探索者組合 日本支部発行 「バベルの大穴ガイド」ー1
[バベルの大穴] P14
「現代ダンジョン 正式名 バベルの大穴」の各階層について」
より抜粋ー
バベルの大穴各階層について。
一階層
中央区 灰色の荒地
西区 大森林
東区 大湖畔
北区 水晶地帯
南区 巣穴地帯
1階層中央区について。
灰色の荒地と名付けられたこの土地は一階層の50パーセントを占めるほと広大である。
荒地の名の通り灰色の岩と灰色の砂で覆われた殺風景な光景が続くエリアだ。
大きな岩場には無計画に近寄らないことだ。
怪物種の縄張りになっていることが多い。
また灰色の風景に似合わない、木材で出来た住居らしきものが密集している場所は怪物種15号の集落のため大変危険だ。
不用意に近寄らないほうがいい。
エリアに点在する灰色の岩石は表面部は脆いが中心の密度は非常に高い。
その中心部は「灰色石」と呼ばれコンクリートよりも軽く、頑丈な為近年では新しい建材として注目を浴びている。
(注2027年現在では有効な加工方法が見つかっていない為目下調査対象の特産物である)
またこの土地はほかの土地に比べれば危険な怪物種は少ない。
そのため経験の浅い探索者にとってはダンジョンの環境に慣れるために最適のエリアとされている。
主に生息している怪物種は「15号灰ゴブリン」「17号ハイイロ蛇 小型」「18号灰トカゲ小型」の三種が2027年時点で確認されている。
生態系の頂点には現時点では体格が一番大きく、灰トカゲを好物としているハイイロ蛇が位置付けられている。
しかし「指定探索者」であるクラーク女史が撮影に成功した灰ゴブリンの5家族共同の「ハイイロ蛇狩り」の映像からこの生態ピラミッドは絶対のものではないとされている。
尚この「ハイイロ蛇狩り」の映像は倫理的な観点から指定探索者のみ閲覧が可能である。
現時点では徘徊種の確認はされていない。今後の調査が期待される
(注 徘徊種についてはP67を参照)
侵入路は日本、アメリカ、フランス、メキシコ、ドイツ、イギリス。ほぼ100パーセントの侵入確率。
ちなみに我が日本支部の地下拠点は武家屋敷をイメージしたものとなっており、各国の探索者達からも人気である。