第五十二話 ルミア+1
呼人とエルゴが温泉に浸かって、のんびりと景色を楽しんでいる頃、南部最大の街トロストでは異変が起きていた。
突如、街の上空に赤いドラゴンが現れたのだ。
街に影がさし、住民が空を見上げたときには、体長15m程の赤いドラゴンが上空に浮かんでいた。ドラゴンなど、間近に見たことの無い住民は、驚きパニックとなる。
実は、事前にドラゴンが襲来することを、南部の領主である公爵家が発表しており、住民には詳細が知らされていた。しかし突拍子の無い話に、住民はポカンとするばかりで、他人事のように感じていたのだ。
この国では、ドラゴンは伝説に近い生き物である。人々は、ドラゴンと思われる、はるか遠い上空を飛ぶ小さな物体は、たまに見かけるが、関わりなど無い存在だと思っている人間が多い。
ドラゴン1匹で、国が滅ぶと噂されているが、実際に間近で見た者がいないので、人々はどこか別世界の生き物のように感じているのは仕方のない話だ。
そんな中、本当に巨大なドラゴンがやって来たのだ。人間にとっては、巨大な魔物が近くに現れれば、恐怖が湧くのは必然であろう。
そんな右往左往する住民達に声が掛かる。脳内に直接響く声は、幼い女の子の声のようであり、住民は逃げるのも忘れてキョロキョロと辺りを見回している。
『妾は竜の姫クロールミア。故あって公爵の屋敷をもらいに来た。住民に危害を加えるつもりは無い。
公爵家の者共は、妾に喧嘩を売った馬鹿息子を野放しにしてきた罪を、確と受け止めるが良い』
ゴオオオッ!
赤いドラゴンの太い下顎が、パカリと開き、炎吐息が吐き出される。
圧倒的な炎の塊に、街で一番大きな公爵の屋敷が一瞬で吹き飛び、周囲の貴族屋敷ごと燃え上がる。暫しブレスを吐き続けた赤竜は、黒焦げの地面と化した屋敷跡に満足したのか。ゴアアアッと一声上げて飛び去って行った。
正味10分ほどのパフォーマンスに、住民は唖然として、立ち尽くすのみであった。街は急激な温度変化に風が吹き荒れ、バサバサと髪や衣服を揺らしているが、あまりの出来事に混乱を通り越して、思考停止してしまったようだ。
住民達は、公爵家から上がる黒煙を口を開けて眺めるばかりで動くものはいなかった。
翌日、薬師ギルドの手配した豪華な宿屋で、朝の柔らかな日差しを受けて目覚めた少女は、グフフと下品な笑いを浮かべた。
幼竜のクロールミアである。
夢見が良かったのか、昨日、自身の力を示せたことが、気分を高揚させているのかはわからない。ただただ布団を握りしめて、ニヤニヤと笑う幼女姿のドラゴンはキモかった。
「おはようでし、ルミアさん。新聞が届いているでしよ」
「おはよう精霊達。気分の良い朝じゃのう」
「昨日は格好良かったでし、一面を飾っているでし」
「そうであろう、そうであろう。お主らも流行病の治療ご苦労じゃったな」
「あたち達も、記者のインタビューを受けたでし。呼人さんに感謝でし」
「どれどれ…」
ルミアの広げた新聞の一面には、デカデカと赤いドラゴンの写真が載っており、「厄災現る、公爵屋敷墜つ」と、ルミアには心地好い響きの見出しが目に映る。
記事には、都では神の鉄槌が落ち、トロストでは厄災の炎が荒れ狂う。この国に未来はあるのか。と悲観的な文面が綴られている。
「ふふふ、民の度肝を抜けたようじゃのう。妾も神の加護を受けて、体長が最大5mから15mに成長したからのう。さぞ驚いたことじゃろう」
「人が右往左往して、アリのようだったでし」
