1.変わった体
2014/5/10 文の修正..ではなく作り直し。
自分の名前は鈴風白露 (すずかぜしらつゆ)
中学3年生、男だ 学校は・・・たまに行ってる、 いや、行っていた...かな、うん 理由など必要無いのだ
引きこもり気味だった自分は、体力作りもかねて毎日神社まで散歩に行っている。
それが日課であり、楽しみでもあった
今はその神社にお邪魔さしてもらっている、住職さんとも毎日顔をあわせてたので結構仲が良かったりする
それはいいのだが、今自分が神社にお邪魔している理由。
それは、わかりやすく 簡単に言うと、今日...いや、先ほど 自分の体が小さな女の子に変わってしまっていたのだ .....何故だ? 意味がわからない。何が起こったのかすらわからない。
まぁ今からその理由を説明して貰えるそうなのだが....その前に 聞きたい事が一つある。 それは...
「あの〜....すいません こんな姿でどうして僕ってわかったんですか?」
と....言う事。
住職さんはこの姿になった僕を見た後、すぐ、僕を神社に連れて入ったのだ、その時に ちゃんと僕の名前も呼んでいた、だから 気になったのだ....
「うん、それを含め色々話そうとしてたんだ、1つ1つ答えるより、纏めて話した方がわかりやすいしね.....
少し長くなるし、信じられない様な話がいくつか出てくるけど....いいかな?」
「ぁ...はい、わかりましたっ お願いしますっ」
もちろん、お話は聞いて行きます。
話をしたり、聞いたりするのは苦手なのだけれども、ここで聞かないなんて選択は無い。
この姿になった理由を聞かなければ...
「ぇ〜....では、 ごほん。
最近、おかしな事が良く起こるよね、 森の一部分だけ焼き払われてたり、道がボロボロになったりと....」
「ぁ...確かに、よく聞きますね」
ここ最近、住職さんが言った様な謎の現象がよくある。自分の家や、敷地内が荒らされても 誰がやったか分からない、音もなく物が崩れた、壊れた。などの言葉も寄せられている
「白露君は、妖怪って...知ってるかい?」
「はい、もちろんですよ ここでは結構な伝説だったり噂であったりしますからね。」
この町には、妖怪という物が存在する....らしい
実際に見たと言う人は少なく、あくまで噂でしかない。
の...だが、この町で妖怪を信じていない人、知らない人はいないと思う。
何故なら、先ほど上がったような不可解な現象が多発しているからだ、最近多いと言っていたが、少なくても月に1回はおかしな事が起こる。 人間にはできないような事ばかりなので、僕たちは妖怪の仕業と考えている。と言う訳だ
「私は その妖怪の退治を依頼されたんだよ、もちろん、始めは私も疑ったよ....でも、始めだけね
見る限りじゃぁその人は本当に妖怪を見た事あるし、どんな悪さをする妖怪かも知ってたんだよ。
それで... 私は依頼を受けて、その妖怪を探した....そして見つけたんだけどね... 逃げられちゃったんだよ
諦めず追いかけてたら散歩中の白露君と会ってしまってね..... 」
「.....? この体と追いかけてた妖怪と何の関係が?」
依頼者は、何でそこまで知っていて今まで言わなかったんだろうか? と言いたいのを押さえ、後の文、自分と会ったと言う所に質問をしてみる。
恐らく、逃げてた妖怪が自分に何かした...と考えていいのだと思うけど...
