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契約の悪魔  作者: 青田 桃香
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裕福な伯爵 前編

「お願いだ、マリー。もう少しだけ頑張ってくれ。なんとしても、何をしても病を治す手段を見つけるから。もう少しだけ頑張ってくれ。」


「なんでもって言った〜?条件次第ではそのオネガイ僕が叶えてあ・げ・る♡」


◇◆◇◆◇◆


帝国歴578年 春 


私の名はオスカー。自分で言うのも何だが、いま幸せの絶好調の中にいる。


「こんなところにいたの?探したわよ!」


彼女はマリー、私の可愛い妻だ。もうほんとにかわいいとにかくかわいい。それに尽きる…私達は新婚で、今は婚姻休暇をもらってゆっくり新婚を満喫している。


私は、一様伯爵家当主。貴族の間では政略結婚が普通だが、私はマリーと恋愛結婚。それもあって私達は今一番社交界で有名な新婚夫婦。その出来事を劇化した舞台を開幕し飛ぶように利益が出たため私は沢山のお金を持っている。


「何思いにふけっけるの?執事が呼んでいたわよ?」


「嗚呼すまんすまん。君といる幸せを噛み締めていた。」


「もう何言ってるの!」


ほら可愛い…


◇◆◇◆◇◆


新婚旅行が終わり季節が夏に差し掛かった頃、屋敷で仕事をしているとマリーが倒れたという知らせが入った。


「マリー!」


「オスカー、来てくれたの?仕事は?」


「そんなことやっている場合ではないだろう!」


「ごめんなさい…」


「いやこちらも強く言い過ぎた、すまない」


「うんうん大丈夫」


二人で話していると後ろの医者から話しかけられた。


「少しよろしいでしょうか?」


「ええ、妻の倒れた原因はわかりましたか?」


「それが、マリー様の倒れた原因がわからないのです。マリー様に心当たりはありますか?」


「実は、オスカーの婚姻期間にも体調が優れず、咳などが続いていて…最近は無かったので言わなかったんですけれど…」


「私の予想が正しければ…いや、違う可能性もあるが万が一…」


「先生?」


「とにかく、現時点では確信がないので後日話させていただきます。」


「「はい…」」


◇◆◇◆◇◆


後日医者が私だけを呼び出した、なんでもマリーには聞かせたくないんだとか

「先生なにかわかりましたか?」


「はい。マリー様の病気は不治の病です。」


「はい?!不治の病ってどういうことですか?病の名前ではないではないですか!」


「はい。この病は、よく分かっていないことの方が多く分かっていることが、治らない、長く持って3年、短くて1年で死に至る、くらいなのです。マリー様は、悪化しているので1年持てば良いほうかと…」


「私は認めない!」


◇◆◇◆◇◆


それからオスカーはおかしくなった。


「マリー、絶対君を直してみせるから、安心してね。」


「これ、絶対病が治る薬だって飲んでみて?」


今までは良い噂ばかり流れていたが今は薄暗い噂しか聞かない


あの伯爵、裏で闇市を許してる。あろうことか、自分まで行っているとか


あの伯爵、また税を上げたんだ。もう生活できねぇよ


「もうやめて…わたしはいいから」


「何言ってるんだ、もしかして私が治せるか不安なんだね?大丈夫絶対治してみせるから。」


「そうじゃない!私は、私は、いいからお願いだからもう悪に手を染めないで…」


「この世界はマリーのためにあるんだよ…?」


◇◆◇◆◇◆


帝国歴578年 冬


マリーは、ベットから起き上がれないくらい病が悪化していた。


「お願いだマリー、もう少しだけ頑張ってくれ。なんとしても、何をしても病を治す手段を見つけるから。もう少しだけ頑張ってくれ。」


「なんでもって言った〜?条件次第ではそのオネガイ僕が叶えてあ・げ・る♡」


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