紅の巫女2
絶叫した後、すぐさま、美形の差し出していたマントを怒涛の勢いで、
奪い取り、自分の体を隠した。もちろん、多分自分の体だろうが、女の体がそこにあるわけだからだ。
少しして自分の体だろうという事が、結論ずけられてきた。
だが、頭で分かっていても、生理的に涙が出た。
男の前で、それも、嫌いな人種の美形の前で、泣くのは、癪だが、
異世界+女の体は、さすがにショックがきつい、ぽろぽろと静かに泣いていると、
美形は、なんだか知らんが、俺が泣いているのは、自分が、裸を見ちまったせいと、
勘違いしてるのか、なんだかわたわたしている。
無視しようとは思ったが、さすがに、男の俺は、美形のわたわたしてる気持ちもわかるので、
自分の事で精いっぱいだが、一応誤解は解いておこうと思った。
「泣いてるのは……貴方のせいじゃないですから…ただ…。」
やべまた涙が、出てきた。俺なんか、結構不幸人生なんだよな・・。
「申し訳ございません……。」
と苦しそうに言われて、なんだか、丁寧に、涙をすくいとられて気付いた時にはなぜか抱きしめられた。
これは、俺の胸で泣きな的な、少女漫画的展開か…。
冷静に、考えてる自分がいるが、一時の現実逃避ってやつだ。
そんな状況の中、遠くから、「王子~~~。」という聞こえてきた。
その声にこたえるように、目の前の、美形が、声をあげた。
「こっちだ!!! 紅の巫女は、無事保護したぞ!!!」
王子って言う声に答えてるってことは、こいつ王子なのか…?
突き飛ばしたいが、さすがにやばいよな。
でも、気持ち悪い。俺に男に、抱きしめられて、喜ぶ趣味はねぇ。
ってか、紅の巫女って誰の事だ?王子?の近くにいる奴って、
巫女って言うぐらいだから、女だろうが、俺以外には…。
!!!!俺かぁ!!!!女の体だもんな、顔も女だよな…。巫女…。
すると、近くの茂みから、複数の雄たけびというか、歓声が響き渡った。
そして、茂みをかき分けて、戦士のような、男たちが、ぞろぞろ顔を出し、王子の方に来ようと、
こちらに視線を向けるとなぜか、固まって、痛いほど、こちらをみな凝視してくる。
こっちって、なんかあったか?と後ろを振り向くと、普通に、木が生い茂っているだけだ。
あ、まてよ?こいつ王子なんだろ、
じゃあ、俺の今の姿は、女なわけだし、マントだけはおった半裸の女を抱きしめてるって、
結構スキャンダル、なんじゃないか?つうかこの王子は、そのことにも気が付いてないのか?
突き飛ばせない、殴れない、言葉で言うのも、失礼に値するかもしれないし、
俺は、礼儀正しいといわれる、小心者の典型的な日本人だ。
後々面倒だから、表立った、拒否はできない、だけど立場が悪くならない方法で、
と考えて、結果、身じろぎして、直接的ではないが、拒否してみるようにしてみた。
すると何を勘違いしたのか、分からないが、ふざけたことをほざいた。
「大丈夫ですよ…見た目は怖い奴らばかりですが、忠誠心も厚く、心配ありません。
僕に、体を預けていて下さい。絶対に、何もかもから、貴方を守りますら…」
小声で耳元で囁くように言ったかと思うと、俺を抱きしめてる手に、力が、少し入った。
俺は言葉を、聞いた瞬間赤面した。
あとがき
健太は、天然男たらしになりつつあります…。
罪作りなやつです…。
誤字脱字多分…いや絶対あると思うので、
あったら教えていただけたら、本当にありがたいです。
感想を頂けたら、飛び上がって喜びます。更新ペース多分上がります