5話
~サイド町子~
庄内くんがきた道を引き返し、千代ちゃんと2人きりになる。
「千代ちゃんは気にしないの?」
ここで、庄内くんがいては聞きにくい質問をしようと思った。
「なんの話しかね?」
「ほら、私って昔のあなたたちの友人に瓜二つなわけじゃない。だから、受け入れてもらうのに時間がかかると思ったんだ。現に栄子ちゃんは敵意丸出しだし」
大人な対応をしてくれる大須先輩や、妹に似ているという金山くんの2人は態度には出していないが、なんとなくまだぎこちなさを感じる。
恋人である庄内くんですらそうだ。まだなんとなく私を通してその昔の恋人を見ているような遠い目をしているのがわかる。
そんな中、千代ちゃんはそういった感じがまるでなく自然体に感じたのだ。
「そんなことか。まぁ似てる人間なんていくらっでもおるし、私はあのグループじゃ圧倒的に新参者で、南ちゃんとの絡みはほとんどなかったから、あまり違和感がないのかもしれない」
「そうなの?」
「なにせ私は小学校高学年まで彼らと付き合いがないからね。南ちゃんとは2年しか一緒に過ごしていないからな」
その発言には驚いた。確かに以前大須先輩から聞いた昔話には千代ちゃんの話があまり出てこなかったとは思っていたが、現メンバーとまだ6年しか付き合いがないとは思わなかったのだ。
「私はこんなんだから、小学校時代にも助けてくれる子はいたんだ。しかし、その子が転校してしまい、別々になってしまった。そこで手を差し伸べてくれたのが、そこにケーくんと南ちゃんだった。ケーくんは私を非常に気遣ってくれて、南ちゃんもケーくんが私にやたらかまうのを何も言わずに受け入れてくれた」
そこまで話すとちょっと疲れたらしく、休憩をし始めた。あまり長く話すのも得意では無いようだ。
「当時からどこかに行くのに、自転車の後部座席に乗せてもらうことは多かったよ。軽くて驚いていて、それを南ちゃんが見て、体重のことを気にしてるみたいなやりとりがあった。
実にお似合いだと思ったよ。すごいなと思った。そして、その後も2人は気にかけてくれて、会長のグループに誘ってもらって、今に至るというわけさ。高校生になってすぐに、登校にも自転車を使うようになったせいで、栄子ちゃんが入学してくるまでは、結果的に2人で毎日登校したせいでイラン噂が経ってしまったがね。会長と同じのが」
淡々と語っていたが、いつもより饒舌に聞こえた。
「千代ちゃんは、庄内くんのことはどう思ってるの?」
それで、これを聞かずにはいられなかった。
「ケーくん? それは恋愛的な意味かな?」
「うん」
「彼はいい人だからね。彼にそういう感情があれば誇らしくは思う。私は彼のことは好きさ。だが、恋愛に割く体力などないし、彼が幸せになれればそれで良いと思う。時々私を彼が助けてくれればそれで十分さ、だから、君が私を気にかける必要は全くない」
千代ちゃんはそう言って応援してくれた。
そこまで話すと、庄内くんが帰ってきて、2人でそこをあとにした。
栄子ちゃん以外は私を応援してくれるみたいだけど、グループみんなが庄内くんに対して良い感情を持っているのも知ってしまった。
果たしてこのまま平穏無事と行くのだろうか。




