な音が聞こえる あんちゃんも手を止めてくれた・・ 何だろう?あんちゃんも窓の外にある「何か」に気づいたようだ  きっと気のせいだろう うん気のせいだ 窓の外には何もない そう信じたい


そう思い窓の方に目を向ける そこには



「はぁっ ・・さあ続きをっ つづぎをっ」



カメラを持ち、顔を窓に押し付けた兄の姿があった―――









「ふ〜 お腹いっぱぁいっ 次何処いこうか?」



パフェを食べ終わったあんちゃんがにこにこしながら聞いて来る 凄く気分が良いようだ

え? 兄ですか? あんちゃんにボッコボコにされた後、退場していただきました 当たり前ですよね ふんっ ザマァ

ちなみに、あんちゃんは何処いこうか?と聞いてはいるがいつも通りだとショッピングモールへ買い物に行く

というか行く気満々だ、もう足が進んでいる・・  わかったからっ 引っ張らないでって


自分は狐3匹を肩と頭にのせ、会計を済ませて来る 店員さんが驚いた顔をしていたが気にしない 男が女の人の分払うのは普通でしょ?  ・・・ あっ今自分女の子だった まぁいいだろう気にしては負けだ! 負けなんだ!!!


ちなみに、ショッピングモールまではすぐに着く、そこで食べた方が早いのだが近い方がいいとの事で・・・


「ほーらっ! 早く早く〜! 新しい服買うんだから!! 荷物もちになってよね〜」

「こっ・・これ以上持てるとでも!?」


鬼だ・・ 鬼過ぎる 自分で可愛いと言ってる女の子に容赦が無いなんて・・・ しかたない 我慢しよう


重い・・・ ほんっと重いよぉぉぉ



「そういえばさ〜」

「な・・何」

「白露は公園考えてないの?」


公園とは ココで言う公園生活の略である

前も言ったと思うが、自分の家の近くの公園はとてつもなく広い そこに、キャンプスペースがあるのだ

キャンプスペースは、誰でも無料でそこに泊る事ができる 自分も夏休みに家族とそこで何日か過ごした事もあるし、最近では学校のイベントなどにも使われてるらしい

そこでの決まり事は2つ 1組につき必ずテントをはること、もう一つがゴミを出さない事 たったこれだけだ

色々自由過ぎるが、これを守ってない者が居ればなんか酷い目に遭う・・・らしい こんな簡単な事すら守れないやつはいないと思うが・・・


でも何故あんちゃんは公園生活を考えてないか聞いて来たのだろう? 自分は今のままでも十分なのだが・・


「それまた何で?」

「あんたっ・・ まだ自分が危険な状態ってのがわかってないの?」

「?」


自分にはさっぱりわからないよ


「あんた自分の兄のことどう思ってるの? 今のままじゃ危険ってのはわかるでしょ?」

「ま・・まぁ・・」

「あいつと居るのが安全って言えるかしらねぇ そのうち痛い目みるんじゃないかい? あいつが酷い馬鹿で変態ってのはわかってるでしょ? 話聞いてたらまだ1日しか経ってないようだけど危険な事が何回かあったんじゃないかしら?」

「た・・たしかに」

「やっぱりね だから私は公園に移動した方が良いと思うの、多少は自由が利くしね」


考えてみれば酷いものだ 昨日の夜も今朝も兄に襲われかけた・・ というか昨日は襲われた さっきの事もあった

確かに、襲われるよりは一人で逃げた方が安全だ 家からも近いので連絡とかは困らないだろう  

え? 連絡は携帯でしろって? ごめん・・自分ケータイ持ってないんだぁ アハははh くそっ


「いいかもしれないけど親が・・」

「おばさんだったら即okしてくれるでしょ?」


その通りです 知ってます 知ってました ええ


「・・・わかった 考えておくよ」

「手遅れになる前に行動しなさいよ」


・・・とは言われたが暫くはこのままでもいいのではないか? とも思いますがね

でもやっぱり怖いので相談はしておくことにしようか  






「これと~ これと~ あっ・・ これもいいかなぁ これも可愛いしなぁ」

「・・・・・」



自分は今暇であ すご~く暇なのである


「あ~・・ これもいいなぁ これも見てみよっかぁ・・」

「・・・・」


女性の服選びと言うのは物凄く長いのだ、自分には全くわからない 短時間で決める人もいるのだろうが、自分は見たことが無い

あんちゃんはさっきから試着室に出ては入ってを何度も何度も繰り返している 早く決めて欲しいのだが・・こうなると動かないのはわかっている


さて、この時間の暇つぶしをどうしようか・・ ?

いつもなら携帯ゲーム機などを持ってくるのだがゲーセンで時間をつぶすと考えていたので持って来ていない。まさかクレーンゲームだけで満足すると思ってなかったし、こんな大荷物になるとは思ってなかった

なら他の店を見て回るか? いや、ダメだ この荷物が重すぎて見て回るには時間がかかりすぎる。あとこの姿で1人と言うのもかなり危険だ、こんな広い店で小さな女の子が一人で歩いてたら間違いなく怪しまれる

