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99.ちょっと、ふりむいて、みただけの~

BGM:異邦人(By 久保田早紀)♫





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「そんなに一生懸命キョロキョロしていると、疲れちゃうわよ。」



 スザンヌさんが、忙しくあたりを見回している、俺とコリンに言った。




 いま俺たちは、チャーターしていた馬車を降りて、王都の街路を歩いている。



「ほんと。お上りさん丸出し。」



 エルが、莫迦にしたように冷たくつぶやく。



「しょうがないじゃないか、実際、初めて見るものばかりなんだし。なあ、コリン。」


「うん!なにもかも、おっきくて、人もいっぱいいて面白い!」



 コリンは、繋いだ手をブンブン振り回しながら、興奮している。


 ちなみに、ライアンは俺の肩の上だ。



 大きさは少し小さめの家猫くらい、なんか自由に大きさは変えられるらしい。


 そんな能力があるなら、はじめから言ってくれって話だ。


 縮めた身体で、俺の右肩の上に器用に乗っているのだった。


 カレは彼で、鼻をヒクヒクさせて、一生懸命匂いを嗅ぐのに忙しい。



「確かに。ヒタト国の王都キシャルは、埃っぽくてどこか暗い感じがするんですが、イシュタル(ここ)は、華やかで明るい感じがしますし、なんだかワクワクしますね。」



 アイリスも、俺たち同様、目をキラキラさせて、好奇心に満ちた視線を左右に向けている。




********



 イミグレーションを終えて、巨大な門を抜けると、野球のグラウンドぐらいの広場があった。


 広場は、5階建てくらいの大きな建物に囲まれている。


 スザンヌさんによると、それらは各種ギルドの王都本部の建物らしい。


 万が一、戦争などになった時は、この広場で敵を足止めして、周りの建物から攻撃、殲滅するように配置されているということだ。


 まるで日本の城の、桝形虎口(ますがたこぐち)みたいだな。



 この広場からは、街路が8方向に延びている。


 街路は幅が10キュピ(5メートル)くらいで、緩やかに上り坂となっており、石畳敷だ。


 石畳は、たくさんの人がその上を歩いてきたため、ピカピカに光っており、少しすり減って凹んでいる。



 この縦方向の街路からは、横方向に幅6キュピ(3メートル)くらいの脇道が、たくさん延びている。


 この脇道には、洗濯物が干してあったりと、とても生活感がある。



 俺たちは、最初の広場から延びる、縦方向の街路の内、正面にあった2本の右側の道を進んで行ったのだったが、2000キュピ(1キロメートル)ほど進んだところで、横方向に延びる大きな通りに出た。


 道幅は、24キュピ(12メートル)ほどもある。


 そこは、さっきの橋の上に勝るとも劣らない賑わいだった。



「これが王都のメインストリートよ。」



 スザンヌさんが言った。



「なんなんだ、これは・・・。」


「ふえ~~~。」



 この世界のメインストリートとと言えば、エア村のしか知らない俺は、只々圧倒された。


 コリンも目を丸くして、呆然としている。



 様々な種族が、様々な衣装で歩いている。


 両側の建物は、基本的に1階建しかなかったエア村とは違い、3階建以上がほとんどだ。


 商店の店先には、商品が溢れんばかりに陳列されていて、客の呼び込みの声が騒々しい。


 そこかしこから、スパイスの薫りが漂ってくる。



「ちょっとだけ見物して、まずは宿を確保しましょう。」



 固まっている俺に、スザンヌさんが言ってきた。



「そ、そうですね。あっでも、冒険者ギルドには顔を出さなくていいんですか?」


「そんなのあとでいいわよ、ギルドは逃げないし。」



 ウインクをするスザンヌさんの大きな顔に、内心『逃げるかもしれない。』と思ったのはナイショだ。




********



 ・・・というわけで、いま俺たちは、メインストリートの街路を歩いているのだった。

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