「グフフ、ドラゴンの恐さを思い知ったであろう。ウーテに教わった集団念話にも驚いていたようじゃ」
ページをめくると、「乙女レッドと乙女ブラック現る」と見出しがあり、人型のルミアと精霊達のプラスワンが、治癒魔法陣を浮かべている姿が、それぞれカラー写真で載っていた。
「乙女ブラックとな。プラスワンではないのか?」
「魔法乙女戦隊の一員として認められたでし。これはこれで嬉しいでし。司令官に感謝でし」
「良かったのう。記事を見る限りインタビューにも問題は無いようじゃ。妾達の仕事は終わったようじゃな」
「では今日からバカンスでし」
「呼人には、南は海に面しているから、港町に行くと面白そうだと聞いている」
「それは楽しみでし」
「何でも、呼人がマニュアルとやらで調べた情報では、パエリアという料理があるそうじゃ。米を使った料理は、この国では珍しいらしい」
「何とも美味しそうな響きでし」
快晴の青空の下、強い日差しを受け止めて、南部最大の街トロストから南下する騎獣。
大きな獅子に股がる可憐な少女と、スキージャンプのように前傾姿勢でスーっと動くサイボーグ。
幼竜クロールミアとプラスワンに乗る精霊達である。
「ルミアさんは、初め大きくなる事を嫌がっていたでし。今は大丈夫なんでしか?」
「前はのう、人間界にいたいという理由が希薄じゃった。ただの家出じゃ。見つかって『帰れ』と言われれば、断る理由がなかった」
「今は違うでしか」
「そうじゃ、今は見つかっても、拒むことができるだけの理由を持っておる。成長もしたから戦ってでも残れる力も得た。仲間もおるから見つかっても構わんのじゃ」
「良かったでしねぇ」
赤髪ドリルヘアにパステルピンクの姫衣装を着た、人型のクロールミアは、正にお嬢様という感じで、厳つい獅子の顔とのギャップが凄まじい。
その横を浮遊するように飛ぶ、身長2mの大きな人形と言った感じのプラスワンは、精霊達の依り代である。
銀色のボディに黒いドレスアーマーを着込み、クールな雰囲気を醸し出す姿は近寄りがたいが、中にいる精霊達が陽気にはしゃいでいる姿を見ると、これまたギャップが大きくて笑ってしまう。
精霊達は、プラスワンのあちこちから顔を出して、景色やルミアとの会話を楽しんでいるが、普通の人間にはプラスワンしか見えていない。
もし精霊達が見えていたなら、大きな人形から7つの小さな人形が顔を出している姿に、さぞビックリすることであろう。
「おお、港が見えてきたぞ」
「船がたくさんあるでし。カッコいいでしねぇ」
「そうじゃのう。今度、呼人におねだりして船旅でもしてみたいのう」
「それは楽しそうでしねぇ。呼人さんのデザインは、どれも素敵でし。なんならカッコいい船を作ってもらうでし」
そこは大きな港町であった。大きな船が数隻、中型船が多数停泊している。街の中は、筋骨粒々な荒くれ者達でごった返しており、久しぶりの陸地での休暇を満喫するために、昼間から酒を片手にドンチャン騒ぎをしている者達までいる。
そんな喧騒が渦巻く広い通りを、ノシノシと大きな獅子が歩いている。
獅子には当然、クロールミアが股がっており、横にはプラスワンが連れ立っているのは言うまでもない。
異様である。
精霊達の乗るプラスワンは、地上10㎝をスーっと動いている。手足も動かさず、直立不動のまま動く姿は不気味であり、その顔を見ると無表情な冷たい金属であることに人々は2度驚く。
そんな異様な光景に道行く人間は、ザワザワとざわめくが、二人は一向に気にしない。ふたりの進む先が、モーセの十戒の如く、人波が割れる様が、なんとも楽しいようで、あっにフラフラこっちにフラフラと、店に寄っては買い物を楽しんでいる。
