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第0回 「始まり」
前回の小説で完結せずに削除してしまったので、今回は短い作品で何とか完結にこじつけようと思います。
越えられない壁はやっぱり有る。
勉強についてだって、芸術についてだって。
勿論、スポーツなんか余計に論外じゃない。
夏に三年生に混ざってベンチ入りし、試合でも投げたあいつは二年生を差し置いて、秋からエースになった。
練習でも見たけどあいつのストレートはチームの中じゃ一番速いし、捕手だって捕るのは大変そうだった。
「勝てるわけねぇや。あいつは天才だもん」
いつしかそれが口癖になっていた。
自分じゃそれは羨望からだと考えていたけど、ふと気付かされた。
それは諦めからだって。
次回からスタートです。