第14話 ギルド登録と初クエスト⁉︎
サイフォンに案内され、村のギルドに到着した。
「ここがギルドでございます。ご存知かもしれませんが、ギルドに登録する際にクラスを選択することになります。職種みたいなものですね。」
「なるほど、俺は戦士で、ハルは魔術師かな?」
「そうですね、ソラ殿の闘い方からすれば速攻士というのもありですね。」
「まぁ、ギルドの人にも聞いてみるよ。」
「はい、ではこちらでお待ちしてます。」
「わかった。」
俺とハルはギルドの門扉の前に立った。木で作られた門扉は結構傷んでいる。
ギィー。
扉を開けると軋む音がした。
中を覗くと近くのテーブルで結構強面の兄ちゃん達が集まってワイワイやっている。
それを横目に正面のカウンターに行き、恰幅のいいおばちゃんに話しかけた。
「あの〜、ギルド登録したいんだが。」
「はいよっ、アンタら新人かい?」
「ああ、昨日この村に来たばかりだ。俺がソラで、こっちがハルだ。」
「へぇ〜、そうかい。じゃあまずソラ、アンタのタイプは?」
「俺は戦士だと思うんだが、知り合いには速攻士が向いてるかもと言われてた。」
「じゃあアンタは、速攻士の方が良さそうだね。見た感じガタイのいい戦士って感じじゃない。
それでお嬢ちゃんは?」
「私は魔術師だと思います。他に魔術系の職種ってあるんですか?」
「そうさねぇ、召喚士や死霊魔術師、禁術師ってところかな?」
「結構怪しい系が多いな。」
「あ、今のところは魔術師でいいです〜。」
まぁ、そうだろうな。
「じゃあここに名前と職種を書いとくれ。後、ランクはどうするんだい?」
「ランク?聞いてないなぁ、サイフォンにもう少し詳しく聞いときゃ良かった。」
「分からないのなら1にしとくかい?」
「そうだなぁ、サイクロプスを簡単に倒せるくらいの実力はあるんだけど、どんくらいなんだ?」
「へぇ〜、サイクロプスを倒せんのかい。アンタ若いのになかなかやるねぇ〜。じゃあランク3にしといてやるよ。」
「ああ、サンキュー、おばちゃん。でもランクって上がると何か良い事あんのか?」
「ああ、優先的にいい武器や防具を売ってもらえるし、ランク7まで登りつめりゃあ、帝国の騎士団長にだってなれるさ。」
「そうなのか、まぁ頑張るよ。」
「まぁ、無理はするんじゃないよ。死んじまったら元も子もないからね。はいよ、これがアンタらのギルド刻印さ。」
ネックレスのようなものに蒼く小さな丸い玉が付いている。
おばちゃんはその玉を指して、
「この玉にアンタらの情報が入ってるから、ギルドからクエストを受ける時には、この機会に玉を入れとくれ。そうすると、名前が表示されて、どんな職種で、どのランクで、どのクエストをクリアしたとか履歴も見れる。基本的にクエストは自分のランクと1つ上以上のものは受けれないんだよ。危ないからね。」
「なるほどね、じゃあ俺たちはランク4のクエストまでは受けれるって事だな?」
「ああ、そういう事さ。アンタ小さい割に頭はいいね。」
「おばちゃん、小さいは余計だぜ。気にしてんだからよ〜。」
「ハッ、ハッ、ハッ、ハァッ。その内でっかくなるさぁ。」
だといいんだがな。せめてハルよりは大きくなりたい。
ハルの身長は165だ。俺より10も背が高い。
身長だけ交換して欲しいぜ、全く。
「で、今出てるクエストってどんなモノがあるんだ?おばちゃんのオススメは?」
「そうだね、これなんかどうだい?
緊急クエスト、村の周辺に手強いモンスターが出現しています。10匹程倒してきて下さい。報酬10,000べニール。だってさ。ランク3なら肩慣らしにちょうどいいクエストさ。」
「う〜ん、そりゃあちよっと困るなぁ。俺たちレソト経由で帝都に向かう予定なんだ。都合のいいクエストあるか?」
「そうかい、ちょっとお待ちよ。今帝国クエストを見てあげる。」
そんなクエストもあるんだな。おばちゃん冴えてるぜ〜。
「こんなのはどうだい?
帝国クエスト、最近帝国内で魔物の活動が活発になってきている。以下の魔物の討伐を要請する。
サイクロプス、オーク、シザーハンズ、ゴブリン、リザードマン、ロック鳥、ヌエ、キメラ、ゴーレム、トロール、リビングデッド、ダークサモナー、スカルドラゴン、ソウルイーター、ヘルナイト、ギガンテス、クラーケン。何匹でも良い。報酬はそれぞれのモンスターが残すアイテムで換金するってさ。
かなり強い魔物も混じってるがどうだい?」
「おぉっ、これなら道中で倒していけば、それなりに稼げそうだな。ちなみに手配書みたいなのはあるのか?」
「あるよ、受けるなら手配書が付いてくるね。どうする?」
「ああ、もちろん受けるさ。サンキューな、おばちゃん。」
「ありがとうございます〜。」
俺とハルはギルドのおばちゃんから依頼書と手配書を受け取り、ギルドを後にした。