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17話

~サイド栄子~


うっしゃ、私のターンです。


今日はあの女と先輩がデートをする日。というわけで、こっそり監視に来ているわけです。


「どうですか? 先輩見つかりましたか?」


しかし、私は尾行というものはあまり得意ではありません。ちょうどいい距離感が分からないで追跡していたら、見失いました。


「うーむ、フリーフォールに私が乗ると、かなりふわふわに浮いてしまうなー」


「誰がアトラクションの感想を求めたんですか! チー先輩」


今回私だけでは心もとないので、助っ人を頼もうと思いましたが、会長は邪魔をさせようとしませんでしたし、颯斗はあの偉そうな態度に反して、絶叫マシーンが苦手のため、消去法でチー先輩を連れてきました。


チー先輩は歩くのが遅いというデメリットはありますが、なぜか絶叫マシーンは得意です。というか、このチー先輩の家である鶴舞家は、この遊園地の株主なので、優待券があるのです。先輩に割引券を渡したのも、チー先輩ですし、先輩のデート先が分かったのもこの人のおかげです。


「まぁまぁ、焦ることはない。遊園地の中にいることは間違いないのだから、無理して探さなくてもいいさ」


「こんなことをしている間にも、先輩とあの女が絶叫マシーンに乗りながら、お互いを求め合いかねません!」


「そこまでの身体能力はきっとないと思うがね。まぁ焦らず、一緒にこれでも食べようじゃないか」


先輩達を見失いイライラしている私に、チー先輩は串を1本渡してきました。


「これは?」


「某県の有名な牛の牛串だよ。1本400円で、1日本数限定のレアものだ」


「こんなのありましたっけ?」


私達のグループは、付き合いが少し短いチー先輩を含めて基本的には、この地方で生まれてこの地方で育っている。つまり、規模の大きいこの遊園地には皆来たことがある。とは言っても、子供だけで来ることは無かったので、家族で来ていましたが。


昔お姉ちゃんがいたときに、1回だけグループメンバー全員で来たことがそういえばありました。ここにくるのもお姉ちゃんが無くなって以来です。


「うむ、私はあまり食べないからね。お父さんもお母さんもいろいろ美味しいものを教えてくれる。この肉もその1つ。とにかく美味い」


「あむっ。わ、何これうまっ」


口に入れた瞬間、ほぼ噛まなくてもとろけるように消えていく。牛がまだ生きているようだ。


「これならいい感じに食べれるから、私も1本食べられる。うん、実にいい」


確かに美味しいものを食べていると、安心感が出る。そうだ、焦って先輩に見つかってはいけない。落ち着こう。








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