「なんじゃ、あの果物は見たことが無いのう」
「本当でしねぇ。ちょっと買ってくるでし」
精霊達が操るプラスワンが、果物屋台の女店主に金を払い、果物を切り分けてもらう。女店主は、サイボーグにビックリしていたが、商売はキッチリこなしていた。
プラスワンが女店主から渡された、皿に盛られた果物を持ち、ルミアと精霊達が木のクシを使って果物をつまむ。
「むほー、先程食べたパエリアも美味しかったが、この果物もなかなかじゃ」
「パエリアは、呼人さんの作るチャーハンやピラフとは、また違った味で美味しかったでし。果物はデザートにピッタリの甘さでしねぇ」
「そうじゃのう班長、呼人の土産にたくさん買って帰るとするか」
「あたちは、この果物でジュースやソースを作るでし」
「シェフの料理は旨いからのう。楽しみじゃ」
「ぼきは、果実酒を醸すでし」
「ぼきは、果樹園で育てるでし」
「主任もお頭もヤル気満々じゃのう。呼人も喜ぶじゃろう」
精霊の姿は人々には見えていないが、声は聞こえている。プラスワンの音声変換装置を使って、班長の声だけ人間にも認識できるようになっているからだ。勿論、クロールミアには精霊全員の声が聞こえている。
「店主よ、この果物をあるだけ買いたい。良いか?」
「ええ構いませんよ、お嬢さん」
「あと、ココナッツジュースも2つくれぬか」
クロールミアは竜族の姫だ。小さい成りだが、態度はデカい。ルミアが果物を収納の魔法でしまい、精霊と共にココナッツジュースをチュウチュウと吸っている時に異変は起きた。
急に班長が海の方を見て動かなくなる。
「班長よ、どうしたのじゃ」
「精霊通信でし。海の精霊が警告しているでし」
「なんと言っておる?」
「大きな魔物がやってくるでし。港を狙っているでし。シーサーペントでし」
「なっ! それはいかん。人々を避難させねば、旨い料理が食えなくなる」
「バカンスが台無しになるでし」
バサリと翼を出し、騎獣を置いたままルミアが飛び立つ、ルミアの姿がドラゴンに変化して、街の上空に止まると、街の住民や船乗り達が騒ぎ始めた。
『妾の名は、竜の姫クロールミア。人間に危害を加えるつもりはない。海の精霊から警告を受けたので皆に伝える。傾聴せよ。
シーサーペントが海から港を狙っておる。急ぎ住民も船乗りも、内陸部に避難するのじゃ。シーサーペントは、妾が押さえ込むが海は荒れるじゃろう。港にいる人間は速やかに移動を開始せよ』
トロストでも使った集団念話である。体長15mの赤いドラゴンが急に現れて、街はパニックになりかけたが、今は頭の中に響き渡る少女の声に聞き入っている。
『何を呆けておる、急がぬと妾が喰ろうてしまうぞ。ゴアアア!』
ドラゴンの咆哮に、人々の停止していた思考が危険信号を発したようだ。ワラワラと人が海を離れて行く。
人間の姿に戻ったルミアは獅子に股がり、空を飛びながら海を目指す。精霊達のプラスワンがそれに続く。
乙女レッドと乙女ブラックが再び、南部の街に降臨した。
「魔法乙女戦隊、出動じゃ。魔物から旨いメシを守るのじゃ」
「「「おおー! バカンスを死守するでし」」」
なんともかんとも、マリアとは方向性が違うところが人外らしいやり取りである。
ルミア達が海上に出たのと、海面が大きく盛り上がったのは同時であった。盛り上がった海水が落ち、大きな波を立てる頃には、シーサーペントが姿を現していた。
デカい!
