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プロローグC

金山南かなやまみなみ

会長グループに属す前から付き合いのあった幼馴染。苗字が同じなのでわかると思うが、颯斗の双子の妹である。


南は兄ににず、とてもおっとりした落ち着いた子だった。幼稚園に入る前からの付き合いで、小さい頃の約束ながら結婚を誓い合っていた。


それが小学校にも入り、高学年になってもその約束は変わらず、それが真実味を帯びていった。


彼女はそれほど特別だった。磁石のS極とN極というか、凹凸というか完璧に噛み合っていてお互いを必要としていた。


本来小学校の高学年ともなると、男女の差が出てきて一緒に遊ばなくなるし、一緒にいようものなら冷やかされたりして居心地が悪くなるものである。


しかし、自分と彼女にはそういうものがなかった。会長のグループではもちろん、クラスメイトも自分たちを認めてくれていた。きっと彼女とずっと過ごしていくものばかりと思っていた。


中学に入ってすぐののあの事故さえなければ……。


突然だった。ほんの数分前まで一緒にいたのだ。そんな彼女がいなくなった。まだまだ子供だったし、彼氏彼女らしいことを特別にたくさんしたわけでもない。これから大人になってそういったことをできるという話をしたばかりだった。


自分はショックでしばらく学校に行くことはできなかった。


自分と南の不在で会長グループも少しほころびができてしまい、当時10人以上いたグループは、現在いるメンバーだけになってしまった。自分がグループを壊してしまったことでなおさら当時は自己嫌悪に陥った。


しかし、残ったメンバーは必死に自分を助けようとケアをしてくれた。

颯斗は妹を失って自分よりも辛かったかもしれないのに必死に助けてくれた。発言は相変わらずだったが彼の方が辛いという気持ちは自分の気持ちを落ち着けるのに十分すぎる理由だった。


栄子も変わった。栄子は従兄妹である南を「お姉ちゃん」としたっており、その南と将来を誓っていた自分を当時は「お兄ちゃん」と呼んでいたのだが、呼び方を「先輩」と変えた。


彼女も肉親を失って辛かったのだろうが、自分が少しでも南のことを忘れられるように彼女なりに気を使ってくれたのだろう。


千代は何も変わらず「来てくれないと私が帰宅が大変だ」とか言っていた。でもこういう時変に気を使われないというのはむしろ安心感がある。彼女の適当さはある意味救いになった。


会長は家に来て毎日相談にのてくれた上に、自分が落第しないよう教師や学校に必死に働きかけてくれた。1番迷惑をかけてしまった。


彼らのおかげで3か月足らずでなんとか学校に復帰することができ、そこから彼らの助けに報いるために必死に勉強をして周りが進学するこの学校に進学することができた。


日常生活を送るのには特に問題はなかったが、彼女がいなくなってから4年たってもまだ自分の中で整理はついていない。新しい恋をはじめ。るべきと周りにも言われる。少なくとも魅力的な女性が周りに3人いるのだから。


そこにあの子がはいなくても世界はまわっている。それが悲しくて仕方なく、だれかと付き合うことが彼女への裏切りになってしまいそうなのだ。


もちろん彼女がそんなことを望んでいないことはわかっている。後はただ自分の問題なのである。

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