14話
~サイド栞那~
私の発言に皆が驚いていた。
でもこれは薄々考えていたこと。これは簡単に言うと、栄子のため。
仲良しグループというのは、学校に大体いるけれど、男女も学年もまたいで、これだけ昔からの付き合いがある幼馴染メンバーがこれだけ揃うのはおそらく珍しい。
昔と比べて人数も少なくなったけど、このメンバーで過ごすのは楽しかった。
だけど、今回のことで分かった。このグループが残ったままでは、皆南ちゃんのことに対して吹っ切れることができない。
栄子が反対意見を頑なに変えないのは、それもある。幼馴染の関係としての絆が強すぎて、栄子は学校での友人関係が希薄である。明るくて見た目もいいから、ある程度の友人はいるが、皆学校内での付き合いで、基本的にはこちらを優先してしまう。
皆がこのグループという1つのものから卒業しないと、成長できない。これは栄子に限ったことじゃない和犬。私にとっても、いろいろなことを吹っ切るのに、必要なこと、そうでなくても、高校生活が終わったら、さすがに皆の進路が別れる。そうなれば、このグループはある程度自然消滅していくだろう。その前に、きちんとこのグループを終わらせておくことは必要なことだ。
そのタイミングをずっとうかがっていたけど、今回の桂と町子ちゃんが付き合うことはいいきっかけになる。
「そんな……、会長……」
栄子の涙が辛い。栄子は我がままをいうことが多いけど、泣くことはほとんど無い。だからこそ、それが辛い。
「栄子、これは必要なことよ。私達とばかりじゃなくて、クラスメイトと学校以外でも接して、もっと回りに目を向けてほしいの……」
あ、やばい。私も泣きそう。でも私が泣いたら、絶対に栄子はこの解散に賛成しない。我慢。
「み、皆はどうなんですか!?」
「まぁ、仕方ないよな……」
「ああ、そろそろ拘束を脱ぎ去り、自由へ向かうことも必要だろう」
「……なんとでもなるさ。長い付き合い。グループであるかないかはそこまで問題ではない」
桂、颯斗、千代は突然の発言には驚いたようだが、特に何も反対意見がないようだ。3人も私と同じように、この考えはあったのだろう。
「そんな……」
誰も味方がいないと察した栄子は、ただ涙を流し、そしてダッシュしてその場を離れてしまった。
「でもこれは必要なこと。ずっと小さな頃の関係を意識して、自分達に依存しているのは栄子のためにならない。新しい友人を作って、新しい恋人を作って、新しい関係を作ってね」
「ええ、そうですね」
桂が笑顔でうなずいてくる。
……恋人ねぇ……。
私はちょっといぶかしげに桂を見る。すると、千代と颯斗も桂を見ていた。
「え、何で俺をみるの?」
ああ、分かっていないのは当人同士だけか。
幼馴染の関係がずっと長かったから、2人とも仲のいい兄妹みたいなものだったものね。仕方ないか。でも間違いなく栄子は……、そうでしょうね。
「あ、やっぱり栄子ちゃんってそうなんですね。そうじゃなきゃやっぱおかしいですもん」
「え、どゆこと?」
付き合いの短い町子ちゃんでも分かるのに、この鈍感男は分からないのかしら?
「まぁ気にしないで。それでも私はあなたの味方だから。時間があったのに落とせてない以上は責任はあの子自身にあるわ。恋愛は早い者勝ちだから」
「それを聞いて安心しました」
ああ、桂の、何言ってるか分からない、文脈が読めないという顔がむかつくわー。




