87.ご精算~Part2
「しめて、25,258,000シケルになります。」
カウンターへ戻ってきて、エルの精算のあと、俺は自分とコリンが倒した分の精算をしてもらった。
ちなみに、コリンの分は724,000シケルだった。
なんか、一気に大金持ちになってしまった。
安い家なら買えるぞ・・。
「セイヤさま、大変申し訳ありませんが、2000万シケルについては、本部とギルドマスターの決済および現金の輸送が必要ですので、明後日まで待って頂けますでしょうか?もしくは、現金でなくてよろしければ、ギルドカードに振り込んでおきますが、いかがでしょうか?それならば、今日中に処理可能です。」
「は、はい?ギルドカードにそういう機能もあるんですか?」
若干、夢見心地な気分に浸っていた俺は、ガイヤさんの言葉に思わず聞き返してしまった。
そりゃあ、高ランク冒険者になれば、その稼ぎも半端ないだろうから、いちいち現金のやり取りでは、不都合もあるか。
「ええ、勿論ございますとも。登録の時に、冒険者の財産管理もギルドの業務の一つとご説明したかと思いますが?」
「ああ、そうでしたね。・・そういうことか。じゃあ、そうして貰えますか?アイテムボックスがあるから、苦ではないですけど、大金を持ち歩くのもなんなので。」
「承知致しました。・・・え~と、それからセイヤさまはレベルが19に上がっておられますので、今回の討伐の功績も加味して、ランクがCとなります。」
え?まじで?
飛び級してしまった!
「す、すいません。なんか・・。」
「いえ、規定ですから。ただ・・・。」
ん?
「もしかしたら、このあとギルドマスターと面会していただいたら、ギルマス権限でさらに上位ランクになる可能性も・・・。」
「ま、まさかあ!」
何とも言えない表情で言ってきたガイヤさんに、俺は困惑して言った。
「無くもないわね。」
「へ?」
横からエルがポツリと言ってくる。
その言葉に、ガイヤさんは乾いた笑いを漏らしていた。
なんか、一気に不安になってきたんですけど・・。
「ハイでは、こちらが更新されたギルドカードになります。振り込まれた報酬金については、明日以降カードをお持ち頂ければ、引き出し可能となります。勿論、国内国外問わず、各冒険者ギルドにて、同様に可能となりますので。」
「ありがとうございます。」
俺は、カードを受け取りながら驚いていた。
国外もって、まるでV○SAとかM○STERとか、国際クレカみたいだな。
「では、よろしければお連れ様もご一緒で構いませんので、ギルド長室へご案内しますが?」
ガイヤさんが、他の職員に声を掛けたあとに、俺たちに言ってきた。
「分かりました、連れを呼んできます。」
「案内しなくていいのに・・・。」
俺がガイヤさんに応えて、コリンたちを呼びに行こうとすると、横でエルが小さくつぶやいていた。
どこまで嫌なんだよ・・。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
現在の所持金
セイヤ:25,194,000シケル(内預金高20,000,000シケル)
コリン:742,000シケル




