金糸雀
ここは鳥籠。
貴方の中に作られた堅牢な檻。
貴方の気持ちを求め続け愛を囀る。
貴方はそんな私の愛を聞いて、微笑むのです。
人は私を愚かだと笑うでしょう。
自由を失い、愛を囀る愚かな小鳥と。
貴方しかいないのです。
私は誇りを抱いて返すのです。
誇りにまみれたこの籠は
埃が積もるばかりのこの籠は
涙の過去。
気付いていました。
扉は既に開かれていることなど。
ここにいる私は恋慕を募らせる埃と同じ
報われぬ恋だとしても
私は声を捧げるだけ。
私は鳥籠に閉じ込められた愚かな金糸雀。
未練という鍵に閉じ込められた愚かな金糸雀。
恨むことなく、怨むことなく
私は帰らぬ貴方を待ちわびる。
ただ、ここにいたい。
愚かな金糸雀。