「白露君、食べ物が無くなったり、目を離した瞬間に齧られた後が付いてた、なんて事は知ってるかい?」
「ぇぇ... 白い髪の女が盗んでたって話ですよね。」
「そう、そして白髪の女は目を離した瞬間『消える』って話だね、もしも その女が妖怪だとしたら....もしも、私から逃げてた妖怪がその白髪の女だとしたら.....今の白露君の姿は?」
「....? 確かに繋がってると言えば繋がってますが自分がこの体になる理由じゃないですよね?入れ替わった訳じゃあるまいし....」
仮にそうだとして、どうして自分がこうなってるのだろうか?...と
住職さんだし、嘘は付いてないと思う。妖怪の下りは本当だろう...多分
だからこそそこの謎が深まっているのだけども。
「その妖怪は人に、人間に取り憑くらしいんだ、そして、取り憑かれた人はその妖怪の思う姿に変わってしまうらしい、私達が見てたのは..人間の形をしてたのを見てたんだろうね。
あ、妖怪が離れたら元の姿に戻るらしいよ。憑かれてた時の記憶は無いらしいけどね...」
「で、何で自分はこんなんになってるんですか? 意識もありますし、これが妖怪が化けた姿とて元に戻ってませんよ?」
妖怪の説明はいいのだ、問題は何でこんな姿にって事だ。本題は忘れないぞ
説明を聞いてしまったのだが、自分が憑かれたと考えても、元に戻るはずだ。
それに、住職さんが俯いて黙ってるのが余計不安を感じさせる...
「追いかけてたら....白露君が出てきたって言ったよね。」
「ぇ...はい、言ってましたけど?」
「その.... 白露君が出てきて、その妖怪が白露君に向って行ったから...焦って....」
「.......って? どうしたんですか?」
ここで、住職さんの声が途切れる。
...言いにくい事でもあるのだろうか? 目を逸らされてる気がする、
「焦って...その妖怪を消そうとしたんだ 殺術って言うのかな?」
「......危ないですね」
少しの沈黙の後、住職さんが口を開いたと思うと物騒な事を言い始めた。
.....ん?殺術なのに「消す」っておかしくないか?
「その術を使った....んだけどね、時既にお寿司。妖怪は君に入り込んでてね、白露君の体ごと消しちゃったんだ」
「・・・は?」
声が出てしまった。
「その妖怪の元は倒せたんだけどね。妖怪の体と君の魂だけ残ったんだ。 器の無くなった魂は空っぽの器を見つけて入り込んだって事、そして今の姿になったって事だろうね。」
......?
「体と魂の位置が近かったからその姿だったけど、少し遅かったら獣の姿になってたんだよ?君」
これは、どう聞いても住職さんの所為だよね?
憑かれた後に除霊とかそんな感じで妖怪を払えなかったんだろうか、そんなことを考えてすらなかったのか....
僕は、怒っていいよね コレ
「もう少し遅かったらって....住職さんが殺術使わなきゃこんな事にならなかったんじゃないですか?え?」
「・・・ごめんねっ」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
僕の頭の中で、何かが「ブチッ」音を立てて切れたような気がした。
「ほらほら....そんなに怒らないで、君は生きてるしね?」
「怒りますよ!! 早く僕の体元にもどしてくださいよぉぉぉっ」
「だからゴメンって...消しちゃったんだからここにはもう.....」
「消しただぁ!? 後から除霊でも何でもすりゃあこんなぺったんでちんちくりんな体にはっ...にはぁぁっ」
「.......ごめんなさい」
「謝られても困りますよぉぉぉぉぉ!?」
自分の体は消えて...いや、消されてしまったのか... でも、実際にこうなってしまってるし...認めるしか無い...か いや、まだ可能性は
「本当に諦めるしか無いんでしょうか?
殺術使えるなら蘇生術みたいなのが...」
「さすがの私でも君の体を復活させるなんて事は出来ないんだ 私は魔術士じゃないからね、 本当ごめんなさぃ」
殺術使っておいて何を言っているのだこの人は、 立派な魔術士じゃないかっ
でも、本当にどうも出来なさそうだし..仕方が無いか... ぅぅ
と言うか、そうだとして どうやってこの姿で生活すればいいのだろうか?
家族は知らない、それに.. この髪の色。何処に行っても目立ってしまう
そう、不安になっているのが分かったのか、住職さんが優しく声をかけてくれる。
「君の家にはちゃんと報告しておいたから、安心して帰るといいよ。 君誰?って事にはならいよ、きっと....」
気を遣ってくれてありがとうとでも言って欲しいのだろうか、そして僕の不安は1つじゃない...
何故だろう。いい事してくれてるはずなのに殴りたくなってきた






