婚約破棄もされたし偽聖女呼ばわりされたけどとても幸せです。
外典 外典 おじいちゃん勇者爆誕
が中編に生まれ変わり短期集中連載 訂正 通常連載になりました。
現在6話目です。
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これは全て第四の壁をぶち破って行動するキャラが・・・・
いえなんでもないです。
王立学園の卒業式後に行われた卒業パーティにてその惨劇は起こった。
その国の第二王子オニオンが、開会の挨拶の最後に爆弾発言をした。
「公爵令嬢キャロットよ。聖女の名を騙り、さらには男爵令嬢テトをいじめた罪により
お前との婚約を破棄し、お前から聖女の名前を剥奪する。」
「オニオン王子、それはまことですか?」
「そうだ!!、この悪女め!!」
「私はテト様をいじめたことなどはないのですが……」
「何をいう!! テト嬢の制服を盗んだり、ドレスにワインをかけたり、母の形見を奪い、
あまつさえ階段から突き落としたというではないか!!」
「そんなことは全て身に覚えがないのですが…」
「これらは全てテト嬢から聞いたことで事実に違いない!!」
「目撃者などの証人はいないのですか?」
「テト嬢が嘘をつくとでもいうのか?」
「わかりました。私がやっていないのは間違いないですが、婚約破棄については受け入れます。」
「この悪女め!!婚約破棄は受け付ける? それだけで済ませてたまるか!!
お前のような奴は聖女にふさわしくない、聖女の名も剥奪させてもらい、
国外追放だ!!」
「悪女云々、国外追放は後にして、私から聖女の名を剥奪するということは、代わりの聖女は?」
「お前のような薄気味の悪い、顔すらも見せられぬ女は聖女にはふさわしくない!!
テトのような純粋で美しい女性こそ聖女にふさわしい!!」
「テト様は、聖女になることをご了解済みで?」
「ああ、そうだが何か?」
その言葉を聞いた瞬間に周りいた貴族がざわめき出し、特に年頃の令嬢の何人かは、
その場で失神し倒れ会場を去っていった。
「一体なんなんだ?」
「では、気が変わらないうちに継承の儀式を行い、聖女を交代したいのですが・・・」
「偽聖女とはいえ潔く身を引くのだな」
「ええ、それは……、テト様 前に出て手を挙げていただけますか?」
王子の後ろに隠れていた、テトがおずおずと前に出てきた。
「なによ?」
「聖女の交代には儀式が必要なので、手を挙げていただけますか?」
「手をあげればいいの?」
「はい、それでいいです。それでは、私の宣言の後はい、認証しますと言っていただけますか?」
「それだけでいいならやるけど」
キャロットは高らかに宣言した
「それでは、私キャロットは、カーズ様の巫女のお役目をここにいるテト嬢に移譲すること望みます。
テト嬢は、これを認証しますか?」
「はい、認証します。 これで私がこの国の聖女なのよね♪ …… え?い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い・・・」
テトは痛みを訴え出すとその痛みに耐えきれないのか、地面に這いつくばり悶絶し始める。
「おい!キャロット!!一体お前は、テト嬢になにをしたんだ!!先ほどの何かは
聖女の引き継ぎではなく呪術ではないのか!!」
「オニオン王子、これは聖女の引き継ぎですわ。まあ呪いと言われたら呪いには違いないのですが」
テト嬢の顔や手などに黒い文様が現れ始める。
「あーこんな奇特な…いえ、気丈で高潔な令嬢がいるとはさすがです。
彼女ほどの女性はオニオン王子の結婚相手には最適ですね。」
「一体お前は何をいっている。」
キャロット嬢は、顔にかけていたベールや、手袋を捨てて笑いながらいった。
「邪神カーズ様の力を抑える巫女の役目、通称聖女、ただいまをもって引き継ぎを完了
とさせていただきますわ」
「え?」
「え?ってもしかしてテト嬢は何も知らずに引き継いだなんてバカなことはないですわよね?」
「キャロットよどういうことだ?」
「ですから、聖女というのは、この大陸の地下に眠る邪神カーズ様が目覚めるのを防ぐための人柱。
変わってくださる方が立候補されるか、寿命で死ぬまで、カーズ様から出る恨みの思念を
塞きとめるためのお役目です。」
「お前は、テトのように苦しんでいなかったではないか?何かやったんだろう!!」
「いえ?苦しかったですよ、そのためまともに動くこともできませんでしたが、あのように苦しんでると
余計にカーズ様がお喜びになって苦しみが倍増するので、やせ我慢をしていただけですわ」
「そんな役目を自分からお前が受け入れたのか?」
「いえ?前任の聖女が寿命で死んだので、自動でこの国の適齢期の令嬢から選出された結果ですわ」
「え?」
「ついでに言わせてもらうと。そのことを哀れんだ王が、せめて王家の者として一生安泰な生活をということで
あなたとの婚約が結ばれただけなのですわ」
「ちょっとまて、そんなこと聞いたことがないぞ!!」
「これは、女性の場合、母から子に口伝で、男性の方では、当主、または次期継承者の方のみ
知っていることですから、王子が直接知らなくても当然ですわね」
「なぜだ!俺が王になるはずだぞ!!」
「そんなことはありえません。あなたは、公爵令嬢である私の立場を守るための王家からの生贄でしたので」
「え?」
「そのために、かなりの強権が認められておりましたが、第一王子が次期王に決定してますわよ。」
「…」
「あと、公爵家への詫びを含めての対応でしたので王家からの援助は、これからは最低限度に
つまりほとんどの権限はなくなりますので・・・」