海上には30mほどのウツボに似た魔物がいる。海面下に隠れる全長は、100m以上あるのではないかと思われるほど太い胴体に、ゴツゴツとした鱗を纏っている。人型のルミアなど鼻息で吹き飛ばせそうだ。
シーサーペントの出現で発生した津波により、港の船や倉庫は押し潰されているところもあるようだ。人間などひとたまりもなかったであろう。
「ここは、妾の食事処じゃああ! 死にたくなければ去るが良い!」
幼竜クロールミアが吠える。シーサーペントは、グオオオオオ! と咆哮を上げるばかりだ。
「話す知能も無いか。精霊達よやるぞ!」
「「「おおー!」」」
人型のルミアが大きく息を吸う。ゴオオオッとシーサーペントの大きさに負けないほどの炎が吐き出された。
シーサーペントの顔が炎に包まれ、あまりの高温に目が瞬時に沸騰して破裂する。
周囲は急激な温度変化に、海上を風が吹き荒れている。
精霊達は、個別に専用機に別れてシーサーペントを取り囲み魔法を放つ。炎弾、風弾、光線、風刃の魔法など、呼人お得意の攻撃魔法がシーサーペントに炸裂した。
魔法がシーサーペントの鱗を剥がし、肉を抉り煙を上げている。精霊の力は、はかり知れない。呼人よりも魔法の威力が段違いに高いようだ。
グオオオオオ!
叫んだシーサーペントが、闇雲にウォーターブレスを吐くが、精霊もルミアも素早く交わしてしまう。一方的な攻撃にさらされたシーサーペントが海に逃れた。
「逃げよったか」
「いや、まだ下に気配があるでし」
「水中戦は厄介じゃな」
「大丈夫でし。あたち達が行くでし。水中も地上も変わらないでし」
遠くの海面が盛り上がる。シーサーペントの尻尾が持ち上がり、ルミア達に襲いかかった。
「任せるのじゃ!」
そう言ってクロールミアがドラゴンに変化する。みるみるうちに巨大化して、体長15mの威容を誇る赤竜となったルミアであるが、シーサーペントの胴体は、その何倍もの質量を持つ。
バサリと翼を一振りしたルミアが、上から振り下ろされるシーサーペントの尻尾に突っ込んだ。
ドオオン! と大質量同士がぶつかる音が響き、ルミアがシーサーペントの尻尾を受け止める。
ぬおりゃああああ!
ドラゴン形態のルミアが叫びながら、受け止めたシーサーペントを上空へと引きずり出す。
尻尾を掴まれ空中でウネウネともがくシーサーペントが、グオオオオオ! と怒りの咆哮を放った。
正に怪獣大戦争と言った様相を呈した戦いとなったが、止めを指したのは小さな精霊達であった。
プラスワンに合体した精霊達が、ドリルのように回転しながらシーサーペントの頭部にぶち当たったのだ。
「「「プラスワンミサイルぅぅぅ!」」」
技名はチープだが、プラスワンの必殺技を頭部に受けたシーサーペントは、あっさり脳を散らして動きを止めた。
それからは大変であった。シーサーペントをぶら下げたドラゴンが、港にシーサーペントを下ろし、人型に戻ったルミアとプラスワンが、どうしたものかと悩んでいると、逃げていた人々が集まってきて、恐る恐るではあるが礼を言う。
体長200mのシーサーペントは、高級素材であり高級食材らしく、港町の商業ギルドと冒険者ギルドが買い取ると言う。
ルミアは、金貨5000枚と肉の一部を受け取り、新聞記者のインタビューを受け、倒れた船や家屋の移動をドラゴン形態で手伝って、シーサーペント討伐祝いのパーティーにお呼ばれして大いに食った。
翌日、商業ギルドの手配した豪華な宿屋で、朝の柔らかな日差しを受けて目覚めた少女は、グフッグフフゥと下品な笑いを浮かべた。
幼竜のクロールミアである。
夢見が良かったのか、昨日、自身の力を示せたことが、気分を高揚させているのかはわからない。ただただ布団を握りしめてニマニマと笑う幼女姿のドラゴンはキモかった。
「おはようでし、ルミアさん。新聞が届いているでしよ」
「おはよう精霊達。潮風が心地好いのう」
「昨日は楽しかったでしねぇ、あたち達が新聞の一面を飾っているでしよ」
