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俺の能力の効果がおかしい事に気付いた。  作者: 平凡な猫
第一章
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第二話 クラス転移②

この超常現象が始まってから変化が起きたのは二十分経った頃の事だった。


前の方で静かに並んでいた生徒が光りに包まれ消えていったのだ。消えると言っても只、パッと消えるのではなく段々とフェードアウトしていくように光が薄まったのだ、


光が消えた後、その場所を確認するとそこに居た筈の生徒がいなくなっていた。




動けない事により既に皆パニックしていた状態だったのだが、新たに起こった超常現象は混乱に拍車を掛けるのは容易だった、


冷静沈着に生徒達を宥めていた生徒会長もこの現象を目撃して口を閉ざしていた。黙って見ていた生徒会役員達も他の生徒同様にパニックを起こしていた。


だが、この混乱した状況をほんの少しだけ改善したのは意外にも生徒会書記であった。


「皆落ち着くのだ!確かにこの現象はどう見てもありえない事を起こしているが、とにかく落ち着け!そんなに混乱していても何も始まらないぞ!考えても見なさい!一部の人には何となく理解出来たのではないか?この様な科学では証明出来なさそうな超常現象!私も知っているぞ!これはどう見てもかの有名な異世界召喚では無いのか?死ぬ訳ではない!だから落ち着くのだ!」


生徒会書記はヲタクで有名だそうだ。何故有名かって?去年もこの人は生徒会書記をしていたのだが、極度の中二病だったのだがそれが一時期校内で暴走していたのだ。俺もその場面を目撃したのだが、何故書記に選ばれたのだろうか?と思わざる負えない程イタい奴だったのだ。


勿論何をしていた、何を発言していたかは説明したくない程の事だった…


だが、この人のお陰で生徒全員が少しだけ落ち着いた。ヲタクでもこう言う時は役に立つのだなと考えてしまった。



まぁそれは置いとこう。ん?置いとくのかって?今はそれどころでは無い事が分かったのだ。いや、分かったと言うより推測出来ると言うか。


「おい、ユウ。この状況ちょっと不味いかもしれないぞ。予想外な事だ。」


「どうしたんだ?やっと事が進んだんだぞ?本当に待ちくたびれたんだぞ?動けないって言っても感覚はあるから足やら何やら身体全体が固定されてバッキバキになったんだぞ?お前は身体痛くないのか?」


「いや、痛いぞ。……じゃなくて、今言いたいのは違う。分からないのか?生徒が少数で消えていってるんだ。この事が分からないとは言わせないぞ。」


「ん?少数?…何だ?只、そう言う仕組みだからじゃないのか?」


「確かにそう言う仕組みかも知れない。だが、仕組みでは無く向こうが意図的に少数ずつを呼び出しているとしたらどうだ?最初から向こうは大勢の人を召喚する事が目的だという事だ。推測に過ぎないが、こう言う超常現象が実際起きているのだから、あらゆる状況を考えないと大変な事になるだろ?最悪な事まで想定して考えないと多分ヤバいぞ?」


「………さっきから何で的確に俺を不安にさせる事に特化させてるのだ?もっとポジティブにならないと精神が病むぞ?もっと楽しく行こうぜ?」


「…現実逃避はそこまでだ。考えろ。今、俺達に何も起こってない状況だからこそ考えないと大変な事になる。俺だって考えるのは面倒だが、後に苦労したら元も子もないぞ。今の内に想定して置かないといけないだろ?まあ確かに考えたくないのは分かる。」


「確かにそうだ。その通りだ。少数って事は少数ずつしか出来ないとか言って洗脳しているか、本当に少数ずつしか出来ないか、だけど確かに大人数召喚しようとしているだろうな。そうとしか考えられない。戦争か?だが、そうだとして何も知らない奴を呼ぶか?普通に考えておかしい。て言うことは……」


「だろうな。只、利用だけしようとしているな。確証はないが、危険度はマックスだな。只、洗脳しているかどうかだな。向こうが馬鹿ならしていると思うが、少しでも考えてる奴なら情に訴えかけてるな。何かしらの事はしているだろうな。だが、何してるか等到底予想出来ない。」


「はぁ…本当に何でこんな事になったのだろうな。俺達只、学年集会に来ただけじゃね?嫌になる。」


「確かに嫌になるが。……逃げれるか不安になるな…これは作戦を練り直さなくてはならないな。」


「大丈夫なのか?俺も逃げさしてくれよ?お前だけとかやめてくれよ?そしたら何としても怒るからな。どのような状況でも怒りに行くからな」


「分かってるって。流石に見捨てる事はしないから、もし離れ離れになってもいつかは助けに行ってやるから。時間掛かっても行ってやるから。」


「絶対だぞ?振りじゃないからな?見捨てるなよ?」


「見捨てはしないぞ。心配するな。」


と、そんな事を話しているとユウの身体が光り始めた。


が、一つ気になる事がまた増えた。今まで身体だけが光っていたのだが、コイツの光り方が身体全体を含め身体の周りまで光っているし、光量が凄すぎて見ていられないどころか、目を瞑っても明るくて目を抑えたい程だ。だが、動けないから抑えられない。


十秒程光った後、段々と光が消えていった。


勿論、ユウは既にいなくなっていた。



再会する事は絶対条件にするつもりだったが、こう目の前で消えていくのを見ると流石に気が滅入る……


もしかしたら二度と会えないのではないか、自分はどうなるのか、洗脳されてしまうのでは、不安でしか無い。


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