「……」
「最後になりますが、本当にこの立場からご解放いただくためとても素晴らしい令嬢をご紹介いただき
王家の方には大変感謝しております。通常であれば婚約破棄に伴う慰謝料などのお話がありますが
それらは全て王子とその新しい婚約者の新たな門出へのお祝いとして相殺させていただきます。」
キャロット令嬢はすごく上機嫌で鼻歌を歌いながら会場を去ろうとしていた。
「まて…」
「なんでしょうか?王子?」
「お前は本当にテトをいじめてなかったのか」
「いじめるも何も、邪魔だと言えば私に与えられた権限で男爵令嬢ごときなら国外に追放できましたので」
「テトはなんで聖女の真実のことを知らなかったのだ」
「さぁ? まあ庶民の出のお母様から生まれたのと、お茶会に参加しても、場を乱すだけだったので
誰もそこまでフォローしてくれなかっただけでは?」
「つまり、お前はなにもやってない?」
「はい、何もやっておりませんでしたわ。それでは良い新婚生活を!!」
キャロット嬢は、会場を去っていった。
「どうしてこうなった!!」
その後テト嬢は、あまりの痛みと苦しみに正気を失うも邪神の加護で正気に引き戻される
ことを繰り返し、その後2度と立ち上がることすらできず、この世界の平均寿命の倍に近い
113歳まで長い生を全うした。
なお113歳で死んだのは、その世界に現れた勇者が邪神を倒し、その加護が失われたためであり、その後、邪神の巫女という悲劇が引き継がれることはなかった。
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外典 おじいちゃん勇者爆誕
「ばあさんや、そろそろ、当代の聖女様も、歴代の聖女様がお隠れになった年に近づいてきて
適齢期の子女が悲嘆しておるし孫娘もちょうどその世代だがどうにかならないものかのぉ」
「おじいさん、そんなことをいってもこれは神の関わることですよ、神ならぬ人の身では・・・」
「邪神を封印ではなく、倒してくれるものでも現れてくれれば孫娘も助かるんじゃが
まあ、そんなこと望むだけ無駄か、じゃあばあさん、気晴らしに少し裏山に散策にでもいってくる。」
「おじいさん、引退したとはいえ、あなたは公爵家の元当主、ちゃんと誰かを・・・」
「ばあさんも知ってるだろ、若気の至りで邪神を倒すんだと鍛え、国内最強の剣士に一度はなったんだ
流石にもう体力が追いつかぬが、裏山の散策程度では護衛なぞ気が散るだけで不要だよ」
「おじいさん、それでも気をつけてくださいよ」
「ああ、わかった。」
って会話をして出たんだったが、これは完全にフラグだった。
裏山の散策中に、突然地面に穴が空き下に落ちてしもうた。
「痛たた・・・、ここはどこだ?」
かなりの距離を落ちたが、途中でスロープのようなものになり打ち身はひどいが
骨折などの動けなくなるほどの怪我はない。
穴におちたはずで、周りは岩肌だが、ほんのりと明るく周りを見るのには不自由はない。
「前方の方から光が見えるのぉ」
わしは光が見える方向に進んだ。そこには一本の剣が台座に刺さっていた。
普通なら何か罠があるのかと考えるべきだったのじゃが
なぜかその時は、その剣をすぐにでも抜かないといけないという気持ちが生まれ
そしてその剣を抜き放った。
手に取った剣から声が聞こえる。
「800年ぶりの勇者さま誕生おめでとうございます。流石に放置されすぎてて
私忘れられちゃったのかと思いましたよ」
「へ?」
「え?今回の勇者様は、御年80歳・・・いやなんで・・・?」
「すまぬがよくわからんのだが?」
「いやだから、今回の邪神を倒すための勇者様として認められここにきたんですよね?
さすがに800年も放置されるとは思ってもみませんでしたが・・・」
「え?」
「いやぁ、800年も来ないもんだから次の邪神との戦いに人類が負けて滅んでたんだと思ってましたよ。」
「その辺詳しく教えてもらえぬか?」
「もしかして伝承が途絶えてます?」
「わしの知ってる話と全く違う。邪神は神であり、倒すことはできず封印しかできないと聞いておるが」
「ああ、私以外では、邪神は倒せませんが、私に認められた勇者様であれば、邪神に剣を当てて
ちょびっと傷をつけるだけで邪神を倒すというか、消滅させられますよ」
「え?」
「いやぁ、ここって邪神っていうかタチの悪い高位異次元精神生命体がよく狩場にしてるんで
見かねたうちのご主人様が私、聖剣こと別名 対邪神級精神生命体用侵食型呪殺装置を
設置して、一定の基準をクリアした人が私で邪神を倒せるようにしたんですけど
本当にその話を知りません?」
「全く聞いたことはないんじゃが」
「マジで?」
「マジじゃが」
「・・・」
「とりあえず聴きたいことがあるんじゃが、邪神は倒せるのか?」
「ええ、私を持って邪神に立ち向かい、邪神に一太刀でも当てることができれば・・・」
その瞬間おじいさんの顔が変わった。
「ふふふ・・・」
「え?」
「孫にいい土産ができた、わしはやるぞ!!」
「いや、流石にあなたぐらいの年だと無理があるんで・・・」
「無理なんぞ、愚か者の言う言葉じゃ。さぁ早速邪神を倒しに行くぞ!!」
「いや、待って・・・」
孫娘のために修羅となったご老人が邪神を倒すのは確定として
他に何をしでかすのかそれは・・・
この後ばあさんからお説教をうけること以外未定です。
特に意味はないですが 男爵令嬢は男爵が手をつけた一般の出の雑用メイドが母で
男爵の妻が死去した後、引き取られたため、貴族的な教育は0なのでこういう事態に…
なお、これも特に意味がないですが、勇者は公爵令嬢の子孫です。