「そうであろう、そうであろう。お主らもご苦労じゃったな」
「あたち達も、まさか2度目のインタビューを受けれるとは思わなかったでし。良い土産話ができたでし」
「どれどれ…」
ルミアの広げた新聞の一面には、デカデカと赤いドラゴンとプラスワンの写真が載っており、
「乙女レッドと乙女ブラック、南部に再び現る」
と、ルミアには心地好い響きの見出しが目に映る。
記事には、港町に突如現れた、体長200mの超大型シーサーペントを、ふたりの乙女が討伐したとあり、シーサーペントと共に写真に写るルミアと、プラスワンの姿があった。
「ふふふ、またまた民の度肝を抜けたようじゃのう」
「あのクラスのシーサーペントの討伐は、冒険者が100人集まっても大変でし」
「グフフ、魔法乙女戦隊の凄さを思い知ったであろう。なにせ2人で倒してしまったのじゃからな」
ページをめくると、「英雄現るも『怪物』に散る」と見出しがあり、西の街の武闘大会の様子が紹介されている。
記事には、魔法乙女戦隊に「怪物」あり、近衛騎士団長のレフラーゾを倒せし英雄「赤猫」も瞬殺と書いてあり、得意気なマリアと不機嫌なハルナが、並んで写真に写っている。
怪物とは、決して侮蔑の意味では無い。英雄を破る強者に対して、敬意と親愛を込めた愛称であると締めくくられていた。
「マリア達も楽しんでおるようじゃな」
「武闘大会で優勝とは凄いでし」
「なに、所詮人間相手の遊技よ。妾達の功績には敵うまい。なにせ2日連続の一面じゃ。だははは」
ルミアにとっては、人間との戦いなど遊びに等しいようだ。
「なぜマリアさんの攻撃を受けて、ハルナさんは動けなくなったでしか?」
「イメージを乗せた魔力を叩き困れて、外形を固定されたのであろう」
ルミアは、前に呼人とマリアが話しているのを聞いていたらしい。ハルナには物理攻撃も、魔法攻撃も効き辛いが、イメージを魔力に乗せて、直接打ち込めば戦闘不能にできるかもと。
ただ直接打ち込むのは至難の技だ。
「それにしても、この『司令官の愛人ハルナ』とは何でしかねぇ」
「ぶほっ、ハルナめ、羽目を外し過ぎじゃ。呼人が怒るぞ」
上機嫌で朝食を食べたクロールミアと精霊達は、昨日危険を知らせてくれた、海の精霊に会いに行った。
沖に浮かぶ小島が「島亀様」と言われて、精霊の住まう場所として、人々から敬われているらしい。
班長の話では、島亀様は精霊さんと同じく、神に創られた精霊王のひとりだそうだ。沖に浮かぶ小島は、実際に生きている大きな亀の甲羅らしく、島亀様の依り代なんだとか。
その亀の甲羅の上に森があり、精霊達の箱庭が隠されているそうだ。そして邪神の欠片も隠されているとのこと。
「島亀様、お久しぶりでし。昨日は警告感謝でし」
「森の精霊か。ずいぶん成長したようだの」
海の精霊王、島亀様は長い白髪と長い白髭をたくわえた、ヨボヨボのじい様の姿で現れた。
クロールミアが人型で礼を述べる。
「精霊王よ、昨日は警告をくれたそうじゃな。人に変わって礼を言おう。ありがとう」
「フォッフォッフォッ、竜族にしては礼儀を知ったお嬢ちゃんだの」
「褒め言葉と受け取っておこう」
「なあに、礼には及ばんよ。シーサーペントは、邪神の欠片を狙っておった。わし等に邪魔されてイラついておったのだろう。港の人間を襲おうとしていたのでな、少し懲らしめようと思っておったところだ」
「なぜ、こっちに教えたのじゃ」
「お主の大きな魔力を感じての、面倒事を振ったまでよ。フォッフォッフォッ」
食えないじい様だとルミアも笑う。
そしてルミア達は、面倒事を解決してくれた報酬だと、海の精霊達から真珠や珍しい海産物をもらった。呼人に渡せば喜ぶであろう。
その後、主任が収納庫から自分の作った、ワインやぽん酒を出し島亀様にお供えすると、大いに喜ばれて鼻高々となり、プラスワンの姿を見た海の精霊達に、うらやましがられてと、班長達は上機嫌で港町に帰ったという。




