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第15話 新たな旅路、帝都に蔓延る魔族⁉︎

「すまない、待たせた。」

俺はギルド前で待っていたサイフォンに話しかけた。

「いえいえ、それで、登録は無事に済みましたか?」

「ああ。」

「ランクは3からですか?すごいですね。」

「おっ、何でわかるんだ?」

「この刻印(スティグマ)の色が蒼く光ってましたので。ランクは1から順に、白、緑、蒼、紫、赤、オレンジ、金色の順番で上がっていきます。」

「へぇ〜、そうなのか。あのおばちゃん肝心な事教えてくれてねぇな。」

「まぁまぁ、ソラくん。おばちゃんにはお世話になったんだし〜。」

別に怒ってはねぇよ。

いろいろしてたら時間的にはもう昼だ。

「じゃあ昼飯食って、この村を出発しよう。」

「わかりました。では私は用意がありますので、こちらで一度失礼致します。」

「ああ、わかった。俺たちはランカル亭で昼飯食ったら宿に戻って身支度するよ。」

「はい、では宿にてお待ちしております。」


俺たちはサイフォンと別れ、ランカル亭に赴く。

ちょうどお昼の時間帯だったので満席だった。

「いらっしゃ〜い、今満席でちょっと待って下さいね〜。」

いつもの可愛い店員さんが笑顔で対応してくれた。

まぁ、仕方ない。

「今日は混んでるね〜。」

「ああ、そうだな。ちょうどお昼時の時間にかぶってたみたいだ。しゃあねぇな。」


少し待つと団体さんが出てったので、案内された。

「ハル、今日は何にする?」

「うんとね〜、今日はランカルのしゃぶしゃぶサラダ定食がいいかな〜。」

ほう、なかなか美味そうだ。

「じゃあ俺はランカルビ定食にするわ。シルヴィーはどれがいいんだ?」

「ギャフギャフ〜。」

口先で必死にステーキを指す。

「ああ、ステーキな、分かった。じゃあ、ランカルしゃぶサラダ定にランカルビ定とステーキ定を。」

「はい、わかりました。すぐ用意します。」

店員さんがカウンターに注文を入れた。


周りを見渡すと戦士風のおっさん2人が話している声が聞こえた。

「おい、聞いたか?帝都の治安がかなり危ないらしいぜ!」

「何でなんだ?やっぱりモンスターが増えてきてるのか?」

「ああ、そうらしい。特に魔族長クラスの奴がモンスター共を率いて帝都周辺を取り囲んじまってるらしいんだ。だから帝都に入れねぇし、出れねぇみたいだぜ。」

何?帝都に魔族が出現してるのか⁉︎

「しかもよ〜、その魔族長がよ〜、淫魔サキュバスらしくてさ、めっぽう美人って噂だ。」

「そりゃあヤバイな。俺なんか一瞬で骨抜きされちまうよ。」

アホが。

「それだけじゃないらしいぜ、副長にアークデーモンがいやがるらしい。血気盛んなやつで、めっぽう強いって噂だ。だから帝国軍もなかなか包囲網を瓦解できないみたいだぜ。」

「おい、おっさん、そりゃあやっかいだな。帝都が陥落しちまったりはしねぇのか?」

俺がおっさんらの話に割って入る。

「おう?いきなし話に入ってきたらビックリすんじゃねぇかよ!」

「ああ、すまない。俺はソラってんだ。今から帝都に向かおうと思ってたからよ。ちょっと話聞かせてもらった。そんなに包囲されてて帝都は陥落しないのか?」

一応ランク3のギルド刻印(スティグマ)を見せる。

おっさんは一瞥だけして、

「まぁ、帝都にも凄腕の騎士が何人もいるからなぁ。剣聖(ソーディーン)シュヴァリエ、槍星(スピアリアン)のソリューズ、雷斧(バリアクス)のガラハイ、禁呪(フォビダーナ)メビウス。この四騎聖が居る限り、帝都べオルーンは簡単には陥落しないだろうよ。たった1人で軍隊1万人に匹敵する強さらしいぜ。」

「なるほど、じゃあ今はまだ均衡保っているって事か。それとモンスターと魔族って違いがあるのか?」

「ああ、モンスターは知能レベルが得てして低い。だが魔族は人間以上にずる賢いのが特徴だ。だから帝国軍も手を焼いているのさ。」

「そういうことか、分かった。ありがとな、おっさん。助かったよ。」

「ああ、構わんさ。気を付けてな。」

「おう。」


俺はおっさんに礼を言って席に戻るとすでに料理が来ていた。

「もう、ソラくんビックリしたよ〜。急に席立って行っちゃうんだもん。」

「ああ、ごめんごめん。帝都の話が出たからついな。」

「それじゃあ帝都で何かあったの?」

「みたいだ。どうも魔族の軍団が帝都を包囲しているらしい。魔族のやつらは頭がキレるらしくて帝国軍も手を焼いているんだとさ。俺たちが帝都に入るには、魔族の包囲網を突破しなきゃいけないみたいなんだ。」

「大丈夫かな〜?」

「まぁ、道中で実践を積んで強くなるしかないよなぁ。まぁ、ハルは俺が絶対守ってやるよ。」

「きゃぁ〜、そんな面と向かって言われると恥ずかしいよぉ〜、えへへ〜。」

両手で赤くなった顔を隠すハル。

俺はそんなハルを微笑ましく思いながらランカルビ定食にがっつく。


「さて、食べ終わったし、宿に戻って旅の支度でもするかな。」

「うん、そうだね。今度は長旅になりそうだからちょっと心配だな〜、野宿とか。」

確かにそうだ。常に誰かしら見張りをしておかないといけない。

まぁ、交代でやるしかないけどな。

そう考えてるうちに宿に着くとサイフォンが待っていた。


「ソラ殿戻られましたか。こちらの準備は整いました。食糧等も用意してますので、ご心配なく。」

「そうか、助かるよ。俺たちもすぐ準備する。」

「はい、お待ちしてます。」


宿に入り、荷物をまとめる。

と言ってもエトワールと杖、後は細々としたものだけだが。

硬貨はハルに任せているし、俺が持つものは少ない。

後は靴を何とかしたかったのだが、この村には靴屋が無いらしく、レソトで買うこと。

当分はスポーツシューズで我慢だな。


俺たちが部屋を出るとサイフォンが皮袋を二つ手渡してきた。


「こちらをどうぞ。回復用の傷薬や万能薬を少々入れておりますので、お使い下さい。」

「何から何まで済まない。」

「いえ、それでは出発致しましょう。村の出口に馬車を止めてあります。大きめの馬車ですが、荷物も積んでありますので、少々手狭ですがご勘弁を。」

「構わない。道中雨風がしのげるだけでありがたい。」

「では参りましょう。」

「ああ!」


俺たちはサイフォンに連れられ、村の出口を目指した。


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