序章 女神の憂鬱?
みなさんの作品を読んでるうちに、自分でも小説を書いてみたいということで、書いたオリジナル作品です。
ゆっくりと更新していく予定ですので、ボチボチよろしくお願いします。
また文章がおかしければ、気軽に指摘して下さい。
その昔々、アリアとクルテアという2人の女神がいた。
2人の女神は、世界を創造するために途方もない時間をかけて話し合いをしたが、いまだに終わらない。
結局は同じ所で揉めてしまう堂々巡り。
「アリア、あなたは何でいつもそうなの?混沌こそ本来あるべき世界の姿じゃない!」
「クルテアの方こそ、なぜ私の創ろうとする理想の世界がわからないのですか!!愛と平和があふれる世界こそ本来あるべき世界の姿です。大体、あなたが理想とする混沌の世界は、とても不安定ですぐに均衡が崩れてしまいます。それでは世界を創る意味がないではありませんか。」
「あら〜、そこがいいんじゃないの。私は終焉を司る女神よ、形あるものは全て壊れゆく運命にあるの。完全な理想の世界を作ろうが、いつかは滅ぶ。だからこそ不安定な世界で充分なのよ。むしろ愛や平和について考える程の知性がある生物を生み出す方が、かえって可哀想というものだわ。生まれ出た瞬間から死へ向かって生きてゆくのだから。」
「ですが、私が創ろうとしている世界では、生き物は死をも乗り越え、次の世代へ愛を受け継いでいくのです。そして、より良い発展を遂げ、夢や希望に溢れ、栄華を極めるのです。」
アリアもクルテアもお互いの意見が正しいと信じきっているようで、話が全くもってまとまりそうもない。
「わかったわ、アリア。じゃあどちらの理想が正しい世界の在り方か、はっきりさせて差し上げますわ。もうあなたとのくだらない論争に、そろそろ嫌気が差してきましたもの。」
「えっ、クルテアには良い考えがあるのですか?」
「えぇ〜、もちのろんですわ。だてに女神という立場ではなくてよ。この神域で、何億年も話してたって埒が明きませんもの。いっその事、私とあなたで平行次元に理想の世界を創って、その経過を見比べましょう。そうすればどちらが良いのか、すぐわかるというものですわ。私、相変わらずあなたより頭が冴えてますわ、オホホホ〜。」
クルテアの高笑いが神域にこだました。
かくしてはじまりを司る女神アリアと終焉を司る女神クルテアの何億年にも及んだ長い論争は終わりを告げ、世界は創造されたのであった。