よし せっかくだし自分も服を見て回るかなぁ 暇潰しくらいにはなるでしょ

服を見るのならあまり歩かなくていいし、あんちゃんともあまり離れなくていい ふふ ナイス名案っ なんつって


とりあえず、上着の並んでる場所に行ってみようかなっと・・



自分はカッコいい感じのが好きなのだ デニムジャケットとか黒のフリースとか 前開けてるのが好きだったりする

まぁシャツを色に合わせるだけで合うってのが楽で、好きなのもあるけど・・・。 


並べられてるのを見てカッコいいと思う物もある!  のだが・・っ 買いたいのだがっ どう考えてもこの体には合わないのだ サイズ的にも 色的にも

体が変わってなければ確実に買っていた! ってのもある・・  くそう 





洋服店をちゃんと見て回った事が無かったのだが結構楽しい だがそこまで欲しいと思う物はなかなか見つからない 先ほどのを合わせても、まだ2着しか見つけてない まぁ買っても着れないのだけれども・・

この髪色に合う服を探して見る、 だがどう考えても寒色系の色ばかり思い浮かんでしまう うーん・・


っと・・・一つ気になる物を見つけてしまった。少し大きめではあるが、良さそうなパーカーだ 色はゴーストホワイトと書いてある ポケット付で、かなり軽く、暖かそうだ 冬場とか大活躍間違い無しだねっ 

さて、このパーカーお値段がですね 何と4000円近くするんですよ 今の手元ちでギリギリ足りるくらい・・ 






買いたいなっ・・ 


いやいや、お金は無駄に使ってはいけないのですよ













買ってもいいよね?


いやいやいや まだまだ自分には買いたい物があるのですよ・・・ あれ・・あったっけな とにかくダメでスッ












いや、買います!


ダメダメだめだめっ 使い道無いのなら貯めておいたほうがいいではないかっ













でも、欲しいしなぁ


諦めが大事なのですっ 誘惑に負けてはいけませんっ さあ回れ右するんだ!自分!!









「3800円になります」

「はぅぅぅ・・・」


買ってしまった・・・ 買ってしまったぁぁ

生まれて初めて自分で服を買ってしまった・・ くそぉ 万札渡した兄貴が悪いんだぁ・・・

買った後の満足感と誘惑に負けてしまった敗北感が混ざって変な感じになる... ぅぅう


でも買ってしまったのはしょうがないっ・・・  うぅ 何かあんちゃんの気持ちがわかったようなわからないような・・・

でもでもっ! これが欲しい!これしかないっ  って物はそんなぽんぽん見つかる物じゃないと思うんだけどなぁ



どうやら、あんちゃんも会計を済ませたようだ 何気に自分も凄い時間悩んでいたのだろうか・・・?

そうだ・・買った服っ どうにかして隠さねば・・ 何か見られると恥ずかしいっ・・

今気づいたのだがこの狐逹は物入れになるようだ さっき買った服くらいなら2着は入るであろう なんという収納量の良さっ 

とにかくこの子に服と紙袋を詰め込んでっ っしゃぁ


「ふぃ~ 満足満足っ 待った~?」

「かなりね」


待ってはいない だがバレたくないので嘘をついてみる しょーもない事だけどいいのだよっ 


「ん~・・じゃあ帰ろっか」

「ぅん もう暗いしね」


時計は6時過ぎくらいを指している あと20分もすれば真っ暗になるだろう

今日は疲れた・・・  帰ったら即寝よう 自分の体力の無さには自信がある いやあったら悪いのだけど というか疲れたと言うよりだるい まだ疲れてはいない、まぁそこは気持ちの問題と言うことで。


「あ~ 厶癒?」

「んぁっ!? な・・何?」

「コレ買ってあげたんだけどぉ・・・ 着てくれないかな~?」


あんちゃんが手にもってたのは・・ フードに猫耳が着いている黒のポンチョだった・・・


「却下で」

「何でよぉ! 可愛いじゃんかぁっ」


自分は男だぁぁっ 可愛さを求めないでくれ・・・ホントに マジで


「可愛いなら自分で着れば良いじゃんか!」

「あんた用に買ったからサイズが合わないのよ!」


知らないよっ! 猫耳とか恥ずかしいじゃないかぁっ いくらフードとはいえ・・・それは・・


「そんなの知らないよっ・・あっんっ!? ちょっと・・勝手に鞄に入れないでっ」


自分の鞄に無理矢理押し込んで来る やめてっバランス崩して転けそうだから! あと服が痛んじゃうからもっと優しくしてぇ


「もう私の服じゃないもんねぇ! ありがたく貰っときなさいっ ダスヴィダーニャ!」

「ぇっ・・えええ!? そして何故ロシア語!?」


あんちゃんが逃げるように去ってゆく あんちゃんの家はすぐそこだ まぁ自分の家もその後ろなんだけど


・・・この服どうしようか? 貰ったのに捨てるのは失礼だし、でも着ないし・・ とりあえず置いとこうかな? うんそうしよう




「ただいまぁ~・・・」

「おかえり・・・やっぱりまだ慣れないわねぇ・・」


この時間になるとお母さんは帰って来ている というかたったの2回で慣れる気でいたのか・・ なんちゅーやつや


「スッゴい荷物ねぇ・・ ご飯どうする?」

「今日はいい・・ あともう寝るょ・・・さすがに疲れた」

「はいはい、じゃあゆっくり休みなさいね  おやすみ」

「ん、おやすみ~」


日曜日は大抵疲れきって帰ったらダウンすることが多い、今日とかそんな感じだ


二階への階段を上り自分の部屋に行く、頭と肩のこ逹をベットに置いて、クッションを枕元にほおりなげる 肩に掛けてたバッグをおろし ベットにだーイブ!!! おやすみなさ~い・・・・


もうこうなれば朝まで目が覚める事はないであろう 薄れ行く意識の中、兄が部屋に来たような音が聞こえたよぅ・・な・・  くぅ

やっと2日終了です・・

たった1万5000文字書くのに何日かかってんだか・・・w


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