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紅の巫女  作者: 音寒琴
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紅の巫女3

やっやめろ……。そんな言葉は…。笑っちまうだろうがあああああああ!!!


美形なのに、頭がわいてるのか?もったいない……ぷふっ…っく


ヤベぇかわいそうなことを笑っちゃいけないよな…。俺は笑いを必死の思いで、噛み殺した。


微妙に、涙が、滲んでしまったが、なんとか、ばれなかったようだ。なぜかって?


王子はそんな俺を見て、気持ち悪いぐらいの、キラキラ悩殺スマイルをして見せたからだ。


やっぱ頭わいてるんだな・・。俺はかわいそうになって、ものすごい生温かい目で、笑い返してやった。


なんていうか、ダメな子供を諦めたように見ながら、苦笑してる、母親の気持ちってゆうか・・。


生温かく笑っている俺を見て、なぜが、王子からムサッ苦しいような、言うならば、


密度の濃い、甘ったるい雰囲気が、流れ出てきた。


「巫女殿……」


近づく瞳、濡れた声…。んん?なんだか分からないが、俺の本能が危険を告げたので、


急いで、顔をそむけて、王子の胸をおもっきり、突き飛ばそうと押した。


礼儀も、何も、俺の本能は、小心者の特性、危険察知能力が付いている。


その危険察知確率は、ほぼ100パーセント。


突き飛ばすつもりで押したのだが、王子の体は一つも動かなかったので、手を突っ張るだけになったが、


女の体になってから、力が弱くなったっぽいな。でも拘束が弱まったので、


荒事にもならないで、ほっとした。物事は、あまり波風立てないのが一番じゃ…。


拒否したことがやっと分かってくれたのかと、理由をそれとなく分からせるために、


王子の顔を見てから、戦士達の方を見て、また王子の顔を見て、俺を抱きしめてる、腕を指差した。


すると、王子は、少し間を開けて、こくんと意味ありげに頷いて、そして、分かった事が、


とてもうれしかったのか、はにかんだような、とびっきりの笑顔を見せてきた。


分かってくれたのかと、俺は小さく笑い返した。


やっとこさ分かってくれましたかい…。わたしゃ生きてるうちに、ダメ息子の成長を見られてよかったよ……。


死にかけの母親のような感傷に浸っていると、急に王子が、とびっきり甘い声で俺の耳元で囁いた。


「……特別なものは、焦らず後に食べるタイプです…」


…あたまのわいてる、美形王子の思考はさっぱりだ。。。


まあ俺も、好きなものは、後に残すタイプだけど、今何がそれに関係があるんだ?


って王子・・なぜ手を放してくれんとです?(どこかの方言)


ちょっ!!なぜ俺を離さないまま、立つのだ!!


お姫様だっことかどうでもいいから、ちょまて、俺は、この手を離してほしいだけなんだよ!!


そんな俺の気持ちもむなしく、すっと俺をお姫様だっこしたままの、王子は、


戦士たちを見て、急に厳しい顔をして威厳のある声で、固まってる戦士たちを一括した。


「そのように、貴様らが、じろじろ見るから、巫女殿が、おびえてしまわれたではないか!!」


なんかさっきの頭わいてるバカ王子とは、雰囲気違うくないですか?


言ってることは、勘違いで、バカなことが丸見えなのを差し引いてもだ。


すると、固まっていた、戦士たちが、びくっと動いてこちらに


向かって姿勢を改めて、頭を下げた。ぴったりと息を合わせ、謝罪してきた。


「…まことに申し訳ございません」


いやいや、違うだろ!!俺を見てたんじゃなくて、半裸の巫女?俺?を抱きしめてた。


王子みてたんだろうよ。。戦士さんたちの真意の姿に、すっごく申し訳なくなってきた。この勘違い王子が!!


「みなさん、おねがいです。お顔をあげてください。


私は、みなさんを、怖がって、いたわけではなくてですね・・。


(勘違い)王子、あのですねえ・・。


こんなこと言ったら、失礼に、当たるかもしれませんが、言わせていただきます。


みなさんは、私を・・・え・・」


覚悟を決めて言おうと、身じろぎをして、王子の方を見ると、


なぜか歓喜きわまったように、泣いていた。


そして、なぜか、戦士のみなさんもだ。


森の一帯を「うう~ぐすぐす」と響き渡る男泣き…。(きめぇ)


「ううう……なんて優しい方だ…。巫女殿に見惚れて腑抜けになってしまった


戦士どもにもお慈悲の心を…グス……


さっきまでおびえていらっしゃったのに……」


王子の目が、ヤバいウルウルしてる。至近距離で男泣きは、やめとくれ…。


んんんん?ちょっと待て…。巫女殿…って俺だよな?


巫女殿に、み・と・れ・て。。。見惚れて。。。。


ええええええ!!!みんなかたまってたのって、俺を見てなのかよ!!!!!!


そういえば、俺一度も、自分の顔見てねぇ!!そんな美人なのか!!!!!!!


女になったからって、顔は、そんなに変わってるとは、思いもしなかった。。。。


どんな姿してるんだろ…。という健太の思考をさえぎったのは、またもや王子だった。


「まあこの私も少しの間、お恥ずかしながら巫女殿に、見惚れておりました…。


このアトランティスに紅の巫女殿をお迎えするのも、


600年ぶりなので、紅の巫女は、もはや伝説になりかけてたですが、


昨日、時の予言者が、このベクスベルの森に、赤い光とともに、紅の巫女が、おり立つ、


という、予言をして、急いで、こちらに向かった次第なので、


お姿がこのように、尊いものだとは、考えもしておりませんでした。。。」


至近距離で赤面されても、こっちが困るんだが…。ってか…


「今さらだと思うんですが、紅の巫女ってなんなんですか?」


そう、なんか色々回り道したけど、これが聞きたかったんだよ!!!


「あああああああ!!!そうだったんだ、申し訳ございません。。。


ちゃんと、文献には、紅の巫女は、異世界から訪れると書いてあったのに・・。


あまりにも、巫女殿が、落ち着いていらっしゃるので、忘れておりました。。。


説明が遅れて申し訳ありません。


とりあえず、紅の巫女殿、異世界から、はるばる遠路、このアトランティスにようこそ。」


あとがき

次は紅の巫女の役目や、このアトランティスの問題が出てきます。

あれ、王子ってこんなあほキャラだったっけ・・。(汗)

「……特別なものは、焦らず後に食べるタイプです…」王子変態じゃないんで・・。容赦してやってください。 いつか、王子視点を書く予定です。 次の更新は、26日か、27日をめざします。

誤字脱字の報告すごくありがたいです。感想貰えると、飛び上がって喜びます。


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